子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神

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青年期 245

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…その後、女の子から元帥の居場所を聞き出し…


目隠しと耳栓をさせて毛布で簀巻きにした後に分身の俺は人目の無い所で変化魔法を使ってドラゴンに変身し、帝国まで一緒に移動した。




ーーーー




「オッケー。もういいよ」

「…なんだったの一体…?まああなたが私に危害を加えたり利用したりする心配が無いのは分かってたけど…」


目的地の近くで女の子を解放して目隠しを取って声をかけると女の子は困惑しながらも不思議そうに聞いてくる。


「おー、一応信用してくれたんだ」

「そりゃコッチは殺す気で攻撃したのに一切反撃する事もなく、その素振りすら全く見せずに普通に話してくれるんだから信用に値するでしょ」


…まあ力の差がありすぎて対応する必要がなかっただけかもしれないけど…と、分身の俺の弄るような言葉に女の子はサラッと理由を話した後に微妙そうな…若干沈んだような顔で呟く。


「まあそれはさておき。なんであんな事したの?」

「いや…絶叫マシンとか苦手かな、と思って」

「…絶叫マシン?ジェットコースターとかフリーフォールとか?」


気を取り直したかのような女の子の問いに分身の俺が適当に誤魔化すように言うと不思議そうに確認した。


「…どうだろ。乗った記憶とか無いなぁ…知識としてはあるけど…でもそれとこれとなんの関係があるの?」

「…『人間大砲』って知ってる?」

「人間大砲?…まさか……っ…!?」


女の子が少し考えて疑問を尋ね、分身の俺が笑って確認すると女の子は不思議そうに聞き返した後に察したかのように周りを見渡して驚く。


「やっぱり…!アッチに見えるのって帝都じゃん!嘘でしょ!?」

「じゃ、元帥の所に行こうか」

「待って!え?なん…えっ!?」


帝都の方を見て驚く女の子に分身の俺が指示するように声をかけるもパニクったような反応をするので分身の俺はスルーして帝都へと向かう。


「…ちょっと待って!待ってってば!」

「…アズマ中将?アズマ中将ではありませんか!」

「トゥレット大公国へと赴いているはずでは…?」


女の子が呼び止めながら駆け寄ってくると帝都の門の所に居た警備兵が不思議そうに尋ねてくる。


「…少し用があって戻って来た。門を開けてもらおうか?」

「は!ただいま!」

「開門!」


女の子はため息を吐いて兵達に指示を出すと兵達は敬礼して返し、合図を出して門が開く。


「アズマ中将、その者は?」

「ただの知り合いだ、気にしないで」

「ご苦労さん、警備よろしく」


兵の一人が分身の俺を見ながら不思議そうに尋ねるが女の子は受け流すように返し、分身の俺は労いの言葉をかけて手を振りながら帝都内へと入った。


「人間大砲って…マジなヤツなの?」

「あの中継基地を一夜で消し飛ばす事が出来るのに、ソコは信じられない?」

「普通は信じられないでしょ」

「でも事実は事実だからなぁ…」


帝国内を歩きながらの女の子の確認に分身の俺がそう聞くと肯定され、分身の俺は適当な感じで呟く。


「…この移動方法って帰りも出来る?」

「出来る出来る。だから上手くいけば今日中には帰れるよ。上手くいけば」


女の子が少し考えてまたしても確認してくるので分身の俺は軽い感じで肯定し、念を押すように繰り返す。


「…上手くいくといいんだけどなぁ…とりあえずコッチ」


女の子は不安そうに呟いた後に案内するかのように指を差して分身の俺の前に出る。


「…アズマ中将だ…」
「…アズマ中将?」
「トゥレット大公国に行ってるはずじゃ…」


街中を歩いていると巡回の兵達がすれ違う度に女の子を見ながら不思議そうに呟く。


「へー、人気者みたいじゃん。もしかして軍のアイドル的存在だったりする?」

「どこが。みんなただ遠巻きに見てるだけじゃん」


分身の俺の弄るような発言に女の子は不機嫌そうに否定した。


「…まあ人気者かどうかは置いといて、一般人とかも視線を向けてくるぐらいだから注目される存在ってのは間違いない」

「そりゃあね。あなただって自分の国だと同じでしょ」

「まあ。俺はこれでも人気者だから」

「はいはい、羨ましい羨ましい」


分身の俺が周りを観察しながら言うと女の子は呆れたように返し、得意気に笑って自慢すると軽く流される。



「…居るかな…居るといいんだけど…」

「「お疲れ様です!」」

「…元帥は?」

「ただいま本部へと出向いておりますので不在でございます」


女の子はとある豪邸の前で止まった後にボソッと呟くと門の前に立っていた兵士達が敬礼しながら挨拶し、女の子の問いに兵士の一人が答えた。


「…う、本部かぁ…」

「ご苦労さん」


女の子が嫌そうに呟いて歩き出すので分身の俺は右手を上げて兵達に労いの言葉をかけて女の子の後をついて行く。


「…ううぅ…これは上手くいかないかも…最悪…いや…ううん…」

「どうかしたのか?」

「なんでもない…こっちの話…はぁ…」


ボソボソ呟く女の子に分身の俺が尋ねるも誤魔化すように返して深いため息を吐いた。


「帰って来るまで待った方が良くね?観光しようぜ」

「…気を遣ってくれるのはありがたいけど、早くサッサと終わらせたいから」


分身の俺の提案に女の子は微妙な顔をしながら拒否する。
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