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ウソツキ
コイマチ
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「なぁ、ピー也。最近顔色ええな。」
「そうか?ん~まぁいいか。お前やから言うけどな、俺、彼女出来てん。」
「ふぅーん。はぁ?」
「やから、彼女できてん。」
「はぁ!?」
〇〇〇〇〇
時は遡って、テスト最終日の晩。俺と絵空こと南部絵空は電話をしていた。
『もぉーしもーし?』
「聞こえてるぞ。どした?」
『どっか遊びに行かん?』
「ええけど、日曜日スタバ行くやん。」
『でさ~、もったいないし映画でも行かんって。』
「ええけど、今なんかやってるか?」
最初はそんな会話だった。しかし、夜が老けていく度に内容が変わっていって…
『あの2人、めっちゃいいカップルやんな!』
「分かる。近づきすぎず、遠すぎない的な。」
『そうそう。』
全然関係ないところまで話が飛んでいた。
『田辺はさ、彼女とか欲しいんちゃうん?』
「願望はあるけど、なんせ素材が素材やしな。絵空は?」
『ん~、今はないかな?男友達ぐらいが丁度いいし。私、分かってるから言ってみなよ。田辺の好きな人。』
俺はそのとき軽くフリーズした。俺は絵空のことが好きだからだ。相手がそういう相手を持つことを考えていないのに、俺が告白してもいいものか。でも、これ以上の好機はない。いや、もう一生訪れないかもしれない。
『―おーい、聞こえてる?』
そんなことを考えていたら軽く30分ほど経っていた。絵空の声にも微かに怒りが混じっている。
「聞こえてる。驚くなよ。」
『分かってるから驚かないって。』
俺は1つ深呼吸をした。
「俺は、絵空のことが好きだ。」
今は振り向いてもらえないかもしれない。それでも、これは挑戦だ。望みはほぼない。勝率はほぼゼロ。我ながら無駄な勝負だと思う。それでも、いつかその足を動かせる。そんな宣言だ。
『えっと…ちょっと待ってて。』
彼女はミュートになった。
〇〇〇〇〇
『俺は、絵空のことが好きだ。』
イヤホンの奥から聞こえてくる声に私の思考は停止していた。えっ?田辺が、私の事…好き?どういうこと?ハルのこと好きなんじゃないの?
「もう、分かんない。」
さっきまで分かってるって言ってた人のセリフではないけど、もう分からない。だって、そういう素振り見せてなかったから。なんせ急だし。なのに、少し嬉しく思っている私がいる。
「この気持ちは?」
私はその答えを知っている。だけど認めたくない。だから、彼は私の傷を癒してくれるのかな?
私はミュートを切った。
〇〇〇〇〇
絵空のアイコンの横からミュートの記号が消えた。
『ねぇ、少しだけ昔話をしていい?』
「…………」
『私ね、中2の頃、田辺のこと好きだったんだ。だけどそのとき、仲良くしている男子と噂が立ったんだ。全然そんな関係じゃないのに。』
「……………」
『毎時間のように来る冷やかし隊のみんなの顔が怖かった。何回も否定してるのに、「嘘つくな」とか、「恥ずかしがんなって」とか。その声を聞くだけで苦痛だった。吐きそうになるくらい。』
「なら…」
『大丈夫。私が話したくて話してるから。それで、生活指導の先生に相談して事態は収束したけど。』
「………………」
『ねぇ、だから、その…』
「……………」
『誰にも言わないでね。親友以上恋人未満的なライトな関係で、付き合おう。』
「あぁ、誰にも言わない。約束する。」
そうして俺たちは『親友』という仮面を被ることになった。
〇〇〇〇〇
「―って感じ。」
「っんぷ」
俺は危うく電車を甘いゲロで汚すところだった。
「そうか?ん~まぁいいか。お前やから言うけどな、俺、彼女出来てん。」
「ふぅーん。はぁ?」
「やから、彼女できてん。」
「はぁ!?」
〇〇〇〇〇
時は遡って、テスト最終日の晩。俺と絵空こと南部絵空は電話をしていた。
『もぉーしもーし?』
「聞こえてるぞ。どした?」
『どっか遊びに行かん?』
「ええけど、日曜日スタバ行くやん。」
『でさ~、もったいないし映画でも行かんって。』
「ええけど、今なんかやってるか?」
最初はそんな会話だった。しかし、夜が老けていく度に内容が変わっていって…
『あの2人、めっちゃいいカップルやんな!』
「分かる。近づきすぎず、遠すぎない的な。」
『そうそう。』
全然関係ないところまで話が飛んでいた。
『田辺はさ、彼女とか欲しいんちゃうん?』
「願望はあるけど、なんせ素材が素材やしな。絵空は?」
『ん~、今はないかな?男友達ぐらいが丁度いいし。私、分かってるから言ってみなよ。田辺の好きな人。』
俺はそのとき軽くフリーズした。俺は絵空のことが好きだからだ。相手がそういう相手を持つことを考えていないのに、俺が告白してもいいものか。でも、これ以上の好機はない。いや、もう一生訪れないかもしれない。
『―おーい、聞こえてる?』
そんなことを考えていたら軽く30分ほど経っていた。絵空の声にも微かに怒りが混じっている。
「聞こえてる。驚くなよ。」
『分かってるから驚かないって。』
俺は1つ深呼吸をした。
「俺は、絵空のことが好きだ。」
今は振り向いてもらえないかもしれない。それでも、これは挑戦だ。望みはほぼない。勝率はほぼゼロ。我ながら無駄な勝負だと思う。それでも、いつかその足を動かせる。そんな宣言だ。
『えっと…ちょっと待ってて。』
彼女はミュートになった。
〇〇〇〇〇
『俺は、絵空のことが好きだ。』
イヤホンの奥から聞こえてくる声に私の思考は停止していた。えっ?田辺が、私の事…好き?どういうこと?ハルのこと好きなんじゃないの?
「もう、分かんない。」
さっきまで分かってるって言ってた人のセリフではないけど、もう分からない。だって、そういう素振り見せてなかったから。なんせ急だし。なのに、少し嬉しく思っている私がいる。
「この気持ちは?」
私はその答えを知っている。だけど認めたくない。だから、彼は私の傷を癒してくれるのかな?
私はミュートを切った。
〇〇〇〇〇
絵空のアイコンの横からミュートの記号が消えた。
『ねぇ、少しだけ昔話をしていい?』
「…………」
『私ね、中2の頃、田辺のこと好きだったんだ。だけどそのとき、仲良くしている男子と噂が立ったんだ。全然そんな関係じゃないのに。』
「……………」
『毎時間のように来る冷やかし隊のみんなの顔が怖かった。何回も否定してるのに、「嘘つくな」とか、「恥ずかしがんなって」とか。その声を聞くだけで苦痛だった。吐きそうになるくらい。』
「なら…」
『大丈夫。私が話したくて話してるから。それで、生活指導の先生に相談して事態は収束したけど。』
「………………」
『ねぇ、だから、その…』
「……………」
『誰にも言わないでね。親友以上恋人未満的なライトな関係で、付き合おう。』
「あぁ、誰にも言わない。約束する。」
そうして俺たちは『親友』という仮面を被ることになった。
〇〇〇〇〇
「―って感じ。」
「っんぷ」
俺は危うく電車を甘いゲロで汚すところだった。
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