105 / 480
青年期 41
しおりを挟む
ーーーーーー
「おおっと…そろそろ昼飯の時間か」
弟や妹から学校の話を聞いたり、父親と社会情勢の話をしたり、母親から社交界だかの話を聞いてたりしていると…
いつの間にか昼飯の時間に近くなっていた。
「もうそんな時間?」
「お兄様、早く昼食にしましょう」
「はいはい」
弟が驚きながら時計を見て時間を確認すると妹が催促してくるので、俺は空間魔法の施されたポーチから紙皿と馬肉の入った大きめの容器を取り出す。
「…これはリーゼの分、これはエーデル…これは…」
「ありがとうございます」
「ありがと」
そしてその場で生肉を薄くスライスして紙皿に盛って妹、弟、母親、父親と順番に渡していき…
みんなが食べ始めるのを見て俺は次のしゃぶしゃぶを作るために厨房へと移動する。
「…おーわり」
昆布と鰹節に似た味の干物を削ったもので出汁を取った後に猪の肉を入れて軽くしゃぶしゃぶした後に紙皿に移し…
残った出汁に赤ワインや調味料を混ぜてソースを作り、茹でた肉の上にかけた。
「はい。猪のサクラ…ボタンだっけ?…まあいいや、とりあえず肉の水炊き」
「…水炊き?」
「言い方を変えただけで『しゃぶしゃぶ』だな、お前らに教えたのは。ただ父さん達にはそれじゃ伝わらないだろうし」
「なるほど」
俺がみんなの前に紙皿を置きながら料理名を言うと弟が不思議そうに聞き、俺の軽い説明に妹が納得しながら呟く。
「…お兄様の料理は相変わらず絶品ですこと」
「これぐらいならお前らも同じのが作れるだろ」
「材料があれば、ね」
妹の感想に俺も昼飯を食べながら返すと弟がなにやら反論するかのような感じで返してくる。
「お兄様みたく私達も魔物を倒した時に肉を残せるようになればいいんですけど…」
「…そういえばリデックはどうやって魔物の肉をこんなに取れるの?」
「魔物の核を一突きで倒してるから。そうすると魔物素材が全部落ちるんだ」
妹が残念そうに呟くと母親が今更ながら疑問を尋ねてくるので俺は方法を教えた。
「魔物の核…人間でいう心臓にあたる部分か。簡単に言ってくれる…」
「なんでもそこ以外に攻撃を当てたらダメなんだって」
「なんだと…?」
「ダメじゃないけど肉が落ちるかは運次第になるよ。まあある程度ダメージを与え過ぎると肉を落とさなくなるんだけど」
父親の困ったように笑いながらの呟きに弟が補足するので俺は勘違いさせないように理由とかを解説する。
「…そうなのか?」
「ハンターの常識。『肉が欲しければ魔物には一切の傷を負わせず一撃で仕留めよ』…と言っても全ての魔物が肉を落とすワケじゃない上にソレを実行出来るのは現状俺だけ、なんだけど」
「ハンターの常識って言うけど兄さんソレ知る前に自力で気づいたんでしょ?」
「おう。正確には気づいたのは家庭教師の師匠だが」
父親に分かりやすく説明すると弟が訂正するように言うので俺は更に訂正するように返す。
「ちなみに魔石を取る方法もほぼ一緒。魔物の核である魔石…心臓を傷付けずに一撃で倒す」
「いや、兄さん以外にソレ出来る人居ないんだから別に言わなくてもいいんじゃない?」
「『オーバーキルせず魔物の体力ぴったしのダメージを一撃で与えて倒す』ってそんなに難しいか?…いや難しいわ。もはや奇跡だな」
俺の補足説明に弟が笑ってツッコミを入れ、俺は妹や両親にも分かりやすく言い換えた後に自分には至難だと悟って即座に前言撤回した。
「…そんな奇跡を起こさないと手に入らない物だったなんて…」
「あれ?リーゼには話してなかったの?」
「まだ早いかと思って」
「あー…」
驚く妹を見て弟が不思議そうに問うので理由を話すと弟は妹を見ながら納得したように呟く。
「…ごちそうさま」
「ごちそうさまでした」
「じゃあ食後のデザートに…コレ」
「あ!それって…!」
母親と妹が食事を終えて挨拶するので俺が空間魔法の施されたポーチからケーキの入った半透明の容器を取り出すと、弟が驚きながら指差す。
「この前お前が作ったケーキの残り。コレが最後だけど」
「…空間魔法っていいなぁ…熱い物は熱いまま、冷たい物は冷たいまま。腐らず熟せず解凍せず、入れた時の状態のまま取り出せるって羨ましい…!」
俺が話しながら紙皿に移すと弟は物欲しそうな目で俺のポーチを見ながら呟いた。
「…何度も言うようだが、流石にコレはやれんぞ。俺だって貰いもんなんだからな」
「分かってるって。僕は自分で手に入れるよ!」
「頑張れよ」
俺の先手を取っての拒否発言に弟は男らしく自分でなんとかするような事を言う。
「…やっぱり兄様のケーキは美味しいですわね…早く追いつかないと…!」
「ふふふ、どっちが先に兄さんを追い越すかな?」
妹がケーキを食べながら弟に嫉妬したように睨むと弟は余裕の態度で笑って俺を引き合いに出す。
「無理無理。追いつく事は出来ても追い越す事はできねぇよ。時間の関係上な」
「来年までに追いつけば卒業までには間に合うでしょ?」
「追いつけるか?」
「ふふん。私は兄様よりも時間があるのでお兄様を追い越してみせますわ」
俺らはお互いに表面上は余裕の態度を取りながらもバチバチに挑発しながらの言い合いを始める。
「おおっと…そろそろ昼飯の時間か」
弟や妹から学校の話を聞いたり、父親と社会情勢の話をしたり、母親から社交界だかの話を聞いてたりしていると…
いつの間にか昼飯の時間に近くなっていた。
「もうそんな時間?」
「お兄様、早く昼食にしましょう」
「はいはい」
弟が驚きながら時計を見て時間を確認すると妹が催促してくるので、俺は空間魔法の施されたポーチから紙皿と馬肉の入った大きめの容器を取り出す。
「…これはリーゼの分、これはエーデル…これは…」
「ありがとうございます」
「ありがと」
そしてその場で生肉を薄くスライスして紙皿に盛って妹、弟、母親、父親と順番に渡していき…
みんなが食べ始めるのを見て俺は次のしゃぶしゃぶを作るために厨房へと移動する。
「…おーわり」
昆布と鰹節に似た味の干物を削ったもので出汁を取った後に猪の肉を入れて軽くしゃぶしゃぶした後に紙皿に移し…
残った出汁に赤ワインや調味料を混ぜてソースを作り、茹でた肉の上にかけた。
「はい。猪のサクラ…ボタンだっけ?…まあいいや、とりあえず肉の水炊き」
「…水炊き?」
「言い方を変えただけで『しゃぶしゃぶ』だな、お前らに教えたのは。ただ父さん達にはそれじゃ伝わらないだろうし」
「なるほど」
俺がみんなの前に紙皿を置きながら料理名を言うと弟が不思議そうに聞き、俺の軽い説明に妹が納得しながら呟く。
「…お兄様の料理は相変わらず絶品ですこと」
「これぐらいならお前らも同じのが作れるだろ」
「材料があれば、ね」
妹の感想に俺も昼飯を食べながら返すと弟がなにやら反論するかのような感じで返してくる。
「お兄様みたく私達も魔物を倒した時に肉を残せるようになればいいんですけど…」
「…そういえばリデックはどうやって魔物の肉をこんなに取れるの?」
「魔物の核を一突きで倒してるから。そうすると魔物素材が全部落ちるんだ」
妹が残念そうに呟くと母親が今更ながら疑問を尋ねてくるので俺は方法を教えた。
「魔物の核…人間でいう心臓にあたる部分か。簡単に言ってくれる…」
「なんでもそこ以外に攻撃を当てたらダメなんだって」
「なんだと…?」
「ダメじゃないけど肉が落ちるかは運次第になるよ。まあある程度ダメージを与え過ぎると肉を落とさなくなるんだけど」
父親の困ったように笑いながらの呟きに弟が補足するので俺は勘違いさせないように理由とかを解説する。
「…そうなのか?」
「ハンターの常識。『肉が欲しければ魔物には一切の傷を負わせず一撃で仕留めよ』…と言っても全ての魔物が肉を落とすワケじゃない上にソレを実行出来るのは現状俺だけ、なんだけど」
「ハンターの常識って言うけど兄さんソレ知る前に自力で気づいたんでしょ?」
「おう。正確には気づいたのは家庭教師の師匠だが」
父親に分かりやすく説明すると弟が訂正するように言うので俺は更に訂正するように返す。
「ちなみに魔石を取る方法もほぼ一緒。魔物の核である魔石…心臓を傷付けずに一撃で倒す」
「いや、兄さん以外にソレ出来る人居ないんだから別に言わなくてもいいんじゃない?」
「『オーバーキルせず魔物の体力ぴったしのダメージを一撃で与えて倒す』ってそんなに難しいか?…いや難しいわ。もはや奇跡だな」
俺の補足説明に弟が笑ってツッコミを入れ、俺は妹や両親にも分かりやすく言い換えた後に自分には至難だと悟って即座に前言撤回した。
「…そんな奇跡を起こさないと手に入らない物だったなんて…」
「あれ?リーゼには話してなかったの?」
「まだ早いかと思って」
「あー…」
驚く妹を見て弟が不思議そうに問うので理由を話すと弟は妹を見ながら納得したように呟く。
「…ごちそうさま」
「ごちそうさまでした」
「じゃあ食後のデザートに…コレ」
「あ!それって…!」
母親と妹が食事を終えて挨拶するので俺が空間魔法の施されたポーチからケーキの入った半透明の容器を取り出すと、弟が驚きながら指差す。
「この前お前が作ったケーキの残り。コレが最後だけど」
「…空間魔法っていいなぁ…熱い物は熱いまま、冷たい物は冷たいまま。腐らず熟せず解凍せず、入れた時の状態のまま取り出せるって羨ましい…!」
俺が話しながら紙皿に移すと弟は物欲しそうな目で俺のポーチを見ながら呟いた。
「…何度も言うようだが、流石にコレはやれんぞ。俺だって貰いもんなんだからな」
「分かってるって。僕は自分で手に入れるよ!」
「頑張れよ」
俺の先手を取っての拒否発言に弟は男らしく自分でなんとかするような事を言う。
「…やっぱり兄様のケーキは美味しいですわね…早く追いつかないと…!」
「ふふふ、どっちが先に兄さんを追い越すかな?」
妹がケーキを食べながら弟に嫉妬したように睨むと弟は余裕の態度で笑って俺を引き合いに出す。
「無理無理。追いつく事は出来ても追い越す事はできねぇよ。時間の関係上な」
「来年までに追いつけば卒業までには間に合うでしょ?」
「追いつけるか?」
「ふふん。私は兄様よりも時間があるのでお兄様を追い越してみせますわ」
俺らはお互いに表面上は余裕の態度を取りながらもバチバチに挑発しながらの言い合いを始める。
188
あなたにおすすめの小説
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
追放された荷物持ち、スキル【アイテムボックス・無限】で辺境スローライフを始めます
黒崎隼人
ファンタジー
勇者パーティーで「荷物持ち」として蔑まれ、全ての責任を押し付けられて追放された青年レオ。彼が持つスキル【アイテムボックス】は、誰もが「ゴミスキル」と笑うものだった。
しかし、そのスキルには「容量無限」「時間停止」「解析・分解」「合成・創造」というとんでもない力が秘められていたのだ。
全てを失い、流れ着いた辺境の村。そこで彼は、自分を犠牲にする生き方をやめ、自らの力で幸せなスローライフを掴み取ることを決意する。
超高品質なポーション、快適な家具、美味しい料理、果ては巨大な井戸や城壁まで!?
万能すぎる生産スキルで、心優しい仲間たちと共に寂れた村を豊かに発展させていく。
一方、彼を追放した勇者パーティーは、荷物持ちを失ったことで急速に崩壊していく。
「今からでもレオを連れ戻すべきだ!」
――もう遅い。彼はもう、君たちのための便利な道具じゃない。
これは、不遇だった青年が最高の仲間たちと出会い、世界一の生産職として成り上がり、幸せなスローライフを手に入れる物語。そして、傲慢な勇者たちが自業自得の末路を辿る、痛快な「ざまぁ」ストーリー!
侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】
のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。
そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。
幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、
“とっておき”のチートで人生を再起動。
剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。
そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。
これは、理想を形にするために動き出した少年の、
少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。
【なろう掲載】
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
生活魔法は万能です
浜柔
ファンタジー
生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。
それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。
――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる