子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神

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青年期 232

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…分身の俺は敵兵達が逃げる時に捨てて行った銃や弾、剣にバックラーのような小さい盾とかを拾って陣営の中を歩き回る。


「ぅ…」

「うぅ…」

「おっ。運が良い…みんな瀕死とはいえまだ生きてるとは」


敵兵達に銃撃されたんであろう味方の兵、9人が普通ならばもう助からないであろう出血量の瀕死ながらもまだギリギリ首の皮一枚繋がっている状態で生きていたので…


分身の俺は意外に思いながら呟き、変化魔法の極技その2で瀕死の兵士たちをスライム化させて応急処置をした。


「…あと少しで手遅れだったから最初にビビって逃げてくれた兵に感謝だな…」


もう兵士達が死ぬ心配は無くなったので分身の俺は敵兵の一人に感謝の意を呟き、荷車に兵士達を雑に積み込むように乗せ…


ソレを二頭の馬に引かせて残りの馬も引き連れながら町へと向かう。




ーーーーー




「あっ!戻って来ました!」

「ただいまー…で、いいのか?」

「…その兵士達は…怪我人かい?」


…町に着くと城壁の外側で分身のお姉さんが数十人の兵士達と共に出迎えてくれ、分身の俺が挨拶を返して疑問系で尋ねると分身の女性が荷車に乗せられてる兵士達を見て確認する。


「そうそう。なんとか応急処置が間に合ってね」

「負傷者が9名だ。直ぐに医療部隊の所へと運んで治療を」

「「「はっ!」」」


分身の俺の返答に分身の女性が指示を出すと数人の兵士が馬と荷車を引き取るように動き、分身の俺は兵士達に後を任せて町の中へと入った。


「…いやー、まいったね…まさか夜襲されるとは…」

「全くですね…びっくりしました」

「人数が少ないのが幸いだったね。先に撤退させてなきゃどれだけの被害だったか…壊滅しててもおかしくなかったよ」


門が閉まった後に分身の俺がため息を吐いて呟くと分身のお姉さんも賛同し、分身の女性は不幸中の幸い…的な事を言ってもしもの想定を話す。


「しっかし…夜襲までして来るって事は…ガチだな、多分あの帝国はルールや暗黙の了解をガン無視で勝つために手段を選ばない感じかも」

「勝てばよかろう…でしたっけ?」

「…勝利だけを優先しても目先の多少の利益しか得られないというのに…」


分身の俺はもう一度ため息を吐いて帝国側の考えを予想するように言うと分身のお姉さんが俺が良く使う言葉に例えて聞き、分身の女性は呆れたように呟く。


「完全に後の事を考えてませんよね」

「…こんなんで勝ったところでなぁ…まあ、負けたらただの負け惜しみにしかならないから今はやめておこう」


帝国側のやり方について分身の俺らは苦情を言うような感じで話しながら今や兵士しか居ない町を歩いて適当な宿屋へと入る。


…翌日。


「…さて、とりあえずこの町を拠点にして防衛戦をする事になるけど…」

「前線を押し込まれてしまいましたね」

「まあしょうがない。最終防衛線までまだまだ距離があるから大丈夫でしょ」


宿屋に指揮官とかを集めて地図を広げて今後の予定を話すと分身のお姉さんが残念そうに呟き、分身の俺は気持ちを切り替えるように返す。


「また夜襲されないか警戒しないといけないね」

「見張りや巡回の兵を1000名に増やしましょう」

「今の内に簡易的な見張り台を作った方が良いかもしれません」

「うん、良いと思う。敵が近づいて来たら外に布陣して打って出ようか」


分身の女性の発言に指揮官の兵士達が意見を出し、分身の俺は賛同しながら敵が攻めて来た時の対応策を告げた。


…その二日後。


「急報!後方支援部隊が敵軍の襲撃に遭い、物資を奪われたとの事!」

「「えっ!?」」

「なんだって!?」


…中々敵が攻めて来ないなー…と思いながら町で待機していると、どうやら敵は別動隊を動かしていたらしく…兵站に狙いを定めたようだ。


「兵站線を切るとは…そこまでするか…」

「ど、どうしましょう…!物資が届かないと食料とかも…」

「報告!帝国の軍勢が迫っているとの事です!」

「えっ!?」

「「…だろうな(ね)…」」


分身の俺が意外に思いながら呟くと分身のお姉さんは慌てたように言い、別の兵が急いだ様子で報告を告げると分身のお姉さんが驚き…


分身の俺と女性の反応と呟きが被る。


「…もうこうなった以上は町から退却するしかない。おそらく敵の狙いは町を包囲しての兵糧攻めだろうからね」

「…そうだね。まさか帝国がここまで恥知らずな事をしてくるなんて…」


分身の俺が最悪の想定通りの状況になった事を話すと分身の女性も肯定して呆れたように呟く。


「帝国が戦争のルールをここまでガン無視してまでも勝利を最優先にするなんて…想定内の予想通りではあるが、最悪だ…」

「…これってまさか…」

「まあ最悪の展開通り進むだろうね。これから俺らは時間稼ぎしながら最終防衛線まで退がる事になる」


分身の俺は頭を抱えたい気持ちでため息を吐きながら呟くと分身のお姉さんが確認するように呟くので、肯定して予定を告げた。


「…問題は兵達の士気だ。こうも逃げ続けてたら反発する奴らも出て来るかもしれないよ?」

「そこは反転攻勢のために現状を耐えて受け入れてもらうしかない。勝てないと分かってる戦いをやらかして無駄に犠牲者を出すわけにもいかないし」

「それは、そうですが…」


分身の女性の指摘に分身の俺が説得する事とその理由を話すと分身のお姉さんは微妙な顔で納得いかなそうに呟く。


「俺らは最終的に勝つために合理的かつ効率的な手段や方法を選んでるんだから、兵達にも次の町でソレを伝えないといけないかもな…」

「それが良いと思う。ただ逃げ続けるだけじゃ兵士達も納得できないだろうし」

「そうですね」


分身の俺が兵達の士気を維持するための方法を呟くと分身の女性は賛同して兵士の事を気遣い、分身のお姉さんも賛同する。
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