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青年期 267
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…夕方。
またしても政府の方から手紙が届き…『ライツの王女が国内に潜伏してる可能性があるので留意せよ』との内容が。
俺は一応『確認出来たら拘束する』的な建前上は政府の意見に沿うような内容の返事を送る事に。
「また政府から手紙が来たんですか?」
「ん。多分ライツからなんか言われてるんだろうね」
「…国としては無視出来ないですからね…形式上だけでも動いてるポーズは見せないといけないですし」
「ご苦労な事だよね、ホント」
お姉さんの問いに俺が適当な予想を返すとお姉さんもこの国のお偉いさん達の考えを予想するように話し、俺はどうでもよさげに全く心の籠もっていない労いの言葉を皮肉混じりに言う。
…それから翌日。
昼前に団員から『コンテスティ侯爵が来た』との報告がきた。
「…お疲れ様です」
「いつもすまんな」
「いえ全然」
俺は本部の前で馬車が来るのを待ち、おっさんが降りて来て直ぐに出迎えの挨拶するとおっさんはいつもの挨拶を返すので俺もいつもの否定で返す。
「…今日は息子と娘も居るんだが…」
「珍しいですね」
「どうしても、とせがまれてしまってな…おい」
おっさんの言いづらそうな顔での発言に俺が少し驚きながら返すとおっさんはため息を吐いて理由を話し、馬車に向かって声をかける。
「…お久しぶりです。ゼル…クライン辺境伯」
「初めまして。クライン辺境伯様」
すると青年が馬車から降りてきて不満そうな顔ながらも会釈しながら挨拶し、次に10代後半の女の子が降りて来て会釈しながら挨拶した。
「会うのは学生時代のあの時が最初で最後だとばかり思ってましたが…不思議なものですね」
「…なぜ力を隠していた?卒業後の活躍を聞く限りお前なら一人で優勝までいけたはずだ」
「ははは、『能ある鷹は爪を隠す』といいますからね。周りに警戒されてしまっては狩りは上手くいきませんので」
俺の言葉に男は不機嫌そうに数年前の事を持ち出し、俺は前世の記憶によることわざを使って大人しくしていた理由を教える。
「…リーゼちゃんの事は残念でなりません。私がもう少し交友関係を表立たせていれば防げていたかもしれませんのに…」
「いえいえ、卒業生にはどうにも出来ませんから。本人には良い社会勉強になった、と切り替えてこれからの事をサポートしていくしかありません」
青年が何かを言う前に女の子が謝るように悔やむような感じで妹の件を持ち出すが、俺は謝罪的なのを拒否るように暗に妹への支援を要請するように返す。
「そうか。お前はリーゼ・ゼルハイトとも仲が良かったな」
「お父様がまだ男爵時代のクライン辺境伯と交友関係を持っていらしたでしょう?それにあのエーデル・ゼルハイトの妹でもありましたし…後輩の面倒を見るのも先輩の務めでしたので」
「…弟の方が優秀だと思われていて悔しくはなかったのか?」
おっさんのふと思い出したような発言に女の子は口元を隠して笑いながら話し、青年は不機嫌そうな顔のまま尋ねた。
「兄ならば弟が優秀である事に喜ぶべきでは?嫉妬で足を引っ張るのは人としてどうかと思いますが…」
「くっ…!」
「ははは!」「ふふふ」
「どうやらゼルハイト卿に一本取られたようだな」
俺が煽るように正論を返すと青年が痛いところを突かれたかのような反応をしておっさんと女の子の笑い声が被り、おっさんが青年を弄るように告げる。
「このまま立ち話をしてても疲れますし…中へどうぞ」
「うむ。すまないな」
「ではお言葉に甘えさせていただきます」
俺は建物の中に入るよう促し、二階の来客用の部屋まで案内する事にした。
「…ところで、ライツの王女がこのラスタ国内に潜伏している、という情報が政府から来たが…ライツとの国境に面しているクライン領に潜んでいる可能性が高いんじゃないのか?」
「そう言えば領内で王女達のそっくりさんを見かけましたね」
「…大丈夫なのか?周りに知られたらいくら私でも庇えんぞ」
廊下を歩きながらおっさんが世間話のように確認してくるので俺が軽い感じでバラすと…
おっさんは微妙そうな顔をしながら察したように聞いてくる。
「まあ名前が違うので大丈夫だと思いますよ?仮に本人であったのならば政府に報告すれば良いだけですので」
「…経緯が気になるな。敵国の王女を庇う…匿うとは……そうか、現在ライツでは王位継承を巡った争いが起きているのか…いやしかし、だからと言って敵国を頼るものなのか…?」
俺の楽観的な返事におっさんは不思議そうに言いつつも直ぐに今までの情報から推察しながら呟き、俺が説明するまでもなく状況をほぼ完璧に把握し始めた。
「いやー、流石ですね。現状は考えている通りです」
「…なぜその王女はゼルハイト卿を頼ったのだ?ソコが分からん」
「人望だと思いますよ。それか利用しようとしているか…この前ライツと戦った時、『姫』と呼ばれていた女性が司令官補佐をやっていましたので一応面識はありますし」
俺が応接用の部屋のドアを開けながら褒めて肯定するとおっさんは疑問を尋ねるので、俺はボケや冗談で返した後にちゃんとした根拠を告げる。
「…なるほどな。しかしよくそんな危険で厄介な火種を受け入れたものだ…下手をすれば大変な事になるぞ?」
「問題はありません。既にそうなった時の立ち回り方は決めておりますので」
「ふっ…そちらこそ流石と言うべきだな」
おっさんの注意や警告するような言葉に対策は考えている事を告げるとおっさんがニヤリと笑って褒めた。
またしても政府の方から手紙が届き…『ライツの王女が国内に潜伏してる可能性があるので留意せよ』との内容が。
俺は一応『確認出来たら拘束する』的な建前上は政府の意見に沿うような内容の返事を送る事に。
「また政府から手紙が来たんですか?」
「ん。多分ライツからなんか言われてるんだろうね」
「…国としては無視出来ないですからね…形式上だけでも動いてるポーズは見せないといけないですし」
「ご苦労な事だよね、ホント」
お姉さんの問いに俺が適当な予想を返すとお姉さんもこの国のお偉いさん達の考えを予想するように話し、俺はどうでもよさげに全く心の籠もっていない労いの言葉を皮肉混じりに言う。
…それから翌日。
昼前に団員から『コンテスティ侯爵が来た』との報告がきた。
「…お疲れ様です」
「いつもすまんな」
「いえ全然」
俺は本部の前で馬車が来るのを待ち、おっさんが降りて来て直ぐに出迎えの挨拶するとおっさんはいつもの挨拶を返すので俺もいつもの否定で返す。
「…今日は息子と娘も居るんだが…」
「珍しいですね」
「どうしても、とせがまれてしまってな…おい」
おっさんの言いづらそうな顔での発言に俺が少し驚きながら返すとおっさんはため息を吐いて理由を話し、馬車に向かって声をかける。
「…お久しぶりです。ゼル…クライン辺境伯」
「初めまして。クライン辺境伯様」
すると青年が馬車から降りてきて不満そうな顔ながらも会釈しながら挨拶し、次に10代後半の女の子が降りて来て会釈しながら挨拶した。
「会うのは学生時代のあの時が最初で最後だとばかり思ってましたが…不思議なものですね」
「…なぜ力を隠していた?卒業後の活躍を聞く限りお前なら一人で優勝までいけたはずだ」
「ははは、『能ある鷹は爪を隠す』といいますからね。周りに警戒されてしまっては狩りは上手くいきませんので」
俺の言葉に男は不機嫌そうに数年前の事を持ち出し、俺は前世の記憶によることわざを使って大人しくしていた理由を教える。
「…リーゼちゃんの事は残念でなりません。私がもう少し交友関係を表立たせていれば防げていたかもしれませんのに…」
「いえいえ、卒業生にはどうにも出来ませんから。本人には良い社会勉強になった、と切り替えてこれからの事をサポートしていくしかありません」
青年が何かを言う前に女の子が謝るように悔やむような感じで妹の件を持ち出すが、俺は謝罪的なのを拒否るように暗に妹への支援を要請するように返す。
「そうか。お前はリーゼ・ゼルハイトとも仲が良かったな」
「お父様がまだ男爵時代のクライン辺境伯と交友関係を持っていらしたでしょう?それにあのエーデル・ゼルハイトの妹でもありましたし…後輩の面倒を見るのも先輩の務めでしたので」
「…弟の方が優秀だと思われていて悔しくはなかったのか?」
おっさんのふと思い出したような発言に女の子は口元を隠して笑いながら話し、青年は不機嫌そうな顔のまま尋ねた。
「兄ならば弟が優秀である事に喜ぶべきでは?嫉妬で足を引っ張るのは人としてどうかと思いますが…」
「くっ…!」
「ははは!」「ふふふ」
「どうやらゼルハイト卿に一本取られたようだな」
俺が煽るように正論を返すと青年が痛いところを突かれたかのような反応をしておっさんと女の子の笑い声が被り、おっさんが青年を弄るように告げる。
「このまま立ち話をしてても疲れますし…中へどうぞ」
「うむ。すまないな」
「ではお言葉に甘えさせていただきます」
俺は建物の中に入るよう促し、二階の来客用の部屋まで案内する事にした。
「…ところで、ライツの王女がこのラスタ国内に潜伏している、という情報が政府から来たが…ライツとの国境に面しているクライン領に潜んでいる可能性が高いんじゃないのか?」
「そう言えば領内で王女達のそっくりさんを見かけましたね」
「…大丈夫なのか?周りに知られたらいくら私でも庇えんぞ」
廊下を歩きながらおっさんが世間話のように確認してくるので俺が軽い感じでバラすと…
おっさんは微妙そうな顔をしながら察したように聞いてくる。
「まあ名前が違うので大丈夫だと思いますよ?仮に本人であったのならば政府に報告すれば良いだけですので」
「…経緯が気になるな。敵国の王女を庇う…匿うとは……そうか、現在ライツでは王位継承を巡った争いが起きているのか…いやしかし、だからと言って敵国を頼るものなのか…?」
俺の楽観的な返事におっさんは不思議そうに言いつつも直ぐに今までの情報から推察しながら呟き、俺が説明するまでもなく状況をほぼ完璧に把握し始めた。
「いやー、流石ですね。現状は考えている通りです」
「…なぜその王女はゼルハイト卿を頼ったのだ?ソコが分からん」
「人望だと思いますよ。それか利用しようとしているか…この前ライツと戦った時、『姫』と呼ばれていた女性が司令官補佐をやっていましたので一応面識はありますし」
俺が応接用の部屋のドアを開けながら褒めて肯定するとおっさんは疑問を尋ねるので、俺はボケや冗談で返した後にちゃんとした根拠を告げる。
「…なるほどな。しかしよくそんな危険で厄介な火種を受け入れたものだ…下手をすれば大変な事になるぞ?」
「問題はありません。既にそうなった時の立ち回り方は決めておりますので」
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おっさんの注意や警告するような言葉に対策は考えている事を告げるとおっさんがニヤリと笑って褒めた。
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