陰キャの陰キャによる陽に限りなく近い陰キャのための救済措置〜俺の3年間が青くなってしまった件〜

136君

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アケボノ

おかえり会④

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「桜が戻ってきたのを祝して、乾杯!」
『乾杯!』

楓がジュースを入れたグラスを突き出し、俺たちがそれに合わせる。グラス同士がぶつかっていい音がした。

 それぞれの前に並んでいるのは、バイキングの1周目。思い思いに好きなのを取っている。

「それにしても、2人がこれで付き合うなんてなぁ。もうちょい時間かかるかなって思ってた。」

嫌な予感がして俺はその場を立ち去る。案の定その話は始まった。

「どんな感じで告られたん?」

楓は目をキラキラさせて桜に聞いている。目の前で話されるのも嫌なので、俺はキッチンに隠れた。変なこと話し始めたらいつでも口を塞げるように。

「え?え~っ…えっと、」

桜は少し困ったような表情を見せる。いきなり告られ方を聞かれてもな、そんなの事細かに覚えてるわけがない。

「『俺は桜の隣にいたい。桜が俺の隣にいてほしい。どんな弱みも全部見せあって、どんな間違いも一緒に背負いたい。』って。」
『おぉ~』

全員の視線が一気にこっちに向く。こいつ、一言一句間違わずに覚えてやがる。

 「何してくれてんねん」と桜に目で訴えると、桜は笑いながら手を合わせた。

「早速目で語り合ってるし。杏ちゃん、いっつもこんな感じ?」
「はい。これが永遠と続いてます。」

杏ははっきりと認めやがった。別にそんなつもりはさらさらないのに。

「で、桜はなんて返したん?」
「そ、そ、そんなこと言うわけないやん。」
「だってさ、Q。」

桜が恥ずかしがって答えないから、奏は俺に振ってきた。

「『…ばか。そんなこと言われたら、帰りたくない理由が無くなるやん。』」
「ちょっ!久志!」
「さっきのやり返しや!」

俺がそう言うと桜は顔を真っ赤にしてしぼんでいく。柚さんが餌付けするように口元にポテトを持っていくと、ちびちびと食べ始めた。

「別に、そんなこと、言った覚えないし。」
「目が泳いでるよ~。それにQはそれなりには記憶力いいからな。な?花胡。」
「まぁ、短期より長期が強い感じですね。この時期なら長期と言っていいかも。本当と言って間違いではないです。」

ぷしゅ~と音を立てながらしぼんでいくのが面白い。だからといっていじりすぎも後で拗ねるからちょうどいいところで止めておかないと。

「久志、覚えててね。」
「俺の手持ちよりいいカードがあるんか?」
「んぐっ」

桜は少し拗ねたのか、黙ってご飯を食い始めた。
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