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第2章 インターハイ〜
第116話 キラーインスティンクト
しおりを挟む第4Q 残り2:58
舟栄 69
星垓 69
本庄のミドルでなんとか点を取った舟栄。
ダム!!
その直後
トップで慎太郎から手渡しでボールを受け涼真がドライブ。
霧谷「くっ…」
(まだキレが上がってきやがる…どこまで伸びる気だよ…!)
キュッ!!
涼真、突如スピードを0にする。
そしてミドルシュートの構え。
霧谷「させるか!」
涼真の急ストップで一瞬距離ができたが、素早い反応でブロックに跳ぶ霧谷。
霧谷「!!」
霧谷、ブロックに跳ぶのを途中で辞め、涼真を避けるようにして着地。
涼真「チッ」
涼真は跳んでいなかった。
フェイクでディフェンスを跳ばせてのバスケットカウント狙い。
だが霧谷がギリギリで気付いた。
バス!!!
涼真、無難にミドルシュートを決める。
第4Q 残り2:42
舟栄 69
星垓 71
山下「まただ…舟栄がオフェンスを成功させて追い付いた直後に決まって引き離される」
村上「何度かこういう展開は星垓の試合で見てきたな。北条の持つ殺戮本能とでも言うべきか。
昔、かのシカゴ・ブルズのマイケル・ジョーダンをこう評した言葉がある」
-第4Qのマイケルは殺し屋だ-
村上「流石に試合中に殺人を犯すという意味ではないが、試合で相手の息の根を止める、言わば勝ちを攫っていく力、そのために試合の流れを読む力がずば抜けているという事だ」
山下「北条君にも、その力があると」
村上「ああ。まだ高校1年という事を考えると末恐ろしいな」
近藤「1本!」
慎太郎、近藤の視線を切ったりパスコースに手を入れたりと嫌らしいディフェンスを続ける。
近藤「しつけーな!」
近藤、ドリブルで離れようとするも、慎太郎は一定の距離を保ちついていく。
ビッ!
近藤、霧谷にパス。
同時に逆サイドへ切れようとするも…
ガッ!!
慎太郎が身体を当てて進路を塞ぐ。
「バンプ」と呼ばれる動き。
近藤「ってーな!」
近藤、慎太郎を引き離そうと手を使い距離を取ろうとする。
慎太郎「うおっ!」
慎太郎、押されたと同時にやや大袈裟に倒れる。
ピピーッ!!!
近藤「…!」
審判「オフェンスファウル!青6番!」
慎太郎、倒れたまま拳を握る。
近藤(や…やっちまった)
舟栄、痛恨のターンオーバー。
岩倉「あのアホ…」
(ラフプレーでも何でもない、ルール内のプレイだろが!それに勝手にイラついて自滅しやがって)
星垓のスローインからゲーム再開。
慎太郎、涼真を囮に髙木へ矢のようなパス。
永島、一瞬髙木に良いポジションを明け渡しただけで裏に絶妙なパスを通されてしまう。
永島「くっ…」
懸命に腕を伸ばしプレッシャーをかける。
だが、斜め後方からではプレッシャーをかけてもシュートを防ぐのは難しい。
そうしてほぼノーマークでローポストから踏み込んでゴール下を決めようという髙木の前に
霧谷「甘い!」
髙木「!?」
霧谷が現れた。
ガン!!
霧谷の腕はシュートコースを塞げなくとも、バランスを崩させ、シュートの手元を狂わせるには充分だった。
バシッ!
リバウンドは本庄。
近藤「よし!1本!」
だが、続いての舟栄の攻撃は岩倉のジャンプシュートがリングに嫌われる。
星垓、カウンターを試みるも岩倉がファウルでタイマーを止め、その直後のスローインからインサイドで神崎がダブルチームに捕まり、苦し紛れのパスがターンオーバーに。
第4Q 残り1:47
舟栄 69
星垓 71
舟栄、近藤がボールを運び、フロントコートに入る前に岩倉にパス。
慎太郎(いいぞ…さっきので余計に警戒してるな…?)
村上「なるほど…唐沢監督、さっきのタイムアウト後の1回だけのフルコートのディフェンスの意味はこれか」
山下「どういうことですか?」
村上「ATO(After Time Out。タイムアウトの後)のオフェンスってのはセットオフェンスをしたりディフェンスをチェンジしたりする絶好のチャンスなんだ。流れが切れるからな。
唐沢監督はそのATOでオフェンスを立ち直らせないためにわざと再開1発目だけフルコートでディフェンスさせたんだ」
山下「なるほど、直後のオフェンスのリズムを乱させる事で立ち直りづらくしたって事ですね」
村上「で、2度目のオフェンスで今度こそセットオフェンスをしようってところに…パス回しをする事が多いセットオフェンスに強いマッチアップゾーン…策士だな、唐沢監督」
山下「ポイントガードがパスを最初に出す事が多いですからね、そこのリズムを崩して全体に影響させる…」
村上「まあ、策が凄いからと言って中山みたいにそれをほぼ完璧に遂行するプレイヤーもそう多くはないがな」
(ミニバス全国、全中制覇とキャリアを積んでいるだけはあるな…)
ガン!!!
本庄から岩倉にインサイドアウトで打ったシュートが外れる。
新城がファウルギリギリで身体を寄せていた。
インサイドでは永島が髙木を、霧谷が涼真を、本庄が神崎を全力で抑えにかかる。
3人ともマークマンを跳ばせない事に注力。
永島(誰か…)
本庄(取ってくれ…!)
バシッ!!
取ったのは…
近藤「っしゃあ!」
霧谷「よく取った!近藤!」
慎太郎との身長差がここで活きた。
ビッ!!
近藤、すぐさまパス。
左ミドルポストで岩倉がボールを受ける。
スパッ!
第4Q 残り1:28
舟栄 71
星垓 71
舟栄メンバー「「「いょぉーし!!!」」」
涼真「リスタート!!」
涼真、すかさずスローイン。
慎太郎がボールを受ける。
ダム!!!
慎太郎、高速でドリブルしフロントコートへ。
近藤「く…」
ピピーッ!!
審判「ファウル!白6番!」
本庄「あっぶねー…」
岩倉「油断してた…ファウルさせてすまねえ、近藤」
近藤「ああ」
涼真「チッ」
(そう上手くはいかねえか)
星垓のスローインから仕切り直し。
新城(舟栄はこれでチームファウルが4…次からはフリースローになる。ここは…)
慎太郎からボールを受けた新城、髙木とのピックアンドロールでドライブ。
バシッ!!
岩倉の手がボールを捕らえた。
新城「!?」
決して意図してた訳ではないが、ディフェンスで手を前に積極的に出していた岩倉。
新城の保持するボールに意図せず手先が触れた。
ボールを近藤が拾う。
第4Q 残り1:12
舟栄 71
星垓 71
前方を本庄が走っている。
近藤、片手でボールを投げるベースボールパス。
バチィッ!!!
近藤のパスは前に飛ばなかった。
慎太郎「油断大敵!」
星垓メンバー「「「おおお!!慎太郎!!」」」
「ここでスティール!」
春香「やった!慎ちゃん!」
美保「凄い…!」
霧谷「出させるな!」
岩倉、近藤が慎太郎を囲む。
ビッ!!!
慎太郎、自分より10㎝以上大きい2人に囲まれながらも片手で鋭いパス。
涼真、スリーポイントライン付近でノーマーク。
涼真、スリーポイントの構え。
涼真(攻めてこそ星垓!!)
霧谷「させるかああああ!!」
霧谷、今日1番の速度でシュートチェック。
ダム!!!
涼真、即ドライブに切り替える。
霧谷「くそ…!」
霧谷は完全に振り切られた。
涼真、ヘルプに来た本庄を物ともせず跳躍。
本庄「譲らねえ!!」
ガシィッ!!!
ピピーッ!!
完全に覚悟のファウル。
フリースローは仕方ない。それよりもフィールドゴールを決めさせないための最終手段的なファウル。
しかし…
涼真、完全に空中でバランスを崩すも、目だけはゴールを見ていた。
右手1本でバックボードの、四角形の四つ角を狙う。
バス!!!!
第4Q 残り1:02
舟栄 71
星垓 73
審判「バスケットカウント!!ワンスロー!!」
涼真、倒れながらガッツポーズ。
コート上の星垓メンバー、その場でガッツポーズしたり涼真に駆け寄ったりして叫ぶ。
星垓ベンチ「「「うおおおおおおお!!!!!」」」
星垓ベンチは全員がベンチから飛び出さんばかりに飛び上がり叫ぶ。
唐沢監督すらその場で何度も空気を殴りつけるようにガッツポーズ。
この会心の1発を目撃した観客が、爆発的な歓声を上げる。
満月「やった!やったあああ!!」
春香「凄い凄い!涼ちゃん!!!」
美保「うん!うん!」
女バスメンバー「「「キャー!!!!!やったあああ!!」」」
舟栄ベンチは逆に青ざめ静まり返る。
「ま、まさか…」
「ウチが…ベスト16で…」
ピピーッ!!!!
舟栄、最後のタイムアウト。
佐藤監督が指示を与える。
星垓も唐沢監督が指示を与えている。
ブーッ!!!
1分という短い時間の後、選手達がコートへ。
メンバーチェンジはない。
涼真のフリースローから再開。
この重要なフリースロー。
涼真は
スパッ!!
第4Q 残り1:12
舟栄 71
星垓 74
外さなかった。
星垓、ベスト8まであと1分強、3点差。
舟栄はいよいよ完全に追い詰められた。
……To be continued
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