子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神

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青年期 124

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…翌日。


どうやら町の外に展開していた軍が別の軍とドンパチやり始めたらしい。


「この町が狙いじゃなかったみたいだね」

「良かったですね」


俺が街中を歩きながら周りから聞いた情報をまとめて安心して言うとお姉さんも賛同するように笑う。


「でもなんでこんな町の近くで戦ってるんだろう?兵站とか補給がし易いからかな?」

「あー…なるほど」

「いやでも町の領主からしたら迷惑すぎる。安全確保のために城門を閉めて厳戒態勢を敷くから経済的にキツいし」

「…もしかしたらこの町を狙ってる人達と戦っている、とか?」


俺の疑問にお姉さんが納得するように返し、統治者の事を思いながら同情するように言うとお姉さんは少し考えて別の予想を話す。


「ははは、それだったら流石にコッチに連絡ぐらいは来るだろうし町民が何も知らないって事は無いんじゃない?」

「ですよね」


俺が笑って否定するとお姉さんも無理筋だと思っていたのか笑いながら返した。


「…おおっと、なんだか雰囲気の暗い場所に来てしまったな…」


観光のため町のあちこちを食べ歩きのように歩き回っていると人の数が一気に減って路地裏のような雰囲気の場所に迷い込む。


「…ん?」

「ごめんよー」


俺が周りを見ながら歩いていると後ろから子供がぶつかって来て謝りながら走り去って行く。


「…なんだ?スリか?」


俺はいきなりの怪しい行動を不思議に思いながら呟いて走る子供の背中を見送る。


…残念ながら俺とお姉さんは空間魔法の施されたポーチと飲食物以外に持ち物は無く、そのポーチもガッチリと身に着けているので簡単に外せるものでもない。


「なんか一気に治安が悪くなりましたね…ドードルでも一般人が直ぐに迷い込みそうな所にこんな場所は無かったんですけど…」


お姉さんは周りを見ながら路地の方からコッチを見ている男達を見つけ、嫌そうな顔で呟いた。


「人が集まればどんな所でも裏社会とかスラムは出来るもんだからなぁ…」

「おい兄さん。今俺らの悪口を言ったか?」

「言ってないよ」


俺が呟くと近くの男が難癖を付けてきたが俺は否定して返す。


「そんなんでごまかされるか。今絶対に馬鹿にしたような顔をしてたぜ」

「馬鹿にはしてたけど…それはあんたらの事じゃなくて社会の難しい仕組みについてだからあんたらには関係無くない?」

「…なんだコイツ。頭良いぞ」

「身なりもいいし、女連れだし…良いとこの坊ちゃんじゃないか?」


ゾロゾロと出てきた男達の内の一人の難癖にも反論するとみんながポカーンとした顔をした後に俺を指差して男達で話し合う。


「一応俺、これでもハンターでね。傭兵でもあるからそこそこ強いよ?」


絡む相手を間違えたんじゃない?と、俺は自己申告するように男達に注意を促した。


「あん?傭兵だと?」

「だからなんだってんだ。俺達も元は傭兵だったんだぞ」

「この人数に勝てると思ってんのか?」

「俺達に手を出せば更に数十人の仲間達が駆けつけるぞ」


男達は訝しむように俺を頭から爪先までジロジロと見た後に鼻で笑って脅してくる。


「いや、桁が足りなくない?せめて数百人って言ってくれないと…俺がもし貴族の坊ちゃんだったら数百人から数千人の兵を従えてるわけじゃん?」

「な、なんだコイツ…!」

「やっぱり頭が良いぞ!」

「どうする!?」


俺が呆れながらダメ出しすると男達は狼狽えて困惑しながら対応を話し出す。


「ええい!頭の良い奴に口では勝てねぇ!やっちまえ!」

「「おう!」」


男の一人の合図に俺らを囲んでた男達が賛同するように力に訴えてきた。


「ぐっ…!」
「がっ…!」
「がはっ…!」
「ぐ…!」

「な、なんだコイツら…!?」


俺が殴り倒し、お姉さんが投げ飛ばして周りを囲んでる男達を一蹴すると残った男が驚きながら呟く。


「全く…だから言ったのに」

「まあでも軽い運動ぐらいにはなりましたよ」

「く、クソが!!…ぐっ…!」


俺の呆れながらの呟きにお姉さんがフォローするように言うと残った男はヤケクソになったように殴りかかってきて、俺がカウンターで胸を殴って気絶させる。


「…さて、拘束お願い」

「分かりました」


俺はお姉さんに指示を出した後に目撃者達を消そうと路地裏の方から俺らを見ている男達を倒しに行く。


「に、逃げろ!」

「コイツ強いぞ!」


男を二、三人倒したところで他の男達は逃げ出して行ったが俺は追わずに倒した奴らをロープで拘束した。


「…どうします?」

「一旦治安部隊に引き渡そうか」

「分かりました」


縛られた男達を見てお姉さんが対応を尋ね、俺がそう返すとお姉さんは治安部隊の人を呼びに行ってくれる。


「…くっ…あんたら一体何者だ?」

「さっき言ったじゃん『傭兵』だって」

「チッ…相手の実力も見抜けねぇとは…」

「俺らの目も衰えたものだ…くそっ!」


目を覚ました男の問いに俺が繰り返すように答えると他の男達は悔しそうに呟く。


「…一つ、先に言っとくけど逆恨みでの復讐はやめといた方がいいよ」

「なんだと?」

「今回は襲われたから反撃した。次も襲われたら反撃する…けど、次は根絶やしだよ?ならず者を一人でも生かすと禍根が残ってまた同じ事の繰り返しになるだろうからね」


俺の警告に男の一人が反発するように返し、馬鹿でも分かるように説明すると…


流石に男達でも理解出来たのか緊張するような表情になった。
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