10 / 774
ハジマリ
俺たちのオリエンテーション
しおりを挟む
まあ、このことをラブコメ的展開というのだろう。今日はオリエンテーション2日目。入学して4日目にして陰キャにはキツイ行事が来てしまった。昨日は校内の説明で、今日はグループワーク。グループは近くの席の人、つまり、有田さんと同じグループだ。あとは熊野さん、海南さん、そして加太くん。全員陽キャと呼ばれる人たちだ。うちのクラスは出席番号順ではなく、担任の粋な計らい(?)のおかげで、ごちゃ混ぜの席になっている。
「何気に由良と話すの初だわ~。」
「奏っちもなんだ。私も私も~。」
「みぎどー。」
加太くんのフルネームは、加太奏太郎。まだつるめそうな少年っぽい感じのやつだ。まあこの先話すこともないだろうが。
「桜は?」
頬杖をついて訊くのは海南楓。小動物的愛されキャラとでも売っているのだろう。陰キャにとってはウザキャラでしかないのだが。
「私はまあ話す方だと思うけど…隣だし…。」
どうやら有田さんは俺達の関係については話したくないらしい。今更だが有田桜。このクラスのマドンナだ。クラスでは容姿端麗の誰とでも気楽に接する人って感じだが、家での姿は、あぁ…って感じだ。
「だよね~、一応ね~。」
少し口角を上げながら言うのは熊野さん。熊野音羽。三人の中では静かな方だが、ノリは陽キャ寄りで、いざとなった時のツッコミ役だ。
「まあね。」
有田さんはテキトーに返した。
「ところでさ、由良っち『ワンピ』読んでんだよね。好きなシーンは?キャラは?」
「それあたしも気になった。」
「私もだよい。」
加太くん、熊野さん、海南さんがずいっと前に乗り出してくる。勿論、海南さんはアイタされてるわけだが。
「えと、好きなキャラはサボで、推しはうるちゃん。好きなシーンは兄弟盃だけど。」
「分かるわ~。そのあと3人の昔の話だよな。」
「うるちゃん推し?ホント?本当?」
「サボはカッコよすぎ。」
何やかんやで盛り上がった。
講堂に移動して先生達のつまらない話を聞き流す。さすが大学の併設校といったところだ。将来の補償はしっかりされている。だが同じような話を何回もされているうちに、夢の中に潜ってしまった。
目覚めたときには部活動紹介ムービーが流れていた。ちなみに隣の有田さんはまだ寝息を立てている。ラグビー部の紹介が始まったところで、有田さんも目覚めた。
「おはよ。今どこらへん?」
「もうそろそろ終わるとこ。」
「そう、ありがと。久志くんも寝てたでしょ。」
「寝てたよ。成績の決め方の話ぐらいから。」
「私も。」
ふふっと口を押さえて有田さんは笑った。そうこうしているうちにオリエンテーションは終わりぞろぞろと教室に帰り始めていた。ひとまず、その波が収まるまで待つことにした。すると、
「桜~、寝ちゃった~。」
案の定、有田さんに海南さんが抱きついた。目を擦る様子を見ると熊野さんも加太くんも寝てしまったようだ。
「うわ~ん。この後の作文絶対やばいよ~。」
そうこのグループが作られたのも、今日の作文を通して高校生活をどうしたいか、所謂『抱負を書け』的な作文を書くためだ。それをグループ内で回し、仲を深めようというのだが…。
「まあ、どうにかなるだろ。」
「えぇ?そうかなぁ?奏っちの言うことだしな?」
「何だよ、バ楓。」
こんな会話を右目に『別に必要なくね?』と考える今日この頃の俺。
「あの2人ね、幼馴染なんだ。とってもお似合いだと思わない?」
「確かに、あのつねり合いは癒される。」
有田さんが教えてくれて、俺はそれに同意。隣で聞いていた熊野さんも大きく頷いている。そして、3人でハイタッチした。
「えっ?何?そういう空気?」
海南さんが両手を構える。俺たちはそれを無視して席を立った。
「みんなひどいよ~。」
そのあともワイワイ騒いで教室に戻った。
「何気に由良と話すの初だわ~。」
「奏っちもなんだ。私も私も~。」
「みぎどー。」
加太くんのフルネームは、加太奏太郎。まだつるめそうな少年っぽい感じのやつだ。まあこの先話すこともないだろうが。
「桜は?」
頬杖をついて訊くのは海南楓。小動物的愛されキャラとでも売っているのだろう。陰キャにとってはウザキャラでしかないのだが。
「私はまあ話す方だと思うけど…隣だし…。」
どうやら有田さんは俺達の関係については話したくないらしい。今更だが有田桜。このクラスのマドンナだ。クラスでは容姿端麗の誰とでも気楽に接する人って感じだが、家での姿は、あぁ…って感じだ。
「だよね~、一応ね~。」
少し口角を上げながら言うのは熊野さん。熊野音羽。三人の中では静かな方だが、ノリは陽キャ寄りで、いざとなった時のツッコミ役だ。
「まあね。」
有田さんはテキトーに返した。
「ところでさ、由良っち『ワンピ』読んでんだよね。好きなシーンは?キャラは?」
「それあたしも気になった。」
「私もだよい。」
加太くん、熊野さん、海南さんがずいっと前に乗り出してくる。勿論、海南さんはアイタされてるわけだが。
「えと、好きなキャラはサボで、推しはうるちゃん。好きなシーンは兄弟盃だけど。」
「分かるわ~。そのあと3人の昔の話だよな。」
「うるちゃん推し?ホント?本当?」
「サボはカッコよすぎ。」
何やかんやで盛り上がった。
講堂に移動して先生達のつまらない話を聞き流す。さすが大学の併設校といったところだ。将来の補償はしっかりされている。だが同じような話を何回もされているうちに、夢の中に潜ってしまった。
目覚めたときには部活動紹介ムービーが流れていた。ちなみに隣の有田さんはまだ寝息を立てている。ラグビー部の紹介が始まったところで、有田さんも目覚めた。
「おはよ。今どこらへん?」
「もうそろそろ終わるとこ。」
「そう、ありがと。久志くんも寝てたでしょ。」
「寝てたよ。成績の決め方の話ぐらいから。」
「私も。」
ふふっと口を押さえて有田さんは笑った。そうこうしているうちにオリエンテーションは終わりぞろぞろと教室に帰り始めていた。ひとまず、その波が収まるまで待つことにした。すると、
「桜~、寝ちゃった~。」
案の定、有田さんに海南さんが抱きついた。目を擦る様子を見ると熊野さんも加太くんも寝てしまったようだ。
「うわ~ん。この後の作文絶対やばいよ~。」
そうこのグループが作られたのも、今日の作文を通して高校生活をどうしたいか、所謂『抱負を書け』的な作文を書くためだ。それをグループ内で回し、仲を深めようというのだが…。
「まあ、どうにかなるだろ。」
「えぇ?そうかなぁ?奏っちの言うことだしな?」
「何だよ、バ楓。」
こんな会話を右目に『別に必要なくね?』と考える今日この頃の俺。
「あの2人ね、幼馴染なんだ。とってもお似合いだと思わない?」
「確かに、あのつねり合いは癒される。」
有田さんが教えてくれて、俺はそれに同意。隣で聞いていた熊野さんも大きく頷いている。そして、3人でハイタッチした。
「えっ?何?そういう空気?」
海南さんが両手を構える。俺たちはそれを無視して席を立った。
「みんなひどいよ~。」
そのあともワイワイ騒いで教室に戻った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件
遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。
一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた!
宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!?
※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
学園のアイドルに、俺の部屋のギャル地縛霊がちょっかいを出すから話がややこしくなる。
たかなしポン太
青春
【第1回ノベルピアWEB小説コンテスト中間選考通過作品】
『み、見えるの?』
「見えるかと言われると……ギリ見えない……」
『ふぇっ? ちょっ、ちょっと! どこ見てんのよ!』
◆◆◆
仏教系学園の高校に通う霊能者、尚也。
劣悪な環境での寮生活を1年間終えたあと、2年生から念願のアパート暮らしを始めることになった。
ところが入居予定のアパートの部屋に行ってみると……そこにはセーラー服を着たギャル地縛霊、りんが住み着いていた。
後悔の念が強すぎて、この世に魂が残ってしまったりん。
尚也はそんなりんを無事に成仏させるため、りんと共同生活をすることを決意する。
また新学期の学校では、尚也は学園のアイドルこと花宮琴葉と同じクラスで席も近くなった。
尚也は1年生の時、たまたま琴葉が困っていた時に助けてあげたことがあるのだが……
霊能者の尚也、ギャル地縛霊のりん、学園のアイドル琴葉。
3人とその仲間たちが繰り広げる、ちょっと不思議な日常。
愉快で甘くて、ちょっと切ない、ライトファンタジーなラブコメディー!
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
陰キャの俺が学園のアイドルがびしょびしょに濡れているのを見てしまった件
暁ノ鳥
キャラ文芸
陰キャの俺は見てしまった。雨の日、校舎裏で制服を濡らし恍惚とする学園アイドルの姿を。「見ちゃったのね」――その日から俺は彼女の“秘密の共犯者”に!? 特殊な性癖を持つ彼女の無茶な「実験」に振り回され、身も心も支配される日々の始まり。二人の禁断の関係の行方は?。二人の禁断の関係が今、始まる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる