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アケボノ
オタル①
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バスを走らせること1時間と少し。さっきまで山道だったのに、どんどん都会になっていき、そして海が見え始めた。
「もうすぐ到着です。近くで寝ている人は起こして上げてね。」
バスガイドのお姉さんがそう言うので、私は隣の音羽の肩を揺さぶった。
「音羽、音羽、起きて。」
「ん?もうついた?」
「遅い時間まで新宮くんと電話しすぎやって。」
「ごめんごめん。やっぱり嬉しくなっちゃって。」
音羽は少し恥ずかしそうに頬をかく。
昨日の晩、買い出しから帰ってきた音羽はずっと嬉しそうだった。で、何があったのか訊いてみたら、急な惚気が始まったのだ。それこそ幼児化したみたいに。そんで、付き合ったとかそんな話をされた後に、新宮くんと電話を始めた。その空気の甘いこと甘いこと。音羽は誰かと付き合ったら化けるんだろうなとは思っていたが、まさかここまでとはな。
「新宮くんと回って、周りの一般人に砂糖吐かせんといてや。」
「大丈夫!ちょっとは制御するから。」
「ちょっとじゃ意味無いけど。まぁ、いいか。」
今まで音羽はそういうのを我慢してきたんだろうから、少しはこのままさせてあげよう。
しばらくするとバスは止まって、降りるように指示が出た。
「じゃあ私は先行っとくね。2人とも楽しんできなよ。」
「ごめんね、ゆーちゃん。この埋め合わせはいつかするから。」
「ん。じゃあね~!」
先にゆーちゃんが降りて、その後ろに続々と人が続いていく。完全にタイミンクを逃した。
結局私たちが最後に降りることになって、忘れ物の確認は不要なのでそのまま降りる。みんな手荷物は置いて行っていて、おそらく持って行っているのは財布とスマホくらい。使ったらダメだけど。
「じゃあ私はこのままカレンと合流するから。桜、思う存分楽しんできなよ。修学旅行のQとの思い出、いっぱい作ってきな。」
「うん。音羽も新宮くんに迷惑かけすぎちゃダメだよ。」
「分かってるって。」
音羽はそのまま、前の方のバスのところに行く。そっちに新宮くんがいるから。
私は1つ後ろに止まっているバスを見た。そのバスがI組が乗っているバスだ。
「いた。」
ちょうど久志が降りてきているタイミングで、目が合った。
「久志!」
「桜、待ったか?」
雪が少し溶けている地面をシャリシャリと踏みしめ、近づいていく。
これは音羽の話を聞いて、ちょっとその気になっているとかではない。けど、少しくらいなら許して欲しい。
私はそのまま久志に抱きついた。
「もうすぐ到着です。近くで寝ている人は起こして上げてね。」
バスガイドのお姉さんがそう言うので、私は隣の音羽の肩を揺さぶった。
「音羽、音羽、起きて。」
「ん?もうついた?」
「遅い時間まで新宮くんと電話しすぎやって。」
「ごめんごめん。やっぱり嬉しくなっちゃって。」
音羽は少し恥ずかしそうに頬をかく。
昨日の晩、買い出しから帰ってきた音羽はずっと嬉しそうだった。で、何があったのか訊いてみたら、急な惚気が始まったのだ。それこそ幼児化したみたいに。そんで、付き合ったとかそんな話をされた後に、新宮くんと電話を始めた。その空気の甘いこと甘いこと。音羽は誰かと付き合ったら化けるんだろうなとは思っていたが、まさかここまでとはな。
「新宮くんと回って、周りの一般人に砂糖吐かせんといてや。」
「大丈夫!ちょっとは制御するから。」
「ちょっとじゃ意味無いけど。まぁ、いいか。」
今まで音羽はそういうのを我慢してきたんだろうから、少しはこのままさせてあげよう。
しばらくするとバスは止まって、降りるように指示が出た。
「じゃあ私は先行っとくね。2人とも楽しんできなよ。」
「ごめんね、ゆーちゃん。この埋め合わせはいつかするから。」
「ん。じゃあね~!」
先にゆーちゃんが降りて、その後ろに続々と人が続いていく。完全にタイミンクを逃した。
結局私たちが最後に降りることになって、忘れ物の確認は不要なのでそのまま降りる。みんな手荷物は置いて行っていて、おそらく持って行っているのは財布とスマホくらい。使ったらダメだけど。
「じゃあ私はこのままカレンと合流するから。桜、思う存分楽しんできなよ。修学旅行のQとの思い出、いっぱい作ってきな。」
「うん。音羽も新宮くんに迷惑かけすぎちゃダメだよ。」
「分かってるって。」
音羽はそのまま、前の方のバスのところに行く。そっちに新宮くんがいるから。
私は1つ後ろに止まっているバスを見た。そのバスがI組が乗っているバスだ。
「いた。」
ちょうど久志が降りてきているタイミングで、目が合った。
「久志!」
「桜、待ったか?」
雪が少し溶けている地面をシャリシャリと踏みしめ、近づいていく。
これは音羽の話を聞いて、ちょっとその気になっているとかではない。けど、少しくらいなら許して欲しい。
私はそのまま久志に抱きついた。
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