子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神

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青年期 326

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「…おや、ゼルハイト様がいらっしゃるなんて珍しいですね」


支部の廊下を歩いていると前から歩いて来た魔法協会のトップである少女が意外そうに声をかけてきた。


「あー、先生にちょっと頼まれて」

「そうでしたか。あ、昼食に野菜とお肉を重ね合わせたものが食べたいのですが…」


俺が理由を話すと少女は納得した後に急に昼食のリクエストを言い出す。


「白菜のミルフィーユ?オッケー、じゃあソレにするよ」

「ありがとうございます。クライン大魔導師はまだ実験室に?」

「ん、居ると思う」

「分かりました、では」


俺の確認しながらの了承に少女は笑顔でお礼を言うとお姉さんの所在を尋ね、肯定すると少女が会釈するように軽く頭を下げて歩いて行く。





ーーーーー






「…あ…ゼルハイト様。お願いがあるのですが…」

「お願い?」


昼食中、デザートの焼きプリンを食べてる最中に少女が何かを思い出したように話を切り出すので俺は不思議に思いながら尋ねる。


「はい。ブリダン共和国の救援に向かった協会員から増援要請が届きまして…相手側に変化魔法の使い手が確認された、との報告がありました」

「オッケー。行く行く」

「ありがとうございます!報告によればどうやら変化魔法の使い手は複数人で部隊を組んで行動している…ともありましたのでお気をつけ下さい」


少女の話を聞いて俺が即答に近い感じで了承すると少女は喜んでお礼を言った後に注意するように補足する。


「さーて、どれほどの使い手かな…?」

「流石に坊ちゃんからしたら素人や初心者も同然じゃないですか?強いのなら名前が知られてるでしょうし」

「あたしも連れてってくれよ!変化魔法の使い手とは一度戦ってみたいと思ってたところなんだ!」


俺がワクワクしながら呟くとお姉さんはどうでも良さそうに返し、女性が同行を求めて来た。


「先生はどうする?」

「…残念ながら…私も行きたいのですが…被験者の事もありますし、別の実験もあるので魔力を減らせないんですよね…」


俺の確認にお姉さんは残念そうな感じで断ってため息を吐きながら理由を告げる。


「ありゃー、残念」

「半分でも足りないのかい?」

「何回試行するか分からないので、もしもの時のために余力を残しておきたくて」

「なるほど。それじゃ仕方ないね」


俺が同情するように言うと女性が尋ね、お姉さんは困ったように笑いながら返すと女性は納得した。


「んじゃ、今回は二人か…とりあえず準備ができ次第その共和国に行くよ」

「お願いします。受付には話を通して置きますので、お手数ですが出発前に支部にお立ち寄り下さい」

「オッケー」


俺の報告するような発言に少女は軽く頭を下げた後に指示を出すので俺は了承の返事をする。


…それから昼食後。


女性は午後に教練があるらしいので、分身をかけて共和国に向かう事に。


「…えーと…ここらへん…かな?降りるよ」

「分かった」


ドラゴンに変身中の分身の俺が共和国内の指定された町っぽい所で合図を出すと分身の女性は了承するので、変化魔法の極技その2でスライム化させてその場で落下した。


そして着地した後に変化魔法を解いて分身の俺らは近くの町へと向かう。


「…こんな町にも魔法協会の支部があるなんて凄いもんだ」

「いや、多分ココには無いと思う」


分身の俺が街中を歩きながら感心するように言うと分身の女性に否定される。


「え?」

「魔法協会の支部を設置するには色々な条件があるからね。そこかしらの町や村にも広げて数が増えると管理が大変だろう?流石にもっと広い都市部にしか無いはずだよ」

「…そういや俺らの拠点内のは例外で特別だ、って聞いた事があるような…」


分身の女性の説明に分身の俺は納得して思い出すように呟く。


「だったらどうやって協会員の合流するの?」

「そりゃ探すしか無いねぇ…コレと同じ物を持ってる人が居ないか聞いて回るのが手っ取り早いか」


分身の俺が疑問を尋ねると分身の女性はため息を吐いて呟き、魔法協会所属の証である五芒星の魔法陣をかたどったペンダントを取り出す。


「じゃあ酒場かギルドに行ってみようか。とりあえず宿屋の人に聞けば場所ぐらいは分かるだろうし」

「そうだね」


…流石にそこらの人に聞き込みして回るのは面倒なので、分身の俺らは情報が集まりそうな場所に行って現地に居る協会員を探す事にした。


「…あ。ソレは…」

「…ん?」


分身の女性がペンダントの紐部分を指でクルクル回しながら歩いていると…


すれ違った男性が立ち止まったかと思えば分身の女性に急に声をかけてきて同じ物を取り出して見せる。


「なんだ、同じ協会員かい。あたしらは増援として呼び出されてね、ほらコレ」


分身の女性はペンダントをしまうと用件を告げて封筒を差し出す。


「こんなに早く!?…確かに…では我々が泊まっている宿屋に案内します。詳しい話はそちらで」

「はいはい」

「分かった」


男性が驚きながらも封筒を開けて中身を読むと納得したように呟き、先導するように歩き出すので分身の俺らは後からついていく。
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