子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神

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青年期 152

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…翌日。


朝食を食べた後に俺は辺境伯の居る城へと出向いた。


「…む」

「あ」


…すると城の少し前で目的の青年とバッタリ遭遇。


「おお!ゼルハイト卿ではないか!来ていたのか!」

「はい。昨日戻って来ました」

「『戻って来た』?…という事は影武者では無く本人…?」


青年が嬉しそうに話しかけてくるので俺が肯定しながら返すと不思議そうに、判断しかねるような感じで呟く。


「えーと…そうなります」

「そうか!こちらは久しぶり…という気はしないのだが、貴殿からすれば半年振り…になるのか…?」

「いえ、何度かあちらでもお会いしてますよ。たまに入れ替わってますので」

「ほう…?ソレは全く気づかなかったな…どうやらあの影武者とやらは双子と疑うぐらいゼルハイト卿の真似が上手いようだ」


俺の少し考えての肯定に青年は少し悩むように言い、俺が後々の事を考えて設定を追加するように話すと驚いたように分身の俺を褒める。


「まあ立ち話もなんだ、せっかく来たのだから寄って行ってくれ」

「ありがとうございます。ではお言葉に甘えて…」


青年が城に招いてくれるように言い、俺は最初からそのつもりだったけどな…と思いながらお礼を言って青年の後ろからついて行く。


「…噂ではロムニアに入った、と聞いたが…」

「はい。旅行がてら周辺諸国を旅行して回ろうかと思いまして」

「なるほど…楽しそうだ。羨ましい限りだな」

「他国の情勢を知れましたし、色んな美味しい物を食べられたり、強者と戦えたり…と、とても楽しかったです」


本当はもっと色んな国を見て回りたかったんですが…と、俺は歩きながら感想を告げて現状の帰国は不満だった事を軽く愚痴る。


「何か事情があったのだろう?まだまだ人生はこれからだ。次の機会はいくらでもある」

「ありがとうございます」


青年の慰めるかのような発言に俺はとりあえずお礼を言う。


「…それで、だ。ドードルの国内情勢を聞きたいのだが…どのような様子だったのだ?」

「ロムニアもそうでしたが、やはり国内は派閥争いによる内戦で荒れてる様子でした」

「ほう…」

「ドードルには問題児のような公爵が居るようで…問題のほとんどを武力で解決しようとしてる、と聞きました。どうやらそこの国境を守る辺境伯と敵対しているようですが…」

「…なるほど…」


青年が本題のように尋ね、俺は体験や経験を基にした主観を話すと青年は足を止めて考えるように呟く。


「…どうやらその公爵はラスタに攻め続けない消極的な将軍の姿勢が気に入らないらしいです。『自分ならあの国境を守る若造ごとき一捻りしてやるものを』と周りに息巻いていると聞きました」

「ふっ…舐められたものだ。しかしそうなると将軍に失脚されると困るか…」


俺は青年に下手な手を打たれないようドードルの将軍と公爵が対立している理由の一つを教えると、青年はニヤリと笑った後に考えを変えるかのように呟いた。


「将軍としてはロムニアの件もあるのでウチとは早期に停戦、講和したいと言ってましたけど、やはりその公爵を筆頭とした派閥や他の対立してる派閥の影響のせいで上手くいっていないとか…」

「ふっ…あちらも大変のようだ。停戦ならばこちらも願ってもない事だがしばらくは無理そうだな…」

「公爵が失脚してくれれば可能性はあるんですけどね」


俺の話を聞いて青年が鼻で笑った後に将軍に同情するように呟き、俺は邪魔者が居なくなれば…の仮定の話をする。


…その後、応接室のような部屋に通されてドードルでの出来事を話しているといつの間にか昼食の時間に。


「あ…自分は一旦宿へと戻ります」

「おっと、もうこんな時間か…午後の予定を聞いてもよろしいか?」


俺が時計を見て断りを入れながら立ち上がると青年も時計を見ながら尋ねてきた。


「自分達傭兵団は三日ほど休養をとってから拠点へと帰還する予定ですので、休む以外に特に用事があるわけでは…」

「そうか。では午後も話を聞かせてくれないだろうか?」

「分かりました。午後になればまた来ます」

「楽しみにしているぞ」


俺の返答に青年が頼むように返し、了承すると嬉しそうに言う。


「では午後に」

「ああ。午後に、また」


俺が部屋を出る前に挨拶して軽く頭を下げると青年も軽く手を上げながら挨拶を返す。



「…ただいまー」

「あ、おかえりなさい。どうでした?」


…宿屋の部屋に戻るとお姉さんが本を閉じて尋ねてくる。


「ただの世間話みたいなもんだよ。途中で昼飯の時間になったから帰って来た」

「…じゃあ午後も?」

「そうだね」


俺の軽い説明で察したのか確認するように聞くので俺は肯定した。


「…もしかしたら明日も行く事になるのでは?」

「うーん…まあアッチが仕事をするんだったらそうなるかもしれないけど…仕事を後回しにしてくれるんなら今日だけで終わるでしょ。別にロムニアまでは話さなくても良いんだし」

「…確かに。それもそうですね」


少し考えるようなお姉さんの予想に俺は青年側の状況によって変化する想定で返すとお姉さんが納得する。
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