陰キャの陰キャによる陽に限りなく近い陰キャのための救済措置〜俺の3年間が青くなってしまった件〜

136君

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バイバイ

祭囃子⑨

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 まずい…音羽、もう300ポイントも稼いでいる。私も音羽も残りは3発。私が今、150ポイントだから、少なくとも1つはあのペットボトルキャップを落とさないといけない。それか、重たい缶を2つともか。どっちにしても難しいのは丸見えだ。

「紀乃ちゃん、ジャンカ狙わん?やつぱりさ、ロマンやで。」
「無茶言うね。」

花胡ちゃんからそんなことを言われると、さすがの私も火がつく。

 狙いはジャンガ。どれかに当たってくれさえすればいい。それで奥に押し込めたんならそれでよし。一発で落ちることはないと思うから、出来れば3発の間に落としたい。

 集中力を研ぎ澄まし、銃口を向ける。手の震えを抑え込んで、引鉄を引いた。

「あ~…」
「くそっ…」

コルクは横向きに置かれたジャンガ、ポイントには一切関係の無いジャンガだ。残りは2発。隣の音羽はしっかりと50ポイント稼いでいる。もうここまできたらやけくそだ。絶対に落としてやる。

 5発目のコルクを銃口に詰めて、レバーを引く。机に手を置いて前に乗り出し、片手で銃を構えた。

「紀乃ちゃん!」
「大丈夫、一応気をつけているから。」

狙いはど真ん中。少しブレても当たるとこ。少ない腕の筋肉で固定して、引鉄を引いた。

 パンと高い音と共に、コルクが飛んでいく。そして、狙い通りのジャンガに当たった。ジャンガはまっすぐに押し込まれ、3分の1くらいを残して止まる。

「おおおおお!」
「すごいよ、紀乃ちゃん!」
「やっべぇ。」
「上手ぇじゃねぇか。」

周りから歓声が湧き上がる。私も思わず声が出ていた。

 でも、あと1回、この穴に入れないといけない。そして、押し出さないといけない。私はまたコルクを銃口に詰めた。

 狙いはさっきぶち開けた穴。どこかに当たって入るようじゃ、多分パワーが足りないから、どこにも当たらずに入るように調整する。

「すぅ~っ…」

1つ大きく息を吸った。引鉄に力を込める。ブレそうな銃口も、腕の力で抑え込む。焦点は遥か向こう、私が目指す、幅数センチの穴に向かって。

 パンと音が鳴り、コルク玉は飛んでいく。そして、吸い込まれるように穴に入った。

「おおぉぉっ!」
「行ったか?行ったか?」

ひい君と花胡ちゃんが盛り上がる。音羽はもう6発とも撃ち終わっていて、私を優しく眺めていた。

 しかし、いつまで経っても、抜けそうなほどに奥に押し込まれたジャンガは落ちることはなかった。
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