子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神

文字の大きさ
235 / 480

青年期 171

しおりを挟む
その二週間後。


どうやら俺から没収したガウ領はウィロー伯爵が引き継ぐ事に決まったらしい。


…それと同時に俺に反逆罪の冤罪を被せようとした者、それに関与した者達の処分も決定したとの事。


なんでも主導したウィロー伯爵、パルパティ侯爵、ロマズスル辺境伯は財産の一部没収で、協力した貴族達は罰金が課せられたようだ。


…まあ『財産の一部没収』とはいえ、土地建物の差し押さえとかではないので…結局のところ罰金と同じだとか。


「…毒まんじゅうの被害者は伯爵か…」

「確かウィロー領って北の国境のところですよね?下手したら大変な事になるような…」

「かもね。ガウの隣の侯爵に譲れば良かったのに…ま、なんにせよこれからが楽しみだ」


俺が報告書を読んだ感想を呟くとお姉さんは伯爵の統治する領地を思い出すように言った後に心配するように呟くので、俺は賛同しながらも所詮は人事なので適当な感じで返す。



…更に二週間後。



なにやらウィロー伯爵が政府にガウ領から徴収した税の支払い期間の延期を求めたが、理由不十分で却下された…という噂が広まり始めているらしい。


「団長、聞いたか?ウィロー伯爵の噂」

「ああ…納税の延期でしょ?」

「お。団長、今さっき面白い噂を耳にしてな」

「今ちょうど団長とその話をしていた」

「なんだそうか」


修行場所に向かおうと本部の建物から出ると団員が話しかけて来て、内容を予想して返すとまた別の団員が声をかけてくる。


「団長の時は何も問題無かったんだろう?」

「ん。もしかしたら脱税とか横領でちょろまかそうとしてるんじゃない?ほら最近財産没収とかの結構重めの罰金くらってるでしょ?」

「あー…なるほど。汚い貴族のやりそうな事だ」

「全くだ」


団員の確認に俺が伯爵への意趣返しとして笑いながら冗談でも言うように嫌疑をかけると団員達も笑いながら賛同した。


…それから更に一週間もする頃にはその噂がどんどん世間に広まっていき…


その数週間後には伯爵がガウ領の税率を上げようとして領民達から激しい反発をくらってるようだ。


「ははは。予想通り面白くなってきてるなぁ」

「私にも読ませて下さい」

「あたしにも読ませてくれよ」


…王都の病院の一室で俺が報告書を読みながら笑うと…


身重状態のお姉さんがベッドに横になったまま手を差し出し、同じ状態で隣のベッドに横になってる女性も手を差し出す。


「はい。ガウ領の税率を戻すのにえらい時間がかかったみたい。領地を奪って直ぐに手を回しておけば噂が広まる前に間に合ったかもしれないのに」

「…それでも税率が上がった直後にあの噂を聞かれたら今みたいに反発されるんじゃ?」

「そう。結局は早いか遅いかだけの違いでしかない」


俺は先にお姉さんに書類を渡して女性に内容を話すと、女性が予想して尋ねるので肯定する。


「まあ俺みたいに後ろ盾もなく、どの派閥にも属してない成り上がりと違ってアッチは領民の反発があっても直ぐには責任を問われる事はないと思うけど…周りに付け入る隙を与える事になるのは痛いだろうよ」

「…もしかしてですけど、もし税率を戻しても税収は全然足りないのでは?」


女性にも分かるよう俺が先手を打って俺の時と今の伯爵との状況の違いを解説すると、お姉さんが報告書を女性に渡しながら予想を尋ねた。


「今まででだいたい4割から5割ぐらいと考えるとギリギリ足りないと思う」

「…と言うことはまた税率を上げる事になりそうですね」

「ふふふ…順調に毒が回ってきてるけど伯爵の体調は大丈夫かな?ストレスで頭痛や胃痛に悩まされてたりして」

「あはは…」


俺も予想で肯定するとお姉さんは微妙な感じで呟き、俺が皮肉や嫌味を言うとお姉さんが反応に困ったように笑う。


そして一週間後。


ついに俺の第一子となる子供が二人同時に産まれた。


…二人とも命中した日が違うのに出産が同じ日、同じ時間になったと言う事はおそらくお姉さんが新しい回復魔法とやらで調整したんだろうな…と予想。


そんな事が可能なのかどうかは分からないが、単なる偶然としては出来過ぎている気がするのでそう考えるのが妥当だと思う。


ちなみに赤ちゃんは二人とも女の子のようだ。


まあ、俺は後継ぎを選ぶのに性別なんて関係ないのでどっちでも良かったんだけど。




ーーーーー




「団長、おめでとう!」

「団長ももう人の親か…!」

「いやーめでたいな!」


…拠点に戻った後に団員達を集めてみんなに報告をすると祝賀ムードになって盛り上がり始め…


私兵団全体がワイワイ騒がしい雰囲気になる。


…俺の両親は病院で何故か一緒に出産に立ち会ってくれていたので、弟や妹…


あと辺境伯と侯爵、しきたりとして政府の方に『子供が産まれました』という報告の手紙を書いて送る事にした。



その翌日。



お姉さんと女性が赤ちゃんを連れて拠点に戻って来ると団員達が俺の子供を一目見ようと群がっていき…


本部の建物の部屋に戻ると今度は拠点内の魔法協会や商会に居る人達も集まって来て、お姉さんと女性は一日中対応に追われていたらしい。


…一応俺は『出産直後だからまだ安静にしてた方が良いんじゃ?』と思ってみんなを一旦解散させようとしたが、本人達が『構わない』って言うので希望通り好きにさせるしか出来ないわけで。
しおりを挟む
感想 49

あなたにおすすめの小説

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜

あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」 貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。 しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった! 失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する! 辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。 これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!

侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】

のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。 そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。 幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、 “とっておき”のチートで人生を再起動。 剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。 そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。 これは、理想を形にするために動き出した少年の、 少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。 【なろう掲載】

追放された荷物持ち、スキル【アイテムボックス・無限】で辺境スローライフを始めます

黒崎隼人
ファンタジー
勇者パーティーで「荷物持ち」として蔑まれ、全ての責任を押し付けられて追放された青年レオ。彼が持つスキル【アイテムボックス】は、誰もが「ゴミスキル」と笑うものだった。 しかし、そのスキルには「容量無限」「時間停止」「解析・分解」「合成・創造」というとんでもない力が秘められていたのだ。 全てを失い、流れ着いた辺境の村。そこで彼は、自分を犠牲にする生き方をやめ、自らの力で幸せなスローライフを掴み取ることを決意する。 超高品質なポーション、快適な家具、美味しい料理、果ては巨大な井戸や城壁まで!? 万能すぎる生産スキルで、心優しい仲間たちと共に寂れた村を豊かに発展させていく。 一方、彼を追放した勇者パーティーは、荷物持ちを失ったことで急速に崩壊していく。 「今からでもレオを連れ戻すべきだ!」 ――もう遅い。彼はもう、君たちのための便利な道具じゃない。 これは、不遇だった青年が最高の仲間たちと出会い、世界一の生産職として成り上がり、幸せなスローライフを手に入れる物語。そして、傲慢な勇者たちが自業自得の末路を辿る、痛快な「ざまぁ」ストーリー!

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

生活魔法は万能です

浜柔
ファンタジー
 生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。  それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。  ――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

処理中です...