子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神

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青年期 228 魔法協会救援編

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その二週間後。


「た、たた大変です!」


もうすぐ昼飯…って所で魔法協会の支部に行っていたお姉さんが慌てて返って来た。


「なんかあった?」

「ロンゴニア帝国が魔法協会に対して宣戦布告し、本部のあるトゥレット大公国に戦争を仕掛けたそうです!」

「…マジで?」


俺の問いにお姉さんは慌てた様子で支部で聞いたんであろう情報を話し、俺は驚きながら確認するように返す。


「…魔法協会に対して宣戦布告した、って事は実質世界中に喧嘩売ったようなもんだけど…その帝国とやらは何考えてんだ?」

「多分世界征服でも狙ってるんじゃないですか?ソレだと魔法協会が一番の障害になりますし」

「…正気の沙汰じゃねぇ…大陸制覇して世界の1/5を手に入れたからって調子に乗ってんのか?」


俺が呆れながら馬鹿にしたように言うとお姉さんが目的を予想して返し、俺は呆れ返ってまたしてもその国の行動を馬鹿にする。


「そういえば前は『共和国』でしたよね?」

「そうそう。なんでもここ数年で連戦連勝、無敗で無敵の勢いで周りの国を侵略して『帝国』を名乗ったらしい」

「へえー」

「まあコッチの大陸からは遠いし、そんなんでわざわざコッチに攻めて来る事も無いだろうから関わる事は無いだろう…と思ってそういうザックリとした情報しか知らないけど…」


お姉さんの疑問に教科書程度のふんわりした情報を話すと意外そうに返すので、その程度の情報しか持ってない理由を告げた。


「…と言う事は…やはり本当に世界征服するつもりで魔法協会に?」

「先手必勝で今の内に迅速に潰しておこうと思ったんだろうね。どう考えても頭おかしい事ではあるけど、計画や作戦としては完璧だ…アッチにはよほど頭が切れる人が居るらしい」


お姉さんが予想が真実味を帯びてきたかのように確認し、俺は帝国側の考えを予想してソレを立案した奴を褒める。




ーーーー




「…今ちょっといいかい?」


…昼食後に俺が報告書を読んでいるとドアがノックされ、女性が確認しながら入って来た。


「どうかした?」

「今魔法協会の支部の人から聞いたんだけど…本部があるトゥレット大公国がロンゴニア帝国とかいう国に宣戦布告と同時に侵攻されてるんだって」

「みたいだね。さっき先生から聞いた」


俺の報告書をテーブルの上に置きながらの問いに女性は魔法協会絡みの話をしてきて、俺は既知である事を伝える。


「…しばらくの間、暇を貰えないか?」

「…行くつもり?もしかしたら間に合わないかもしれないよ?」

「あたしも協会員の端くれだ。協会が危ないならいずれ召集されるはず…その頃に手遅れじゃあどうしようもないし、その時になって後悔したくない」


女性は決意を込めたような顔で尋ね…俺が引き止めるように確認するも決意は固いのかおそらくここでダメ、と言ったところで無理やり現地に行って参加しそうな感じで返す。


「おおー、協会員の鑑だねぇ。まあ先生が呼ばれてるみたいだし、俺も魔法協会が無くなると困るから一緒に行くよ」

「本当かい!?あんたが行けばもはや勝ったも同然だよ!」


俺が茶化すように言った後に同行する事を告げると女性は喜びながら勝利を確信する。


…そして翌日。


朝早くから起きた俺は変化魔法の極技である分身をお姉さんと女性にかけ、そのあとに自分も分身した。


「んじゃ、行ってくるわ」

「おう。楽しめるといいな」

「お願いね」

「うん」

「任せたよ」

「ああ。任せときな」


…俺らは分身の俺がドラゴンに変身し、分身のお姉さんと女性を乗せてトゥレット大公国の首都へと移動するのを見送り…朝食の準備をするために自室へと戻る事に。


…そんなこんな音速移動する事一時間ほどでトゥレット大公国に着き、分身の俺らは帝国から来た兵達を偵察しながら辺りを旋回する。


「…うわお…海岸付近にもう拠点を作り始めてる…」

「…宿営地、にしては作りがちょっと違うような…」

「変わった設営のやり方だね」


おそらく船でやって来たんであろう帝国の兵達が木材や金属で砦を建設している様子を見ながら呟くと分身のお姉さんと女性が不思議そうに呟く。


「…アレは見張り台…?…まるで中継用の軍事基地だな…」


どことなく前世の記憶の知識と似通っている様子の敵の陣営を見ながら分身の俺も不思議に思いながら呟いた。


「とりあえず先に挨拶してこうか」

「そうですね」

「そうしよう」


…ある程度の偵察は済んだので分身の俺が予定を話すと分身のお姉さんと女性が賛同し、分身の俺は首都へと向かう。


「…うわー、本部に来るのも久しぶりですね…何年振りだろ…?」

「あたしはこれで二回目だね…いつ見ても立派な城だ…」


分身の俺らはトゥレット大公国の首都である『マージナル』とかいう中央に湖のある大都市に入り…


その湖の中心に建っている堅牢そうな作りの城へと入るための木造の橋を歩いてたら分身のお姉さんが懐かしそうに呟き、分身の女性は若干緊張した様子で城を見上げながら呟く。


「湖の真ん中に大きな城って凄いな…」

「敵に周りを囲まれても橋を落とせば籠城戦で有利になる…って事らしいです」

「逆に兵糧攻めされたらどうしようもなくない?」


分身の俺が湖を覗き込むように見ながら呟くと分身のお姉さんがこんな変な所に城を理由を話し、分身の俺は疑問を尋ねる。


「ふふふ…坊ちゃんも甘いですね。この城は結界や魔法防御でガチガチに堅められているので、城の中から外に向かって攻撃魔法を使い続けるだけで敵はなす術なく全滅しますよ」

「…答えになってない気もするけど…まあ蓄えが大量にあれば確かにソレで包囲してる敵は全滅させられるか」

「だから湖の周りには建物が無いんだね…ちゃんと考えられてるんだ…」


分身のお姉さんの得意気に笑いながらの説明に分身の俺は微妙な顔で指摘したが、まあ納得は出来るので適当な感じで返すと分身の女性が意外そうに呟く。
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