陰キャの陰キャによる陽に限りなく近い陰キャのための救済措置〜俺の3年間が青くなってしまった件〜

136君

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ノンビリ

one flame⑫

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「あれ?なんか視界ぼやけるような…」
「ん?目悪なった?」
「かもな。」

いつものように勉強していると、なんか視界がぼやけてくるような気がする。

「ちょい待ち。たしかここに…」

久志は一度リビングを出て物置に行くと、視力検査のあの紙を持ってきた。

「あ~、ちょっと悪なってるかも。前より見にくなってる。」
「どーする?コンタクト?眼鏡?」
「それ俺が決めることか?」

私は久志に聞いてみた。

 久志は基本的にこうして欲しいとかは言わない。自分があまり縛られたくないってのもあるのだろうけど、そういう欲がないっていうか、なんというか…

「ねぇどっちがいいん?」

たとえば、私は久志の服の好みとかを知らない。一緒に暮らしているわけだから、それを一つ一つ言われちゃ困るんだけど、デートのときくらいはちょっと合わせてみたい気もする。あとは、好きな髪型とか、食べ物もそう。あまり知らないことの方が多いんだ。

「ん~、どっちでもいいけどな~。でも、眼鏡かけてる桜はちょっと見てみたいかな。」
「そ。じゃあ眼鏡にしよ。」

そんなときはこんな感じで押してみたら結構いい反応が返ってきたりする。そういうのはいつもないからこそ嬉しい。

「金あんの?」
「それくらいは貯金してる。とりま買うとして、眼科行って、それからやな。」
「ふーん。俺も買おかな?」

突然久志もそんなことを言い出した。

 久志は、まあ自分のことをあまり言わないからかもしれないけれど、目が悪いとかは聞いたことがない。若干どっちかが弱いとかはあるかもしれないが。

「まぁーあんま言わんかってんけど、左眼めっちゃ悪いねん。」
「そーなんや。知らんかったわ。」
「右がまだいいからいけててんけどな。そろそろ潮時かなって。」
「あーね。じゃあ明日でも行く?一緒に。」
「そーしよ。創立記念日やねんし。」

明日の約束をして、問題をまた解き始める。こんな日がずっと続いてくれたらどれほど幸せなんだろう。そう思った。
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