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コタエハ
俺たちは最後の祭り⑥
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ついに借人競走が始まってしまった。俺の隣に並んでいる奴らは全員、文Iの陽キャたちだ。
「有田さんの彼氏よな?どーすんの?あれやんの?」
「どーしよっかなって感じ。やけど、『私のとこ来て』とは言われてんねんな。」
「じゃあやるべきやな。」
あれというのは、うちの学校の体育祭では名物になっている、彼氏による公開告白だ。やけど、それはあくまで陽キャのノリってもんで、陰キャの俺にとっては結構きついものである。
「いや、いいわ。どーせこの次の組がやるやろうし。」
「おけおけ。たしかに、そう何組もやらんでええよな。」
後ろの組も同じような相談をしているのが聞こえたので、俺は断っておく。
列がどんどん進んでいき、ついに俺たちの番に。俺たちはスタートラインに並び、合図を待った。
「そういや、最初はお題すら見ずに行くんよな?」
「一応そのつもり。みんなは?」
「俺も見る気ない。」
「俺も。」
「俺もやな。」
「誰でも最初はそうするやろ。」
「なんか並べてるやつニヤニヤしてるで。絶対仕組んでるやん。」
目の前に並べられていく封筒は、今までのものとは違う色のものだった。
「生徒会側やってんなぁ。」
俺はそう呟いた。
スタートの合図とともに走り始め、自分の目の前の封筒を取る。が、開ける前に、俺はH組の方に走っていった。
「約束守りに来たぞ。」
「もうちょい違う迎え方はないんかい。」
「ないなあ。少なくとも俺の辞書には。」
「まあ、その方が久志らしいけど。」
桜は笑いながら降りてくる。その横の柚さんもその前の音羽も腹を抱えて笑っていた。
桜の手を取り、しっかりと繋ぐ。指と指を絡める恋人繋ぎで。珍しく俺が引っ張って。
「ちょっと早い!ちょっと早い!もうちょいゆっくりして!」
「え?嫌や。」
「え~!てか、お題なんやったん?」
「知らん。まだ見てない。」
走りながら笑い合い、そして1番で生徒会役員の前に着く。
「お題はなんですか?」
「えーっと…」
俺は封筒の中から紙を取り出す。そこに書かれていたものを見て笑ってしまった。
「『好きな人』です!」
「えーっとじゃあ、証明できるものは?」
一応お題には当てはまっていた。けど、ニヤニヤした役員のやつが、さらに問いつめてくる。桜の方を見ると、少しだけ顔を赤くしながらもこっちを向いて目を瞑った。
でも俺にその根性はない。だから俺はそっと桜の前髪を上げて、そこにキスを落とした。
「はーい!合格でーす!」
俺たちは手を繋いで1位の列の後ろに並ぶ。
「チキン。」
「いや、後で意味調べてみろ。」
額へのキスの意味。それは、恋人としてだけでなく、友人としても信頼している。その意志の表れだ。
「有田さんの彼氏よな?どーすんの?あれやんの?」
「どーしよっかなって感じ。やけど、『私のとこ来て』とは言われてんねんな。」
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列がどんどん進んでいき、ついに俺たちの番に。俺たちはスタートラインに並び、合図を待った。
「そういや、最初はお題すら見ずに行くんよな?」
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「俺も。」
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「生徒会側やってんなぁ。」
俺はそう呟いた。
スタートの合図とともに走り始め、自分の目の前の封筒を取る。が、開ける前に、俺はH組の方に走っていった。
「約束守りに来たぞ。」
「もうちょい違う迎え方はないんかい。」
「ないなあ。少なくとも俺の辞書には。」
「まあ、その方が久志らしいけど。」
桜は笑いながら降りてくる。その横の柚さんもその前の音羽も腹を抱えて笑っていた。
桜の手を取り、しっかりと繋ぐ。指と指を絡める恋人繋ぎで。珍しく俺が引っ張って。
「ちょっと早い!ちょっと早い!もうちょいゆっくりして!」
「え?嫌や。」
「え~!てか、お題なんやったん?」
「知らん。まだ見てない。」
走りながら笑い合い、そして1番で生徒会役員の前に着く。
「お題はなんですか?」
「えーっと…」
俺は封筒の中から紙を取り出す。そこに書かれていたものを見て笑ってしまった。
「『好きな人』です!」
「えーっとじゃあ、証明できるものは?」
一応お題には当てはまっていた。けど、ニヤニヤした役員のやつが、さらに問いつめてくる。桜の方を見ると、少しだけ顔を赤くしながらもこっちを向いて目を瞑った。
でも俺にその根性はない。だから俺はそっと桜の前髪を上げて、そこにキスを落とした。
「はーい!合格でーす!」
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