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第2章 インターハイ〜
第131話 髙木のいないインサイド
しおりを挟む伊達がスカイフックを決めれば、慎太郎のスリーポイントで応酬。
慎太郎「ディフェンス!」
決めた慎太郎、いち早くセーフティ。
誰よりも早くディフェンスを構える。
矢島「すげえな慎太郎は」
中澤「三石とかには悪いが…あのリーダーシップといい心臓といい来年の正ガードは慎太郎かな」
三上「あいつ…あのディフェンスを見ていきなり打ってくるかよ」
(普通は他でどう攻めるか考えるだろ)
堂林「あのガード、裏をかくのが上手い。塚森とマッチアップしてるつもりでやらねえといいようにやられるぞ、三上」
三上「ああ。まず1本だ」
慎太郎「そう簡単にはさせねえよ」
慎太郎、ボールを運んできた三上に思いっきりプレッシャーをかける。
三上「…」
(チッ…小さいから懐に潜り込まれる。めんどくせえな)
三上、逃げるように光山にパス。
三上(パス相手探す猶予を的確に削ってきやがる…本当に洛阪の塚森並にやりづれえぜ…)
ダム!!
光山、大樹に並走されながらドライブ。
ビッ!!
光山のパスがアウトサイドで動いていた劉に渡る。
ビッ!
劉、スリーポイントから1本入った位置からミドルシュート。
賢「なっ!?」
(打ってくるのかよ…!)
スパッ!!
第3Q 残り8:21
星垓 48
北陵 51
賢「そうか…劉もミドルから普通に打てるんだった…」
(スカウティングで言ってたじゃないか…)
涼真「ドンマイ」
髙木「気を抜くな、ここは全国ベスト8同士の戦いなんだ」
賢「はい…」
慎太郎がボールを運ぶ。
北陵のディフェンスはボックスワン。
涼真は堂林のマンマークを外そうとコートを動き回る。
敵も味方も関係なく遮蔽物として利用する。
三上は先程慎太郎にスリーを決められている為、ゾーンを崩してでもマークしている。
慎太郎、髙木にアイコンタクト。
ダム!!
その刹那、ドライブ。
三上「バカか?ゾーン相手にこのチビがドライブだと?」
ガシィッ!!
三上、髙木のスクリーンに捕まる。
髙木、スクリーンの後すかさずロール。
伊達「ピックアンドロール…」
(ゾーン相手に…?)
ロールする髙木を追おうとするも…
ガシィッ!
伊達も涼真のスクリーンに捕まる。
堂林「スペインピックか!」
(なるほど、ゾーンに仕掛けるのは奇策だが…今の状況ならいい手だ)
涼真、スクリーンの直後すぐにアウトサイドへ。
ビッ!!
慎太郎のドライブ、髙木のインサイド、涼真のアウトサイド
そこから慎太郎が選択したパスは
涼真に向かっていた。
スクリーンにかかり、スイッチで涼真を追いかける伊達、なんとか追いつく。
バチン!!
だが涼真、ボールをキャッチせずそのまま弾くように再びインサイドへパス。
そこには、インサイドで堂林とほぼ1対1になった髙木。
ダム!
髙木、ワンドリブルで堂林を押し込み
バスッ!
ゴール下を決める。
第3Q 残り8:03
星垓 50
北陵 51
唐沢、今のオフェンスを見て動く。
唐沢「真田君、準備です」
村上「どうやらオフェンス先行の展開になりそうだな」
山下「確かに両チームいい形で決めましたからね。北陵は強みのインサイドで、星垓はスペインピックからの展開で」
村上「今の星垓のオフェンスと直前の北陵のオフェンスはそれぞれ攻撃面で布石を打っていた。
北陵の第1の狙いはおそらく伊達のインサイドだな。そのために伊達以外をアウトサイドに釣り出していたんだが…もう1人、劉も本来はインサイドプレイヤーだ。その劉が外から決めたのが大きい」
山下「なるほど…劉君が外から決められるとなると、ディフェンスは外まで拡げざるを得ないからインサイドで伊達君の1対1ができやすい、と」
村上「そしてインサイドにヘルプがくれば…」
山下「スリーポイントシューターの三上、堂林、光山の3人とミドルから打てる劉が外から射抜くって事ですね!」
村上、頷く。
村上「星垓の方だが…どうやらベンチでシューターの真田が準備をしているな」
山下「スペインピックにアウトサイドシューターは不可欠ですからね」
村上「こちらもインサイドにスペースを作るのも目的だな。ツインセンターのどちらかがスクリーンに来て、中山と北条、真田の3人のいずれかでスペインピックやスタックアウトを仕掛け、選択肢を多くして的を絞りづらくしようという訳だな」
バチン!
ピッ!
審判「青ボール!」
慎太郎へのパスを三上が弾きアウトオブバウンズ。
ブーッ!!
時計が止まり、選手交代。
大樹と代わって、真田が入る。
真田は交代で入ってスリーを沈める。
スペインピック、スタックアウトが機能し始める。
慎太郎、涼真とペネトレイトで最初に仕掛けるのが2人になり、アウトサイドシューターが慎太郎、涼真、真田の3人になり、インサイドのフィニッシャーが髙木、賢の2人。
的が絞れない。
だが北陵も、インサイドの伊達、アウトサイドのシューター達とバランスよく加点。
だが、第3Qも残り2分程で、このバランスが崩れる。
しかも、星垓にとって悪い方に。
第3Q 残り2:07
星垓 63
北陵 60
山下「星垓が逆転しましたね」
村上「まあ、点差など無いようなもんだがな」
山下「どちらも譲りませんもんね」
北陵はアウトサイドの4人と伊達のインサイドを中心に攻める。
だがインサイド1人とはいえ、リバウンドは外から全員が飛び込んでくる為オフェンスリバウンドの奪取率も高い。
だが星垓はフロントコートの髙木・賢・涼真の3人がインサイドで奮闘し、オフェンスリバウンドは取られてもそこからのセカンドシュートを容易に許さなかった。
その星垓はセットプレイを中心にオフェンスを組み立てる。
ゾーンでインサイドを固め、涼真をマンマークで抑えにきた北陵に対し、涼真はセットプレイの中でスクリーナーからポップアウトしアウトサイド中心に得点。
だがディフェンスでは、たった1つだけ…どうしても止められないものがあった。
それは…
211㎝・伊達のインサイド。
ビッ!!
北陵のオフェンス。
三上からハイポストの伊達にボールが入る。
髙木、相変わらず厳しい当たり。
身体をしっかり寄せ、フィジカルに守る。
だが、それでも物理的に届かない、届いても反則になってしまうものは止められない。
いくらプレッシャーをかけても止められない。
髙木、ついに我慢し切れなかった。
ピーッ!!
伊達のシュートに合わせ跳んだ髙木。
だが、フィジカルにいくあまり身体が接触してしまった。
しかも…
バスッ!!!
第3Q 残り1:58
星垓 63
北陵 62
審判「ファウル!青7番!バスケットカウント!」
「よっしゃああああ!!!!」
北陵ベンチが叫ぶ。
しかも…
オフィシャル席に表示された個人ファウルの累積は「4」。
※累積5回のファウルで退場。
「これは痛い!!!」
「大きすぎる4ファウル!!!」
「星垓の大黒柱が追い詰められた!」
ブーッ!!
オフィシャル「タイムアウト!青!!」
唐沢監督、すかさずタイムアウト。
山下「素人の私でもわかる…星垓のインサイドはもう…」
村上「これは…一気に流れが変わるかもしれんな」
-観客席-
奈津実「ちょっとちょっと…ここで髙木先輩が4つなの?」
優花「せっかくいい感じできてたのに…」
美保「そんなヤバいの?」
紗妃「ヤバいなんてもんじゃないよ…インサイドでパワーでも技術でも対抗できて、スピードでは並のインサイドプレイヤーなら圧倒できる髙木さんが抜けるなんて…」
満月「確かにそうだけど、ヤバい理由はもう1つ…むしろそっちがヤバいかもしれない」
春香「え?なんでなんで?」
満月「涼真君から聞いたんだけど、髙木さんってこのインターハイ…予選とか決勝リーグから本戦の今日まで唯一1度もベンチに下がった事がないんだよ」
春香「そうなの!?」
(知らなかった…)
満月「それどころか…1年生が入学してから練習試合とかを除けば公式戦は全試合フル出場してるんだよ、1人だけ」
小春「え…それって怖くない?だって…このチームって髙木さん抜きで戦った経験がないわけでしょ?ゴール下にいるだけで安心感を与えてくれる大黒柱が抜けるなんて…」
-星垓ベンチ-
唐沢「やむを得ません。髙木君をベンチに下げます」
髙木「…はい」
髙木、力なくベンチでタオルをかぶり俯く。
唐沢「新城君、神崎君、交代です」
新城「はい」
神崎「了解です」
新城と神崎に代わり、髙木と真田がベンチに下がる。
唐沢「真田君のスリーポイントは第4Qに切り札としてとっておきたい。オフェンスは中山君、新城君、北条君の3人が仕掛けられるし神崎君、皆藤君がスクリーナー兼フィニッシャーになれる。外の3人は真田君程ではありませんがシューターにもなれる。なのでオフェンスは問題ない。問題はディフェンスです」
唐沢、作戦板を取り出す。
唐沢「ディフェンスは北条君が堂林君をマークするダイヤモンドワン。先頭はあえて神崎君にお願いします」
中澤「神崎に…?」
(ゾーンを組む4人の中でも高身長だから後ろに配置するんじゃ…)
唐沢「抑えたいのは、ハイポストでのプレイが得意な伊達君のインサイド。パスが入りづらくなるように神崎君にはここで頑張って貰います」
神崎「はい!」
唐沢「そして皆藤君、君も星垓のインサイドの要の一角です。無茶はしなくていい、出来ることをしてきてください」
皆藤「はい!」
ブーッ!!
タイムアウトが開ける。
新城、ベンチメンバーが座るベンチを見て立ち止まる。
慎太郎「どしたんすか?」
新城「いや…髙木を置いて試合に向かうって随分と見てねえ気がしてな」
皆藤「そういえば…」
(練習試合含めてもベンチに座ってるのなんて見た記憶がほとんどない…)
髙木「頼んだぜ、新城」
新城「安心しろよ、お前が戻ってくるまで必死で食らいつくからよ」
はじめて髙木抜きで戦う星垓。
ここからが正念場だ。
……To be continued
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