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第4章 集大成・ウィンターカップ
第261話 本当は…
しおりを挟むチーム メンバープロフィール
田中 徹也
博多第一高校3年
194㎝89kg
誕生日:8/2
血液型:B
特徴:チームメイトの中でも目立つ肩幅の広さと筋肉質な体格を持つ博多第一の副キャプテン。パワーとクイックネスを合わせ持ち、ドライブからボースハンドダンクを叩き込んだり、相手選手のダンクを正面からブロックしたりと攻守においてゴール下で無類の強さを誇る。
中学時代は無名で、高校に入り頭角を現した。
卒業後は関東一部の法帝大学に進学が決まっている。
特技:柔道
趣味:筋トレ、体幹トレ
得意教科:社会系全般、国語系
苦手教科:数学
得意なプレイ:リバウンド、ブロックショット、ボースハンドダンク
バスケを始めたきっかけ:中学校で背が高くて誘われて
密かな悩み:体格のせいでよく人にぶつかる
-----------------------------
ブーッ!!
タイムアウトがあける。
第3Q 残り7:38
星垓 58
紅泉 50
星垓
11 中山 慎太郎 169㎝ 1年
9 真田 直斗 185㎝ 2年
4 新城 敦史 185㎝ 3年
10 北条 涼真 191㎝ 1年
7 髙木 悠介 199㎝ 3年
紅泉
4 橋本 輝樹 179㎝ 3年
7 森島 海斗 184㎝ 3年
12 遠藤 賢治 187㎝ 2年
8 葛山 丈 189㎝ 3年
5 雨宮 裕史 198㎝ 3年
中嶋「両チーム共に外のシュート力と機動力を上げてきた…!」
村上「両チーム共に点を取りに行くという事か…?」
ドノバン『両チームスモールボールなラインナップになりましたね…点の取り合いでしょうか』
カニンガム『それはどうかな…?』
ドノバン『と、言いますと…?』
カニンガム『確かにこの場面、普通に考えたら点の取り合いを想像する。実際負けている黒の意図はそうだろうからな。
私が白の方を指揮していてもスモールラインナップを送り出しただろう、が…目的は別だ』
ドノバン『一体それは…?』
カニンガム『白の方のヘッドコーチが、私と同じ事を考えているなら…いまにわかる』
(そして、この試合の勝敗はこの時点で決まった、とも言える)
ビッ!
エンドラインからの紅泉ボールで再開。
橋本がボールを運ぶ。
星垓のディフェンスはマンツーマン。
橋本に慎太郎
雨宮に髙木
森島に真田
葛山に涼真
遠藤に新城というマッチアップ。
髙木「新城!行ったぞ!」
ボールがフロントコートに入って間もなく、雨宮が遠藤へスクリーン。
新城「ぐっ…」
体格もありパワーもある雨宮のスクリーンをかわしきれずディフェンスが遅れる。
※同時に審判にバレないよう肘も入れていた
山下「12番の得点力を活かしにきた!」
中嶋「パスを通されたらスピードに乗っている12番を止めるのは難しい…!」
髙木「させるか!」
髙木がヘルプに出る。
遅れて新城も追いかける。
ビッ!
そしてパスが出た。
スクリーンの後、アウトサイドに開いていた雨宮に。
雨宮「ナイスパス!」
雨宮、ニヤリ。
ビッ!
髙木「なっ…!」
雨宮、スリーポイントシュート。
スパァッッ!!!
肉体派らしからぬ綺麗なフォームからシュートが決まる。
第3Q 残り7:26
星垓 58
紅泉 53
橋本「緩めるな!当たるぞ!」
ビッ!
慎太郎がスローインを受け取ると、そこには橋本と森島のダブルチーム。
村上「ここでゾーンプレス!」
中嶋「紅泉が追い上げに来た…!」
山下「まさか、ここで…!」
ドノバン『ここでプレス…!勝負をかけにきましたね!』
カニンガム『……』
ダム!
慎太郎がドリブルを始めても橋本と森島は陣形を崩さない。
髙木「まずい…!」
(フラッシュに行かないと…!)
だが、目に入ったのは逆にフロントコートへ走ってくる涼真と新城、そして真田。
新城は手で「戻れ」のジェスチャー。
髙木「…そうだったな」
髙木、フラッシュに行かずフロントコートへ。
橋本監督「一体…?」
ダム…!
慎太郎、その場で1度レッグスルードリブルを入れる。
次の瞬間
ダム!!!!
慎太郎、超低空かつ超高速のドライブで森島の側を一瞬で抜き去る。
森島「!?」
橋本「!!!」
一瞬にして橋本と森島の2人を置き去りにした慎太郎。
ダム!!!
続く遠藤のディフェンスもロールターンで1発で抜き去る。
星垓ベンチ「「「っしゃああああ!!!!」」」
「見たか!星垓にプレスは効かねえ!」
「これが星垓の切り込み隊長!中山だ!」
慎太郎、トップスピードのままゴールに迫る。
葛山が慎太郎をマーク。
ダム!!
慎太郎、ワンドリブルで葛山と並ぶ。
ゴール下には雨宮が待ち構える。
堂林「前には雨宮、横には葛山!」
伊達「行くのか…?」
春香「慎ちゃん!」
美保「慎太郎君!」
クッ…
慎太郎、一瞬だけ周りを見回す。
雨宮と葛山、この気配を嗅ぎとる。
葛山(来る…!)
雨宮(パスだ!)
スッ…
慎太郎、ボールを持つ右手を背中に回す。
左側には髙木。
葛山、雨宮、動きを読む。
葛山(ビハインド・ザ・バックパス!)
雨宮(フィニッシュは髙木か!)
キュッ!!
葛山、ボールが来るであろう慎太郎の左後ろに手を伸ばす。
キュッ!!
雨宮、髙木に寄る。
が
慎太郎、パスを出さない。
背中に回した、ボールを持つ右手を再び前に戻す。
「「「!!!!!!!!!」」」
「「「ビハインド・ザ・バックパスのフェイク…!!」」」
観る者全てが目を見開き驚愕。
葛山「!!!!」
雨宮「!!!!」
そして、対峙する2人も同様。
ビッ!!
バス!!!
慎太郎、そのままレイアップシュートを沈める。
第3Q 残り7:18
星垓 60
紅泉 53
「おいおい!なんだ今のは!?」
「今のはマジでちょっと凄かったぞ!!」
「それも1人で5人抜きだ!」
記者席は騒然。
山下「葛山君も雨宮君も完全に引っかかってましたね…」
中嶋「NBAでは時折見かけるプレイではありますが…日本の…それも高校生の試合でこれが出ますか…」
村上「むぅ…」
(いや、ただのNBAのモノマネで済む話ではないな…
やるだけなら、他にもできる選手はいるだろう。
だが…あの守備網を前にあれだけのスピードに乗りながらあれを出せる選手が、果たして他にいるのか…)
ドノバン『これは…驚きましたね』
カニンガム『NCAAでもあれだけの事をできる選手はひと握りだ…何者だ?あのガードは…?』
涼真「魅せてくれんじゃん、慎太郎」
慎太郎「まだまだ」
コツン!
涼真と慎太郎、拳をぶつけつつディフェンスに戻る。
橋本「取られたら取り返す!」
橋本がリスタートからボールを運ぶ。
だが、紅泉メンバーの動きにはこれまでのようなキレがない。
ビッ!
ローポストで雨宮がボールを持ち、パワー勝負を仕掛けるも髙木を押し込み切れない。
ビッ!
外の遠藤にパス。
橋本「雨宮…?」
ダム!!
遠藤、ドライブを仕掛けるも
ビッ!
抜き切れぬまま外の森島にパス。
村上「これは…」
中嶋「明らかに気になってますね、中山君の存在が」
山下「少しでも隙を見せたらボールを弾かれるような悪寒でもしたんでしょうか…」
村上「先程見せたビッグプレイの影響もあるだろう」
ビッ!
ガン!!!
24秒タイマーギリギリで森島が放ったスリーポイントシュートがリングに弾かれる。
バシッ!
リバウンドは涼真。
橋本「走ってくるぞ!戻れ!」
紅泉メンバーが懸命に戻るも
涼真「慌てない、慌てない」
涼真、あえてゆっくりとボールを運ぶ。
そしてそこに、新城がインバートスクリーン。
葛山(ピストルオフェンス!抜きに来る!)
遠藤(ヘルプに備えないと…!)
ビッ!
涼真、ディフェンス2人の意識が自分に来たと見るや、中に向かいロールした新城にパス。
遠藤(しまった…!)「ヘルプ!」
ヘルプディフェンスがいない。
葛山(何故…?)
逆サイドでは、髙木が真田にスクリーンをかけることでディフェンスの意識がそちらに行き、囮となっていた。
事態に気づきヘルプに行く頃には、新城がゴール下で舞っていた。
バス!!
第3Q 残り6:36
星垓 62
紅泉 53
ドノバン『あの10番に2人引き付けられていましたね』
カニンガム『タイミングといい状況判断といい、良いパスだったな』
(自らの得点力を武器にディフェンスを引き付け、元からあるパスセンスでチャンスを演出できる。なるほどな)
試合はここから、スローペース気味にコントロールした星垓が終始ペースを握る。
慎太郎、新城、涼真と3人のボールハンドラーがボールコントロールし、時間をかけた攻撃でペースをスローにしていく。
慎太郎や涼真に掻き回された紅泉のディフェンスは、突然のペースの変化に戸惑い連携のミスが出てくる。
連携のミスから、紅泉メンバーはファウルも嵩んでくる。
そこを髙木のインサイドや真田のスリーポイント、新城のドライブで突き得点していく。
紅泉も雨宮の2本目のスリーポイント、橋本のミドル、遠藤のドライブからのフローター等で加点するも、得点差が縮まらず時間が経過していく。
第3Q終了間際には、ダメ押しに涼真が葛山からファウルを奪いバスケットカウント。
ブーッ!!!
第3Q終了
星垓 72
紅泉 61
星垓が2桁得点差まで引き離し、勝負はラスト10分へ。
紅泉ベンチ。
戻ってくる選手の表情は暗い。
前半終了時、僅差で推移していた試合は
紅泉の思惑通りに進んでいたはずだった。
それが今、2桁のビハインドを背負っている。
加えて、ビハインドを取り返そうという焦りからファウルも蓄積されていた。
ここまでで出場した選手では、佐藤の4回を筆頭に、柳澤が3回、葛山、遠藤、森島、雨宮が2回、橋本が1回。
-星垓ベンチ-
唐沢監督、選手をベンチに座らせる。
唐沢「さて、第3Qはプラン通りの試合運びができましたね。
ディフェンスの良い神崎君を下げてまでスモールラインナップにしたのは、インサイドではなくペリメーターでのプレッシャーを強める為。
相手も奇しくも攻撃の強化の為にスモールラインナップを敷いてきたとはいえ…インサイドには髙木君に加えて守備範囲も広い北条君、シューターながらフィジカルも成長した真田君もいたのでインサイドへの侵入を容易にさせませんでしたね」
一同、唐沢監督の言葉に聞き入る。
唐沢「それとここまで見ていていくつかはっきりした事があります」
髙木「それは…?」
唐沢「個の力では、ほぼ全てのマッチアップにおいてウチに分がある事です。
北条君は佐藤君や葛山君との1対1もさることながら、インサイドの屈強な選手達にも当たり負けず決め切れるようになった。
髙木君もあれだけの体重差にも関わらず互角に渡り合っている。
新城君、真田君、神崎君もラフプレーやファウルが嵩みながらも、攻守で相手にいつもの仕事をさせていない」
唐沢、慎太郎の方を向く。
唐沢「そして中山君は、このコートで敵味方の誰よりも速く、それでいてテクニックも超一流である事を証明した」
涼真(唐沢監督にそこまで言わせるか…慎太郎め)
涼真、聞きながらフッと笑う。
唐沢「さて、終盤になり相手は体力も削られファウルも増えてきました。
ここで…エースの出番です」
全員、涼真の方を見る。
涼真「…じゃあ、ギア上げにいっていいって事ですか」
唐沢「ええ。この30分間、君はあえて少しだけセーブして戦っていましたよね?それどころか、このウィンターカップ開幕からずっと。全ては…勝つべき試合で全力を出すため」
涼真「…はい」
真田(え…?マジで?気づいてた?)
神崎(んな訳あるかよ…!手抜いてあれならどんだけ化け物なんだよ…!)
唐沢「では準決勝や決勝の前に予行練習しておきましょうか。
ちょうど…ストレス発散したくてソワソワしているように見えますし」
涼真「!」
唐沢「昨日の試合。北陵が負けて本当は悔しかったでしょう」
唐沢、涼真の肩に手を置く。
唐沢「その分まで、全部ぶつけてきなさい」
……To be continued
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