子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神

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青年期 254

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「…では、ゼルハイト様…私をお守り下さいませんか?」

「護衛の依頼って事?」

「はい。報酬は言い値で払いますので、どうかよろしくお願い致します」


少女の提案に分身の俺が意外に思いながら確認すると少女は肯定した後に好条件を提示して頭を頭を下げる。


「…うーん…」

「私からもお願いします。マーリン様がそこまで食い下がるのであれば何か考えがあるはずなので…」

「じゃああたしからもお願いするよ。なーにマーリン様なら心配要らないさ、見た目なんて当てにならないからね。…あんたがマスタークラスの相手をするんなら、だけど」


…流石に不安なので困りながら返事を渋っていると分身のお姉さんと女性は少女に味方するように後押ししてきた。


「…仕方ない」

「では!」

「でも明日ね。相手の都合もあるし、仲介役を頼みにいかないと…」


分身の俺が折れて了承すると少女が喜びながら催促するように言うので、分身の俺は日付を改める事と面倒ごとを起こさないように対策を取る事を告げた。


「分かりました。明日の何時頃になりますか?」

「ソレもちょっと聞いて来るよ。後で伝えに行くから…何かフリーパスで通れそうな物を貸してくれない?後で返すから」

「…では…コレを」


少女の了承しての確認に分身の俺はあの女の子に会いに行く事を暗に伝えて要求すると少女は真っ白な杖を差し出してくる。


「協会員にはその杖が通行証となる事を伝えますので…くれぐれも無くさないようにお願いします。私の大事な物なので」

「…ええ…そんな物を渡されても…無くさないよう努力する」


少女は便宜を図ってくれる事を告げると注意するように告げ、分身の俺は困惑しながらも一応は曖昧な感じで返す。


その後、分身の俺は分身の二人を首都に残して一人で海岸の拠点へと向かった。


「…ん?誰だお前は?」

「アズマ中将に用があってね。ハンター…冒険者が面会を求めてる、って言えば通じると思う」

「冒険者?お前が…?…まあいい。アズマ中将なら奥に居るはずだ。周りの邪魔をするなよ」


拠点内に入ると撤去作業中の兵の一人が分身の俺に気付いて尋ね、用件を告げると兵はまるで品定めするように分身の俺を頭から足先までジロジロ見ながら疑うように言うも女の子の居場所を教えて作業を再開する。


「…奥ねぇ……あっ、アズマ中将ってどこ?」

「なんだお前?アズマ中将ならそこの建物に居るはずだ」

「ありがと、ご苦労さん」


分身の俺は拠点内を進むも目当ての人物がどの建物に居るのか分からないので近くの兵に尋ねると不審な目を向けるも一応教えてくれた。


「…すいませーん、アズマ中将がココに居るって聞いたんですけど…」

「…お前は…!」


建物の中に入りながら挨拶をして尋ねると椅子に座っていた男が分身の俺を見て驚く。


「中将なら奥の部屋に居るが…何の用だ?」

「ちょっとお願いがあって」

「お願い、だと…?」


男は警戒した様子を立ち上がって用件を確認し、分身の俺が答えると怪訝そうな目を向けてくる。


「そうそう。忙しいんならまた出直すけど」

「…少し待て」


分身の俺が適当な感じで気を遣うように言うと男は一応確認してくれるのか、奥の部屋へと向かう。


「…あ。何の用?」

「おっと、夕飯中だった?」

「ん。馬を乗り継いで今さっき戻って来たばっかだから」


すると少しして女の子がパンをかじりながら出て来て用件を尋ね、分身の俺が聞くと女の子は肯定しながら食事中の理由を話した。


「まあ立ち話もなんだから中に入ってよ」

「お。じゃあお邪魔させてもらうよ」


女の子の誘いに分身の俺がありがたく受け入れて部屋の中に入ると…


作戦会議中だったのかこの前のように男達が紙の広げられたテーブルを囲んで座っていて、女の子と同じくパンを食べている。


「やーやー食事中に済まないね。用事が済んだらさっさと出てくつもりだから少々お時間いただくよ」

「あなたも食べる?今はパンしか無いけど」


分身の俺が男達にめちゃくちゃ睨まれながらも軽く謝ると女の子は固そうなパンを差し出してきた。


「ありがたいけど俺は食って来た。ってか何も付けずに食ってんの?」

「一昨日で持って来たジャムが無くなったから…固くてあまり美味しくないけどもうコレ以外に食べる物無いし。誰かさんのせいで」

「ははは、それは悪い事したね。俺もパンなら持ってるけど食べる?」

「貰う、ちょうだい」


分身の俺は拒否した後に疑問を聞くと女の子は微妙な顔で理由を告げた後に皮肉や嫌味を返し、分身の俺が笑って謝ってそう確認すると女の子が直ぐに返答して催促するように手を差し出す。


「…はい」

「うっわ、ふわふわじゃん!コレお高いパンじゃないの!?」

「手作りだからそうでもない」

「手作り!?コレを!?嘘でしょ!?」


分身の俺が空間魔法の施されたポーチから薄切りの食パンを取り出して渡すと女の子は半分に裂きながら驚いたように聞き、分身の俺の返答に驚く。


「あっま…!ふわふわなのにしっとりとしてるし、絶対お高いパンの味じゃん!コレが手作りとか嘘でしょ…!?」

「気に入ってもらえたようで。実は材料の小麦が違う」

「へー…最高級の小麦とか?」


食パンを食べて食レポのような感想を言う女の子に分身の俺が美味さの秘密を告げると意外そうに尋ねる。


「魔物素材を使ってる。というより魔物の一部?」

「…え」

「ソッチはどうか知らないけど、植物系の魔物ってコッチではめちゃくちゃ珍しいんだけど…」

「いやいや!コッチだってめちゃくちゃ珍しいよ!私も図鑑でしか見た事無いし!」


分身の俺が材料が特別である事を教えたら女の子な呆然とした様子を見せ、軽く説明すると女の子も同意するようにツッコミを入れてきた。
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