陰キャの陰キャによる陽に限りなく近い陰キャのための救済措置〜俺の3年間が青くなってしまった件〜

136君

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アケボノ

ルスツ⑬

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 朝飯を食べてゲレンデへ。今日は記念撮影があるので少し早めの時間だ。こんなことをするくらいなら早く滑りたい。思い出は全部この目に焼き付いているんだから。

 実のところ、俺は結構楽しんでいる。俺にしては珍しく学校行事が楽しく思えてる。

「はいチーズ!」

だからこんな写真撮影でも、ぎこちなくても笑うことができるのだろう。

 無事撮影も終わり、班で集まってゲレンデへ。ゴンドラに乗り込んでイーストマウンテンを目指す。今日1日はイーストマウンテンで過ごす予定だ。

 昨日の夕方と同じリフトに乗って上に上がる。

「なぁ、羊蹄山めっちゃ綺麗に見えるな。昨日より。」
「そりゃあ晴れてるし、空気も澄んでるからな。」

隣に座る白野は上に上がってコースに少し出て、写真を撮る。すると後ろから誰かが来た。

「ちゃんとブレーキかけろって。」
「やって写真撮ってるんやもん。映りたいやん。」
「なんやそれ。」

突っ込んできたのは梶本。昨日の夕方にコツを掴んだらしく、もう余裕で滑っている。

「全員揃ったな。じゃあ昨日みたいに滑りながらあの看板の右側まで。先行ってるから助けに行かんど。」

イントラの人はシャッシャッと滑っていく。その後ろを全員で距離を取りながら滑る。まだ下手な方の梶本といい意味で恐怖心のない賀屋を先に行かして、その後ろをテキトーについて行く。

「みんな上手なってきたな。じゃあ行くで次もそこそこ急なとこだからちゃんとスピード調整して。」

 そんな感じで滑っていき、コースを繋げる林間のところを通り抜けて次は比較的緩いコースに出た。

「ここから2kmぐらい下にゴンドラ乗り場があるからそこ集合。見ての通り緩くて長くて広いコースだから好きに滑って。じゃあ行ってらっしゃーい!」

そう言われて俺たちは一斉に動き出す。とりあえず曲がりながらスピード調整するやつや、ショートターンの練習をするやつ。そして、俺や賀屋みたいな考えもなしにちょっかりするやつ。

「「うおおおおぉぉぉ!」」

谷の底を滑っているような感じだ。右と左には雪の壁がそびえ立っていて、その底を滑っている。傾斜は緩やかで、板を真っ直ぐにしていてもそこまでスピードが出ない。そして何より、風が気持ちいい。

「最高やな。」
「せやな。」

まっすぐ立って手を広げてみると、大自然を全身で感じているような感覚になる。

 しばらく滑っていると建物が見える。ここが終着点のようだ。

「あーあ。もう終わりか。」
「しゃーないな。また来ることあるやろ。」

そう言いながら板を脱ぎ、残りのメンバーが来るのを待った。
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