272 / 774
イツモノ
夏の始まり
しおりを挟む
ジリジリとした暑さの中、元気なのはさっきからずっと鳴いている蝉と、
「夏だ!夏休みだ!」
きいだけだろう。
「なんできいはそんなけ元気なん?」
「いや~、夏休み楽しみだなぁ~って。この期間で色んなことがあって、ぐへへになって、夏休み明け来る人たちもおるやろ?そういうの楽しいなって。」
「まぁ、一理あるかもしれんけど、その『ぐへへ』ってなんかおっさんみたいやからやめときなよ。」
桜と並んで歩く姿は、この前のへばっていた影もない。ただ、この暑さを楽しんでいるように見える。
「久志は、さっきから喋ってないけど大丈夫?」
「いや、今気抜いたら溶けるから我慢してるだけ。ダイジョウブダイジョウブ。」
「なら良かった。」
「良かねぇよ。」
気づけば、奏と楓との合流地点まで来ていたらしい。今日は2人が先に待っていた。
「ういーす!」
「よっす!」
「おはよ、2人とも。暑い中ありがとね。」
「大丈夫、日陰に入ってたから。」
ニシシと笑う楓。暑さに慣れているのか、その笑顔は眩しかった。
駅までの裏道に入って、日陰が増える。住宅街を突っ切る道になっているからだ。
「んで、Qは何見てんだ?」
「まぁ、見とけ。きいが面白いから。」
ほかの2人より10cmほど身長が小さいきいは、なんかぴょこぴょこしながら喋ってる。しかも、桜にだいぶ近い距離で。たまにバランスを崩して桜にもたれ掛かるものだから、押し返されている。
「なんか無理して頑張ってる幼稚園児見てるみたい。」
「だろ。」
そんな話をしていたら、踏切の音が聞こえてくる。
「走るぞ。」
「おう。」
「待って2人とも。」
「じゃあお先!」
「ちょっと桜!」
「私も行くね!」
「楓~!」
きいだけが取り残される感じで走り始めた。結局電車には全員間に合った。
香里園の改札を出ると、すぐ目の前に音羽とカレンがいた。
「おはよ。」
「おはようさん!」
こんなに暑いのに、音羽は絶対領域だ。暑くないのか。暑くないんだろう。
「暑っついね~。」
暑いなら、楓を見習ってくれ。倒れられたらこっちが困るから。
「なら、スカート上げちゃえばええのに。」
そう言いながら楓がスカートに手をかけた瞬間、べしっと鈍い音が響く。
「なんかいつもよりつよぉい」
「なんでだろうね。」
これからは気にしないようにしよう。
駅を出たら、また突き刺すような日差しに耐える時間のスタートだ。
「あれ?楓ちょっと大きくなった?」
「ほんとだ、ちょっとね。」
「うん、ちょっとだけそんな気する。」
「奏っち!そんな気する?」
「ごめん、そんな目で見る気もなかったわ。いつまでもガキンチョや思うてたから。」
「奏、あとでマジビンタ。」
「絶対、影響されてるよな。」
「おおっ、カレンも分かる口か?」
「Qもか!おい、奏!そこは『マ…マジビンタ?』って言うところだぞ!」
「あーあ、オタク始まった!」
今年の夏も、こいつらとなら。
「夏だ!夏休みだ!」
きいだけだろう。
「なんできいはそんなけ元気なん?」
「いや~、夏休み楽しみだなぁ~って。この期間で色んなことがあって、ぐへへになって、夏休み明け来る人たちもおるやろ?そういうの楽しいなって。」
「まぁ、一理あるかもしれんけど、その『ぐへへ』ってなんかおっさんみたいやからやめときなよ。」
桜と並んで歩く姿は、この前のへばっていた影もない。ただ、この暑さを楽しんでいるように見える。
「久志は、さっきから喋ってないけど大丈夫?」
「いや、今気抜いたら溶けるから我慢してるだけ。ダイジョウブダイジョウブ。」
「なら良かった。」
「良かねぇよ。」
気づけば、奏と楓との合流地点まで来ていたらしい。今日は2人が先に待っていた。
「ういーす!」
「よっす!」
「おはよ、2人とも。暑い中ありがとね。」
「大丈夫、日陰に入ってたから。」
ニシシと笑う楓。暑さに慣れているのか、その笑顔は眩しかった。
駅までの裏道に入って、日陰が増える。住宅街を突っ切る道になっているからだ。
「んで、Qは何見てんだ?」
「まぁ、見とけ。きいが面白いから。」
ほかの2人より10cmほど身長が小さいきいは、なんかぴょこぴょこしながら喋ってる。しかも、桜にだいぶ近い距離で。たまにバランスを崩して桜にもたれ掛かるものだから、押し返されている。
「なんか無理して頑張ってる幼稚園児見てるみたい。」
「だろ。」
そんな話をしていたら、踏切の音が聞こえてくる。
「走るぞ。」
「おう。」
「待って2人とも。」
「じゃあお先!」
「ちょっと桜!」
「私も行くね!」
「楓~!」
きいだけが取り残される感じで走り始めた。結局電車には全員間に合った。
香里園の改札を出ると、すぐ目の前に音羽とカレンがいた。
「おはよ。」
「おはようさん!」
こんなに暑いのに、音羽は絶対領域だ。暑くないのか。暑くないんだろう。
「暑っついね~。」
暑いなら、楓を見習ってくれ。倒れられたらこっちが困るから。
「なら、スカート上げちゃえばええのに。」
そう言いながら楓がスカートに手をかけた瞬間、べしっと鈍い音が響く。
「なんかいつもよりつよぉい」
「なんでだろうね。」
これからは気にしないようにしよう。
駅を出たら、また突き刺すような日差しに耐える時間のスタートだ。
「あれ?楓ちょっと大きくなった?」
「ほんとだ、ちょっとね。」
「うん、ちょっとだけそんな気する。」
「奏っち!そんな気する?」
「ごめん、そんな目で見る気もなかったわ。いつまでもガキンチョや思うてたから。」
「奏、あとでマジビンタ。」
「絶対、影響されてるよな。」
「おおっ、カレンも分かる口か?」
「Qもか!おい、奏!そこは『マ…マジビンタ?』って言うところだぞ!」
「あーあ、オタク始まった!」
今年の夏も、こいつらとなら。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件
遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。
一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた!
宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!?
※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。
学園のアイドルに、俺の部屋のギャル地縛霊がちょっかいを出すから話がややこしくなる。
たかなしポン太
青春
【第1回ノベルピアWEB小説コンテスト中間選考通過作品】
『み、見えるの?』
「見えるかと言われると……ギリ見えない……」
『ふぇっ? ちょっ、ちょっと! どこ見てんのよ!』
◆◆◆
仏教系学園の高校に通う霊能者、尚也。
劣悪な環境での寮生活を1年間終えたあと、2年生から念願のアパート暮らしを始めることになった。
ところが入居予定のアパートの部屋に行ってみると……そこにはセーラー服を着たギャル地縛霊、りんが住み着いていた。
後悔の念が強すぎて、この世に魂が残ってしまったりん。
尚也はそんなりんを無事に成仏させるため、りんと共同生活をすることを決意する。
また新学期の学校では、尚也は学園のアイドルこと花宮琴葉と同じクラスで席も近くなった。
尚也は1年生の時、たまたま琴葉が困っていた時に助けてあげたことがあるのだが……
霊能者の尚也、ギャル地縛霊のりん、学園のアイドル琴葉。
3人とその仲間たちが繰り広げる、ちょっと不思議な日常。
愉快で甘くて、ちょっと切ない、ライトファンタジーなラブコメディー!
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
みんなの女神サマは最強ヤンキーに甘く壊される
けるたん
青春
「ほんと胸がニセモノで良かったな。貧乳バンザイ!」
「離して洋子! じゃなきゃあのバカの頭をかち割れないっ!」
「お、落ちついてメイちゃんっ!? そんなバットで殴ったら死んじゃう!? オオカミくんが死んじゃうよ!?」
県立森実高校には2人の美の「女神」がいる。
頭脳明晰、容姿端麗、誰に対しても優しい聖女のような性格に、誰もが憧れる生徒会長と、天は二物を与えずという言葉に真正面から喧嘩を売って完膚なきまでに完勝している完全無敵の双子姉妹。
その名も『古羊姉妹』
本来であれば彼女の視界にすら入らないはずの少年Bである大神士狼のようなロマンティックゲス野郎とは、縁もゆかりもない女の子のはずだった。
――士狼が彼女たちを不審者から助ける、その日までは。
そして『その日』は突然やってきた。
ある日、夜遊びで帰りが遅くなった士狼が急いで家へ帰ろうとすると、古羊姉妹がナイフを持った不審者に襲われている場面に遭遇したのだ。
助け出そうと駆け出すも、古羊姉妹の妹君である『古羊洋子』は助けることに成功したが、姉君であり『古羊芽衣』は不審者に胸元をザックリ斬りつけられてしまう。
何とか不審者を撃退し、急いで応急処置をしようと士狼は芽衣の身体を抱き上げた……その時だった!
――彼女の胸元から冗談みたいにバカデカい胸パッドが転げ落ちたのは。
そう、彼女は嘘で塗り固められた虚乳(きょにゅう)の持ち主だったのだ!
意識を取り戻した芽衣(Aカップ)は【乙女の秘密】を知られたことに発狂し、士狼を亡き者にするべく、その場で士狼に襲い掛かる。
士狼は洋子の協力もあり、何とか逃げることには成功するが翌日、芽衣の策略にハマり生徒会に強制入部させられる事に。
こうして古羊芽衣の無理難題を解決する大神士狼の受難の日々が始まった。
が、この時の古羊姉妹はまだ知らなかったのだ。
彼の蜂蜜のように甘い優しさが自分たち姉妹をどんどん狂わせていくことに。
※【カクヨム】にて編掲載中。【ネオページ】にて序盤のみお試し掲載中。【Nolaノベル】【Tales】にて完全版を公開中。
イラスト担当:さんさん
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる