陰キャの陰キャによる陽に限りなく近い陰キャのための救済措置〜俺の3年間が青くなってしまった件〜

136君

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ハジマリ

俺の初回授業①

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 「じゃあ、次の授業からは教科書とノートを忘れないように。はい起立。」

号令と同時にチャイムが聞こえてくる。今日はオリエンテーションの2日後、何の問題もなく初回授業が始まっている。俺以外は。

「家と一緒に焼けてたの忘れてたや。」
「よく忘れてたな。」
「お褒めに預かり光栄です。」
「褒めてねえぞ。」
「えへへ。」

桜は少し照れたような表情を見せる。

「数Aの先生、いい人そうでよかったね。」
「授業わかりやすいオーラが滲み出てた。」

海南さんと加太くんが俺の机にやってきて言う。

「あの感じなら質問とかもし易そう。」
「だね。」

熊野さんは机を反転させ、桜は椅子を持って来て言った。そう。この2日間で俺の机は溜まり場と化したのだ。

「Q、内職し易そうとか思ってない?」
「違うぞ。授業内自習だ。」
「するんだ…。」
「大丈夫。私が隠したげる。」

こんな何気ない会話でさえも、今までは楽しいなんて思ってない思えなかった。

「次の時間、何だっけ?」
「英表(英語表現の略)。」

チャイムが鳴って席に着く。説明を聞き流しながら退屈な50分間が過ぎていった。

「こちらはお固い。」
「落差やべえ。」
「Gかかりすぎ~。」

海南さんが机をバンバン叩く。その揺れで俺の筆箱が落ちる。

「あっ、ごめっ。」
「いいよいいよ。」

俺と海南さんがペンを拾っていると、上で会話が始まった。

「音羽、次は?」
「音楽。」
「音楽、音楽か…。」

加太くんの声が細くなっていく。

「どしたん?奏っち。」
「あのな。」

俺たちはゴクリと唾を飲み込む。

「俺の兄貴がこの学校の出身でな。この音楽の磯浦とかいう先生、初回からエグい課題出してくるらしい。」
「Oh…。」

海南さんが頭を抱えて机に伏した。

「音楽の課題って写譜とかしかないじゃん、普通。まあ面倒臭いけどさ、エグいって何よ。どんなヤツ出してくんだよ。」
「すまん、詳しくは聞いてない。」
「奏っちの役立たず!」

キーっとして加太くんを睨む海南さんに、熊野さんがチョップを落とす。うずくまった海南さんを引きずって、音楽室に向かった。
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