子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神

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青年期 214

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その後、平然と立ち上がってまたしても突っ込んでくる魔物の首を反転させるように捻り…


身体も反転させるように地面に叩きつけて倒した。


「…凄いですね!素手でこんな風に余裕で魔物を倒せるなんて…坊ちゃん以外に初めて見ました」

「ふっ…今のところ第五階層までならば問題ない」


分身のお姉さんが褒めると男は嬉しそうに返す。


「では先に進みましょうか」

「そうだな」

「はい」


魔物の爪や牙、毛皮を回収したので分身の俺は指示を出すように告げてダンジョンの先へと進む。


「グオー!!」
「グオー!!」
「グオー!!」

「…ん?」


…10分ほど歩いているとどこからか熊の雄叫びのような叫び声が聞こえてくる。


「おわっ」


声のする方に行ってみると…


「ど、どうしよう…!」

「完全に囲まれた…!」


4人組のパーティが5体のムーンベアードに囲まれて逃げ場を失い、狼狽えていた。


「あちゃー…たまにあるんだよなぁ。こういうの」

「…助けるのか?」

「必要とあれば。…おーい!大丈夫かー?」


分身の俺の独り言に男が確認するので分身の俺は肯定しながらハンター達に手を振って声をかける。


「あっ!ちょうど良かった…!」

「助けて下さい!数が多すぎて…!」

「手伝ってくれ!頼む!」

「俺達だけでこの数は無理だ!頼む!」


ハンター達は分身の俺達を見て安堵したような表情をした後に助けを求めて来た。


「ちょっと行って来ます」

「…俺が相手をしよう。その間に逃してくれ」

「えっ!?」

「分かりました」


分身の俺が一人で行こうとすると男も手伝ってくれるらしく…


男が役割分担を提案すると分身のお姉さんが驚くが分身の俺は了承する。


「コッチに向かって走ってくれ!」

「グアッ!」
「ガアッ!」


分身の俺がハンター達に指示を出すと近くの魔物が二体、分身の俺に襲いかかって来た。


「…グッ…!」
「…ガッ…!」


が、男が一体ずつ順番に攻撃をいなすように投げて二体とも地面へと叩きつける。


「…今だ!」

「行くぞ!走れ!」

「グアー!」
「グオー!」
「グアー!」


するとハンター達が分身の俺達の下へと向かって走り出し、残り三体の魔物も追って来た。


「こっちだ。魔物の相手は任せろ」

「急いで離れよう!」

「うん!」


倒れた魔物達が立ち上がる前にハンター達は魔物の包囲を抜け出して分身の俺が比較的安全な場所まで先導する。


「…はぁはぁ…ここまで来れば…」

「流石に、もう追っては来ないだろう…」

「じゃあ俺は加勢しに行くから」

「あ、ありがとうございました!」

「本当に助かりました!ありがとうございます!」


…5分ほど走って離れた場所で一息吐いた後にハンター達が安心した様子を見せるので分身の俺が男の下へと戻ろうとすると、ハンター達が頭を下げてお礼を言ってきた。


「ガッ…!」
「グッ…!」
「ゴァ…!」


…男の下へと戻ると5体の魔物を相手に投げ飛ばして地面に叩きつけたり、魔物同士をぶつけたりして余裕で捌いている。


「…す、凄い…!」

「そりゃ集団戦にも対応出来るような戦い方なんだから当たり前でしょ」


その様子を見て分身のお姉さんが驚きながら呟き、分身の俺はそんな驚く事か…?と思いながら返す。


「…坊ちゃんとは戦い方がまるで正反対ですね」

「だから余計に凄いんだよ。受けても問題ない俺と違って師匠は多分一発でもくらったら痛手になるだろうし」

「…それならプレッシャー、というか…普通なら緊張してあんな普段通りの余裕な顔なんて出来ないと思いますが…」


魔物の群れをちぎっては投げ、ちぎって投げ…な男の戦い方を見て分身のお姉さんは俺と比較するように言い、分身の俺が男の凄さを教えると分身のお姉さんはまたしても驚きながら呟く。


「それだけ自分の力に自信があるって事だ。相当な努力の賜物だよ」

「あの様子なら確かに一人でも余裕で上に進めますね」


分身の俺が男を褒めると分身のお姉さんは今更ながら納得したような事を言い出す。


「…でも坊ちゃんが倒さないと魔石が取れないのが少し惜しいです…」

「…少し?」


分身のお姉さんの微妙な顔での呟きに分身の俺がツッコむように聞くと、男が残った魔物を二体同時に倒した。


「…少々遊んでしまったせいで多少時間がかかったか…こういう風に囲まれる機会などそうそう無いのでな…」

「その気持ち分かります。直ぐに倒せても、もったいなくて出来ないですよね」

「ええ…」


男が材料を拾いながら時間を気にして言い訳するように呟くが、分身の俺が同意すると分身のお姉さんは若干ヒいたような反応をする。


「…ん?そう言えば…さきほどから気になっていたのだが、何故リデック君が素材の回収を?」


男は分身の俺に魔物素材を渡すと分身のお姉さんを見て不思議そうに尋ねてきた。


「あ、今はちょっといつものポーチを持ってなくて…」

「そうなのか?」

「だから二個目を持ってる俺が今は回収してます」

「そうか」


分身のお姉さんの返答に男が意外そうに返し、分身の俺が回収してる理由を話すと納得したように返す。


「…二個目?」

「いつも使ってるのはちょっと事情があって持って来れなくて。コレは予備のヤツなんですよ」

「ほう?まさかそんな珍しい魔道具を二つも持っているとは…」

「この前ロムニアに旅行に行った時にたまたま手に入れられる機会がありましてね」


男が引っかかったような感じで問い、分身の俺が適当にボカして伝えると意外そうに呟くので手に入れた経緯を軽く話した。
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