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第2章 インターハイ〜
第135話 「The Shot」
しおりを挟む伊達の1対1に押し込まれる髙木。
中澤「髙木!がんばれ!」
矢島「お前、そんなもんじゃねえだろ!」
小宮山「負けんじゃねえ!」
平井「高木君!!!」
同じ星垓の3年生が声を張り上げる。
伊達、ターンからゴール下のジャンプシュート。
伊達(終わりだ!)
だが、後がない状況でも髙木は諦めていなかった。
髙木「負けてたまるか…」
(みんなの想いを背負って俺はコートに立たせてもらってるんだよ!!!
こいつがどれだけ強くても…このシュートだけは…絶対止めてやる!)
新城「行け!髙木!!!!」
ドゴォッ!!!
髙木、放たれたシュートが伊達の手を離れるか否かのタイミングでブロック。
真田「笛は…!?」
審判、首を振る。
鳴らさない。
だが、こぼれ球を筒井が拾う。
筒井「喰らいやがれ!!!」
筒井、ダンクへ。
バコッ!!!
髙木「甘い!!」
髙木、再びのブロックショット。
筒井「ファウルだ!」
審判、鳴らさない。
これも合法。
中澤「っしゃああああ!!」
矢島「髙木!ナイス!」
こぼれ球を真田が拾った。
涼真「ヘイ!」
涼真、真田からほぼ手渡しでボールを受ける。
星垓は速攻に持ち込もうとしたが、北陵ディフェンスの戻りが早く速攻は潰される。
第4Q 残り1:00
星垓 77
北陵 81
試合時間は、残り1分を切り、1/10秒表示へ切り替わる。
星垓、北陵応援席共に死力を尽くしての声援が響く。
逆に他の観客席は静まり返り、プレイを固唾を飲んで見守る。
コート上の選手達には、そんな様子も声も耳に入って来ない。
涼真、堂林と向かい合う。
ダム!!!
堂林「あめーよ!」
(何度もやらせるか!)
涼真の渾身のドライブに堂林、ついていく。
涼真、ヘルプも寄ってきたのを見て慎太郎にパス。
ビッ!!
三上「!?」
慎太郎、すかさずパス。
バックドアカットで髙木が走り込んでいた。
筒井「行かせるか!」
筒井がヘルプに出るも髙木、ボールを横に差し出す。
そこには新城が走り込んできていた。
バシィッ!!
新城「!!」
新城がレイアップに構えたボールが弾かれた。
インサイドに寄ってきていた光山だった。
三上「よくやった!」
こぼれ球を三上、ダイビングキャッチ。
堂林「こっちだ!」
三上、倒れたまま堂林にパス。
第4Q 残り47.3
星垓 77
北陵 81
堂林「行くぞ!」
バシィッ!!
だが、堂林がドリブルを突いた瞬間、後ろから手が伸びてきた。
慎太郎「油断大敵!」
慎太郎が後ろからボールを弾く。
堂林と慎太郎がボールに飛び込み、弾く。
そこに伊達と髙木が飛び込み、また弾く。
その結果。ボールを拾ったのは…
青の背番号9、真田だった。
しかも、よりによってスリーポイントライン手前。
ビッ!!
真田、いつものフォームでいつもの軌道のスリーポイント。
スパァッッ!!!!
第4Q 残り39.7
星垓 80
北陵 81
星垓メンバー「「「きたあああああああ!!!!!!!」」」
真田「っしゃああああ!」
決めた本人もガッツポーズ。
ブーッ!!
オフィシャル「タイムアウト!白!」
1点差に迫った星垓。
ベンチは決めた真田をもみくちゃにする。
真田「痛い!痛いって!」
唐沢「さて、やるべき事はわかってると思うのでとやかく言いません。目の前に北陵を倒すチャンスがある事をむしろ楽しみましょう」
星垓メンバー「「「はい!!!!」」」
唐沢「今のところチームファウルは3。相手にフリースローを打たせるにはあと2回ファウルしなければならない。なのでファウルゲームは厳しいかもしれない。なので…」
星垓メンバー、固唾を飲んで聞き入る。
そして次の瞬間、その表情は驚きに変わる。
-一方の北陵ベンチ-
納見「流石にしぶといな、星垓は」
筒井「はい…」
納見「とにかくこの1本は落とせない。伊達で勝負だ」
納見、作戦板を取り出して動きを指示。
納見「…そうだ、伊達」
伊達「はい」
納見「さっきの髙木に止められたプレイだが、スカイフックで行けば止められなかったんじゃないか?」
伊達「…すみません、自分の選択ミスです」
納見「わかってるならいい。とにかくこの1本、確実にいこう」
北陵メンバー「「「はい!!!」」」
ブーッ!
タイムアウトが開ける。
スローインは三上。
堂林がボールを受けようとするも…
三上「なっ…!?」
星垓、オールコートでマンツーマン。
堂林にボールを持たせまいと涼真が厳しくディナイする。
納見「しまった…!」
(あの唐沢先生がATOに、しかも終盤に何も仕掛けてこないはずがなかったのに…!)
フラッシュしてきた筒井に何とかスローインし、三上がボールをコントロールするも全員がパスコースを切っている。
三上、試しにドリブルで位置を移動する。
三上「!!」
堂林(マンツーじゃねえ!マンツーに見せかけたマッチアップゾーンだ!そんな奇策を…!?)
パスを回すことも厳しい程にプレッシャーをかけられ、外でボールを3回回しただけで24秒タイマーが残り数秒となる。
バシッ!
堂林、ボールを受ける。
ダム!!
キュッ!!!
ビッ!!!
堂林、伝家の宝刀・ステップバックスリー。
涼真(速え…!)
この終盤で、今日最速のスピードとキレ。
だが…
ガン!!
このシュートは外れる。
堂林(くそ…!)
涼真(た、助かった…)
塚森「なんで堂林はあの場面で外したんだ?いつもあのくらいなら軽く決めてるだろ」
大谷「違和感はあったが…」
高松「簡単な事だ。北条とあれだけやり合ってて体力持つ方がおかしいだろ、しかもやられまくってるし余計疲労は溜まってるだろうな」
塚森「そうか…いつものステップに身体がついていかなかったのか」
外れたボールは、伊達と髙木が同時に弾き
筒井が取れず弾き
新城も手を伸ばしたが届かず
真田と光山が飛び込むも、ボールはコート外へ。
真田「やばい!」
(俺が最後に触れてる!)
慎太郎「諦めてたまるか…!」
慎太郎、コート脇の貴賓席にダイブしながらボールを必死でコート内に投げる。
このボールは、偶然か狙ってか
真っ直ぐ涼真の胸の前へ。
ガッシャーン!!!!!!
慎太郎、貴賓席の机や椅子を倒しながら突っ込む。
春香「慎ちゃん!!」
美保「中山君!!!」
満月「大丈夫なの!?」
バッ!!!
慎太郎「いってぇ~…」
涼真がドリブルで進む中、慎太郎は元気に飛び上がり、貴賓席の人達に一礼した後走っていく。
第4Q 残り12.6
星垓 80
北陵 81
観客の誰もが慎太郎の無事に安堵したのも束の間
試合終了へのカウントダウンが始まる。
「10!!!」
涼真、トップでボールを保持。
マッチアップはもちろん堂林。
この試合を見ている誰もが、そして星垓、北陵の両チームの誰もがわかっていた。
北条涼真が、最後に必ず自分で仕掛けると。
「9!!!」
髙木がスクリーンに行こうとするも涼真、首を振る。
「8!!!」
髙木、左コーナーへ。
涼真へのスペースを空ける。
「7!!!」
カウントダウンしながらも誰もがコートから目を離さない。
「6!!!」
ダム!!!
涼真、ドライブを仕掛ける。
堂林、並走。
「5!!!!」
ダダム!!
涼真、その場でバッククロスオーバーで切り返す。
堂林「!?」
これにより、堂林との間に距離が出来る。
「4!!!」
ダム!!
涼真、目線のフェイク。
堂林「!!」
堂林、シュートチェックに涼真との距離を詰める。
「3!!!!!」
ダム!!!
涼真、カウンターの要領で堂林を抜く。
「2!!!!!!」
涼真、ボールを両手で保持。シュートの構え。
堂林「行かせるか!!!」
堂林も瞬間的に反応し、ブロックに跳ぶ。
「1!!!!!!!」
残り1秒
涼真は、跳んでいなかった。
堂林(ここでフェイクだと!?)
堂林だけではない。
コート上の、いや見ていた誰もが驚愕。
涼真、今度こそ跳躍。
邪魔する者は、誰もいない、何もない。
そして、ブザーが鳴るより0.3秒だけ速く涼真の手からシュートがリリースされた。
ブーッ!!!!
試合終了のブザーが鳴る中、涼真の放ったシュートは
スパッ!!!
綺麗にリングを通過した。
審判が2本指を前に倒す。
「カウント」のジェスチャー。
その瞬間、会場が爆発した。
誰の声も聞こえないような歓声の中、涼真は試合に出ていたメンバーにもみくちゃにされていた。
ベンチメンバーもコートになだれ込んでいた。
試合終了
星垓 82
北陵 81
このブザービーターは後に、北条涼真を語るにあたって必ずと言っていい程話題になることになる。
神と呼ばれたNBAのレジェンド、マイケル・ジョーダンばりの「The Shot」であると。
……To be continued
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