ド陰キャが海外スパダリに溺愛される話

NANiMO

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有宮ハイネの暴走

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オレの問題なんだからほっといてよ!!

……なんて言った日には。ついに彼はオレを見放すだろう。
放っておいてほしいのは確かだが、わざわざ彼がオレを軽蔑するような言葉選びをする必要はない。

「トーマス……きみの気持ちは嬉しいけど、あいにく今はその件について考える余裕がないんだ。考えがまとまったらきみに相談させてもらうよ」

我ながら、今の言葉は最高じゃないか!?
これで穏便に場を切り抜けられただろうと内心ほっとしながら彼の顔を見る。

言い換えれば、この言い回しで穏便に解決できないなら、一体何が正解だったのか教えてほしい。
なぜ彼は昼間以上に不機嫌そうなんだ?

「あ、あの……トーマス?」
「もういい、わかった。きみが私に話したくないってことがよくわかったよ。邪魔して悪かったね。『考えがまとまったら』教えてくれ。訪れるとは思えないけど」

吐き捨てるように言った彼は肩を竦めてオレの部屋から去っていった。
その日、ギターの音が聞こえることはなかった。

教えてくれ。何がだめだったんだ。
一体何が彼を怒らせたんだ?

怒っていたよな。過去最大に。
過去と言ってもたかだか半年に満たない期間だけど、少なくとも最高に彼はキレていた。

どうして!?
どうしてオレが話したくないってわかったんだ。
メンタリストだろうと、相手の考えを完璧に読めるはずがない。つまり、オレは彼になんらかのシグナルを発したはずなのだ。瞳孔の拡散? 声の震え? それとも言葉を発するまでの間? わからない。彼との生活はわからないことだらけだ。

怒った彼と顔を合わせるのは気まずいし、無視されたら傷ついて眠れなくなって、一晩中彼の部屋の様子を窺うことになるだろう。

だったら今はどうなんだ? ……彼の部屋の様子を窺っている。
ああもういいよ。面倒臭いな!!

そしてオレは彼と改めて相談するでもなく、音楽アプリを開いて彼のものじゃない歌声を脳に閉じ込めてヘッドホンで蓋をする。
仕事をしよう。ごろごろしてる場合じゃないんだ!!
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