子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神

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青年期 337

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「…ただ待ってるだけ、ってのもアレだから他のゴブリンで魔物化について調べようか。その魔石持っててね」

「分かりました。落として無くさないように気をつけます」

「…まあ確かに落としてヒビでも入ったらダンジョンに魔素として吸収されて無くなるけどさぁ…」


分身の俺の効率を考えた提案に分身のお姉さんは了承して子供みたいな事を言い出し、分身の俺は微妙な顔で天然か…?と思いながらツッコミを入れるかどうか悩む。


「お。さて…」


すると直ぐにゴブリンを発見したので気持ちを切り替えて魔物に変化魔法をかける実験を開始する事に。


「…やっぱ一発か。『魔物化』だから魔物相手だとそのままなのか…?」

「坊ちゃん。多分ですが、この魔石はスライムの魔石のまま…かもしれません。質を調べてみない事には断定は出来ないのですが…」


スライムの姿になった魔物を見て分身の俺が不思議に思いながら想定を呟くと分身のお姉さんは魔石を持ったまま予想を告げ、誤情報を避けるためか精査してない現状では曖昧な感じで言う。


「今簡単に調べられる?」

「魔石を使えば分かります」

「じゃあお願い」

「分かりました」


分身の俺が尋ねると分身のお姉さんは魔石の使用を確認するかのように返し、了承すると分身のお姉さんが持っていた魔石が粒子状になって消える。


「…スライムの魔石のまま、ですね」

「『短時間では変化無し』って事か…じゃあコレは日数を調べるために保管しといて」

「分かりました」


分身のお姉さんの報告に分身の俺は結果を呟いて目の前のスライム姿の魔物から魔石を抜いて分身のお姉さんに渡して指示を出す。


「じゃあ次…本命の実験だ」

「え、『本命』?魔物に変化魔法が効くかどうかが目的じゃなかったんですか?」

「そりゃ魔石を使えば魔物に変化魔法が効く事はやるまでもなく分かってた事だし。魔石を使わなくても出来るのかどうか…ってのがやった事無いから分からなかっただけで」

「ええ…」


分身の俺がこのダンジョンに来た目的を果たそうとすると分身のお姉さんは驚いたように確認し、分身の俺の適当な感じでの返答に分身のお姉さんがドン引きしたような反応をした。


「…だから『このまま』って言ってたんですね…『現段階ではまだ不可能だ』という意味かと思ってましたが、『何も準備してない現状ではまだ出来る状態に無い』という意味だった、と」

「まあそういう事になるね」

「紛らわしすぎますって…」


分身のお姉さんの微妙な顔での納得したような発言に分身の俺が肯定すると呆れたように呟く。


「とりあえず次のやつは危ないから下がってて」

「どのような事をするんですか?」

「グリーズベアーに変化させて肉を落とすかどうかを確認する」

「なるほど!そんな考えも…!流石は坊ちゃん!」


分身の俺が事前に注意すると分身のお姉さんは不思議そうに尋ね、本命の内容を説明すると分身のお姉さんが目から鱗のような反応をして褒めてくる。


「これが上手くいけば色んな種類の肉を取り放題だよ。わざわざ山林ダンジョンや海底ダンジョンといった特殊ダンジョンのある国に行かなくていいわけだからね」

「…坊ちゃん、もはや魔法協会の最高機密である秘匿事項が人の形をして歩いてるような感じになってますが…ソレってミスリルゴーレムのような希少な魔物に変化させればミスリルも大量に手に入るって事ですよね?」

「あ。確かに…よく考えたら肉だけじゃなく素材の調達も出来るのか…上手くいけばだけど」


実験が成功した場合の恩恵について話すと分身のお姉さんはなんとも言えない顔で呟くと分身の俺が気付かなかった利点を指摘し、分身の俺は驚きながら肯定して失敗した場合の事を考えて予防線を張った。


「今のところ、たとえ坊ちゃんが失敗したとしても『ちゃんとやってないからでは?』ってしか思えないのですが…」

「まあ適当にやっても成功するレベルじゃないといざと言う時に『集中力を散らされたから失敗しました』ってシャレにならない事態になるし」

「…それは…そうですが…」


分身のお姉さんはジト目のような感じで見ながら疑うように言い、分身の俺が全力や本気で取り組んでない理由を話すも納得いかなそうな顔で返す。


「お、いた。じゃあやるから少し離れて」

「分かりました」


ゴブリンを発見したので分身の俺は分身のお姉さんに指示を出して実験を開始する。


「グアアァ!!」

「やっぱ威嚇から入るか」

「グ…!」


変化魔法を使ってゴブリンをグリーズベアーへと変化させると分身の俺を見て直ぐに威嚇行動を始め、先生を離して良かったな…と予想通りである事を確認した後に魔石抜きで倒した。


「お!」「あ!」


するとグリーズベアーの肉と素材が全て落ちたので分身の俺はテンションが上がって直ぐに回収する。


「…ちゃんと味もグリーズベアーの肉だな。良く分からんけど美味い」


拾った肉を水筒の水で洗い流した後に分身の俺がとりあえず齧って味を確認し、本当は味の違いがイマイチ分からない事を冗談で言う。
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