陰キャの陰キャによる陽に限りなく近い陰キャのための救済措置〜俺の3年間が青くなってしまった件〜

136君

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アケボノ

ルスツ⑳

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「話、あんねんけど。」

薄々音羽ちゃんも勘づいているだろう。このシチュエーションはつまりそういうこと。何なら修学旅行の夜に呼び出すなんて、告白するって意味以外ないのだ。

「何?」

 よく考えたら、もう2年経つんだなって思う。実家からアパートに引っ越してきて、そしたらお隣さんが同じ学校の生徒だった。偶然が重なって、自分たちは出会えた。

 初めはアニメみたいな展開だから嘘なんじゃないかって思った。けど、一緒に過ごしているうちにその感覚もどんどん薄れていって、今は隣にいるのが普通だとさえ思える。

 きっとそれはこれまでもこれからも一緒だ。

「いつもご飯作ってくれてありがとうな。」
「何よ今さら。私だって好きで作ってるだけだから、そんな感謝なんかいらんで。」
「家事全般教えてくれてありがとう。」
「それはカレンがあまりにも出来んかったからやろ。」
「ほんまに音羽ちゃんには迷惑かけてばっかや。」

音羽ちゃんにはたくさんのことを教えてもらった。たくさんの大切なものをもらった。それこそ感謝してもしきれないほどに。

「自分さ、高校入って音羽ちゃんに助けられて、一緒に過ごして、もう音羽ちゃんなしではまともな生活が出来なさそうや。」
「知ってる。いつものあの感じ見てる限り、簡単に想像できるわ。」
「うるさいわ。事実やねんけど。」

否定しきれないのが自分クオリティなんだろう。

「だからさ、音羽ちゃんの人生の一部を自分にくれ。その日常の一コマに自分を入れてくれ。」
「今でも十分そうなってるけど、もっと?」
「あぁ、もっとだ。もっとずっと深く。恋人として。」

我ながらなんて告白をしているんだろうと思っている。でも、口下手な自分はこんな伝え方しか思いつかなかった。

 音羽ちゃんは少し驚いたような顔をして、そして優しく笑った。

「じゃあ私からもお願いしようかな?」

そう言った音羽ちゃんは、少しおどけたようなような笑顔を見せる。

「カレンの人生の一部を私にちょうだい。そんで、カレンの人生に関わらせて。私をカレンと同じ世界にいさせて。もちろん、恋人としてね。」

ちょうど音羽ちゃんの顔に光が当たった。今まで見たことがないほどに赤くなっている。

「もう、こんなこと滅多に言わないんやから早く答えてや。」
「いや、ごめん。ちょっと見惚れてた。」

自分の頬も赤くなっているのが分かる。熱いから。

「それで?」
「うん。こんな自分でいいのならよろしくお願いします。」
「こちらこそ、お願いします。じゃあもういいよね?」
「何が?うおっ!」

音羽ちゃんはその場にお土産を置いて、自分に抱きついてきた。

「こういうのが!」
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