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第115話:かわいい猫だな、猫と暮らすってリーダーは引退した老人みたいになってきましたっすね
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俺と相棒、二人組の冒険者パーティー。
普段はスライム退治専門のしょぼいパーティーだ。
そして、今日もスライム退治に勤しむ。
場所も村の近くの草原。
面白くも何ともないぞ。
で、いつも通り、数匹のスライムを退治して冒険者ギルドでわずかな報酬を貰って、宿屋に帰る。
今、俺たちは金が無いので、屋根裏に無料で住まわせてもらっている。
疲れて、ごろんと屋根裏に置いてある毛布の上に寝転ぶ。
「ああ、つまらんなあ」
「つまらんすねえ」
「それに、今まではベッドだったが、この毛布一枚じゃあ、背中が痛いぞ」
「しょうがないんじゃないすか。屋根があるだけ、野宿よりましっすよ」
「まあ、そうなんだがなあ」
やれやれ。
何ともしょぼくれた生活だな。
冒険者の末路とはこんなものなのか。
「おい、ところで今日の夕食はどうしよう」
「お金を節約しなきゃいけないんすよねえ。じゃあ、食堂でパンの耳を貰ってきて、それと、まだ余ってる山菜料理すかねえ」
「まあ、しょうがないか」
「じゃあ、パンの耳を貰ってきますね」
「おお、頼む」
そんなわけで、屋根裏でパンと塩を振りかけただけの山菜料理の食事をとる俺と相棒。
「ああ、味気ない食事だなあ」
「餓死するよりマシじゃないすか」
「そうなんだがなあ」
こんなしょぼくれた人生を送るとは思わなかったなあ。
「やれやれ。このまま、この屋根裏で孤独死とかになるんじゃないのか、腐乱死体で発見されたりとか。寂しいぞ」
「大丈夫すよ、俺っちがちゃんと見守ってあげますから。今日、あの世に逝ってもいいすよ、もうリーダーの話には誰も興味が無さそうっすからねえ」
「いやなこと言うなよ。だいたい、お前も同時に死ぬ可能性だってあるぞ」
「そうすかね。可能性と言えば、ここは暖炉など暖房器具がないので、一酸化炭素中毒になる可能性はないっすね。狂暴なモンスターが襲ってくることもないし。まあ、なぜか二人とも突然心臓麻痺とかありますけど。でも、腐乱死体になる前に、ここの宿屋の主人が見つけてくれるでしょ」
「そう言えば、屋根裏は暖炉がないんだよな。やはり、夏の今は金を貯めて、冬に備えよう。アリとキリギリスだな」
「有名な話っすね。でも、リーダーはすでに物語の終盤のキリギリス状態じゃないすか。若い時に適当に過ごして、今や、ジリ貧状態」
「うるさいぞ」
しかし、確かに相棒の言う通りだな。
若い頃なんて何も考えてなかった。
そして、今や屋根裏生活。
「でも、お前は若いうちからすでに屋根裏生活じゃないか、いいのかよ」
「まあ、この生活もけっこう楽しいっすね。それにこの屋根裏って、今までの部屋より広くて天井も高いから気持ちがいいっすね」
やれやれ。
若いのはいいなあ。
まだ、何とかなるもんな。
俺なんて、もう人生の折り返し地点を超えている。
焦るばかりだ。
「お、雨が降ってきたぞ」
「けっこう強い雨っすね」
「うむ、また例のゲリラ豪雨か」
突然の雨。
かなり激しく降っている。
「ああ、俺の人生は雨ばかりだな」
「前にもそんなこと言ってませんでしたか、リーダーは。もう、みんな聞き飽きてますよ」
「うるさいぞ。とにかく飯は食い終わった。もう寝るぞ」
俺は毛布の上にごろんと寝る。
すると、顔に水がかかった。
「うわ!」
「どうしたんすか」
「モンスター雨降らしの攻撃だぞ」
「何すか、それ。単なる雨漏りじゃないすか、ついに頭が呆けたんすか」
「冗談だよ。さすがに水滴をモンスターとは思わんよ」
「でも、前にそんな話なかったすかねえ、忘れましたけど。リーダーは間抜けな話が多過ぎますからねえ」
「うるさいぞ」
でも、気になって、天井を携帯ランプで照らしてみる。
うむ、雨漏りとは言っても、大したことはないな。
屋根裏の隅っこに置いてある桶を持って来る。
とりあえず、これを置いて、明日、宿屋の主人に報告するか。
場所をずらして、また毛布の上にごろんと寝る。
桶には少しずつ、雨水が溜っていく。
一定の時間でポチャン、ポチャンと雨水が落ちてくる音がしてくる。
「おい、怖くないか」
「は? 何かの心霊現象でも起きたんすか」
「心霊現象ではない。現実の話だ。今、水滴が落ちてくるわけだ。これは時間が経っていくことを明確に表している。人間はいつか死ぬわけだが、その日が、刻一刻と近づいているわけだ。この水の音を聞いていると怖くならないか」
「別に怖くないっすよ。いつかは誰しも死ぬわけだし」
「若いからそんなこと言えるんだぞ。おっさんになると現実味がおびてきて、怖くなるぞ」
「でも、いつも死ぬこと考えてもしょうがないすよ。若い頃からそんなこと考えていたんすか、リーダーは」
「いや、若い頃は数万年生きると思っていたなあ。今や、明日死ぬかもしれないと怯える日々だ、やれやれ」
そして、何もしていない、成し遂げていないと思ってしまう。
「俺はやはりスライム退治で終わってしまうのだろうか」
「また同じ事言ってますね。まあ、人生諦めが肝心すよ」
「いや、まだ諦めたくないぞ、俺は。おや……」
「どうしたんすか」
「何か気配がするぞ」
俺はそっと壁際に近づいて、窓を注意深く開ける。
何やら黒い生き物が。
「何だ、子猫か」
「親からはぐれたんすかねえ」
俺はその黒猫を屋根裏の中に入れてやる。
「すっかり濡れてるなあ」
雨で濡れた猫を布で拭いてやる。
大人しい猫だな。
「うむ、なかなかかわいい猫だな。ここで飼うか」
「宿屋の主人に怒られないすかね」
「いや、得体の知れない冒険者二人を住まわせてくれるんだから、子猫くらい大丈夫だろう」
「でも、猫と暮らすって、ホント、リーダーは引退した老人みたいになってきましたっすね」
「うるさいぞ。それに俺は張り切っているぞ」
「何で張り切るんすか」
「この猫の食事代を稼がねばならないじゃないか。人間、誰か頼って来ると、力が湧いてくるものだなあ」
「まあ、猫は気まぐれですから、リーダーが孤独死してもほっておいて、他の場所に行くんじゃないすか」
「うるさいぞ」
しかし、相棒の言う通り、ますます引退老人みたいになってきたなあ。
いや、それでも頑張るぞ。
普段はスライム退治専門のしょぼいパーティーだ。
そして、今日もスライム退治に勤しむ。
場所も村の近くの草原。
面白くも何ともないぞ。
で、いつも通り、数匹のスライムを退治して冒険者ギルドでわずかな報酬を貰って、宿屋に帰る。
今、俺たちは金が無いので、屋根裏に無料で住まわせてもらっている。
疲れて、ごろんと屋根裏に置いてある毛布の上に寝転ぶ。
「ああ、つまらんなあ」
「つまらんすねえ」
「それに、今まではベッドだったが、この毛布一枚じゃあ、背中が痛いぞ」
「しょうがないんじゃないすか。屋根があるだけ、野宿よりましっすよ」
「まあ、そうなんだがなあ」
やれやれ。
何ともしょぼくれた生活だな。
冒険者の末路とはこんなものなのか。
「おい、ところで今日の夕食はどうしよう」
「お金を節約しなきゃいけないんすよねえ。じゃあ、食堂でパンの耳を貰ってきて、それと、まだ余ってる山菜料理すかねえ」
「まあ、しょうがないか」
「じゃあ、パンの耳を貰ってきますね」
「おお、頼む」
そんなわけで、屋根裏でパンと塩を振りかけただけの山菜料理の食事をとる俺と相棒。
「ああ、味気ない食事だなあ」
「餓死するよりマシじゃないすか」
「そうなんだがなあ」
こんなしょぼくれた人生を送るとは思わなかったなあ。
「やれやれ。このまま、この屋根裏で孤独死とかになるんじゃないのか、腐乱死体で発見されたりとか。寂しいぞ」
「大丈夫すよ、俺っちがちゃんと見守ってあげますから。今日、あの世に逝ってもいいすよ、もうリーダーの話には誰も興味が無さそうっすからねえ」
「いやなこと言うなよ。だいたい、お前も同時に死ぬ可能性だってあるぞ」
「そうすかね。可能性と言えば、ここは暖炉など暖房器具がないので、一酸化炭素中毒になる可能性はないっすね。狂暴なモンスターが襲ってくることもないし。まあ、なぜか二人とも突然心臓麻痺とかありますけど。でも、腐乱死体になる前に、ここの宿屋の主人が見つけてくれるでしょ」
「そう言えば、屋根裏は暖炉がないんだよな。やはり、夏の今は金を貯めて、冬に備えよう。アリとキリギリスだな」
「有名な話っすね。でも、リーダーはすでに物語の終盤のキリギリス状態じゃないすか。若い時に適当に過ごして、今や、ジリ貧状態」
「うるさいぞ」
しかし、確かに相棒の言う通りだな。
若い頃なんて何も考えてなかった。
そして、今や屋根裏生活。
「でも、お前は若いうちからすでに屋根裏生活じゃないか、いいのかよ」
「まあ、この生活もけっこう楽しいっすね。それにこの屋根裏って、今までの部屋より広くて天井も高いから気持ちがいいっすね」
やれやれ。
若いのはいいなあ。
まだ、何とかなるもんな。
俺なんて、もう人生の折り返し地点を超えている。
焦るばかりだ。
「お、雨が降ってきたぞ」
「けっこう強い雨っすね」
「うむ、また例のゲリラ豪雨か」
突然の雨。
かなり激しく降っている。
「ああ、俺の人生は雨ばかりだな」
「前にもそんなこと言ってませんでしたか、リーダーは。もう、みんな聞き飽きてますよ」
「うるさいぞ。とにかく飯は食い終わった。もう寝るぞ」
俺は毛布の上にごろんと寝る。
すると、顔に水がかかった。
「うわ!」
「どうしたんすか」
「モンスター雨降らしの攻撃だぞ」
「何すか、それ。単なる雨漏りじゃないすか、ついに頭が呆けたんすか」
「冗談だよ。さすがに水滴をモンスターとは思わんよ」
「でも、前にそんな話なかったすかねえ、忘れましたけど。リーダーは間抜けな話が多過ぎますからねえ」
「うるさいぞ」
でも、気になって、天井を携帯ランプで照らしてみる。
うむ、雨漏りとは言っても、大したことはないな。
屋根裏の隅っこに置いてある桶を持って来る。
とりあえず、これを置いて、明日、宿屋の主人に報告するか。
場所をずらして、また毛布の上にごろんと寝る。
桶には少しずつ、雨水が溜っていく。
一定の時間でポチャン、ポチャンと雨水が落ちてくる音がしてくる。
「おい、怖くないか」
「は? 何かの心霊現象でも起きたんすか」
「心霊現象ではない。現実の話だ。今、水滴が落ちてくるわけだ。これは時間が経っていくことを明確に表している。人間はいつか死ぬわけだが、その日が、刻一刻と近づいているわけだ。この水の音を聞いていると怖くならないか」
「別に怖くないっすよ。いつかは誰しも死ぬわけだし」
「若いからそんなこと言えるんだぞ。おっさんになると現実味がおびてきて、怖くなるぞ」
「でも、いつも死ぬこと考えてもしょうがないすよ。若い頃からそんなこと考えていたんすか、リーダーは」
「いや、若い頃は数万年生きると思っていたなあ。今や、明日死ぬかもしれないと怯える日々だ、やれやれ」
そして、何もしていない、成し遂げていないと思ってしまう。
「俺はやはりスライム退治で終わってしまうのだろうか」
「また同じ事言ってますね。まあ、人生諦めが肝心すよ」
「いや、まだ諦めたくないぞ、俺は。おや……」
「どうしたんすか」
「何か気配がするぞ」
俺はそっと壁際に近づいて、窓を注意深く開ける。
何やら黒い生き物が。
「何だ、子猫か」
「親からはぐれたんすかねえ」
俺はその黒猫を屋根裏の中に入れてやる。
「すっかり濡れてるなあ」
雨で濡れた猫を布で拭いてやる。
大人しい猫だな。
「うむ、なかなかかわいい猫だな。ここで飼うか」
「宿屋の主人に怒られないすかね」
「いや、得体の知れない冒険者二人を住まわせてくれるんだから、子猫くらい大丈夫だろう」
「でも、猫と暮らすって、ホント、リーダーは引退した老人みたいになってきましたっすね」
「うるさいぞ。それに俺は張り切っているぞ」
「何で張り切るんすか」
「この猫の食事代を稼がねばならないじゃないか。人間、誰か頼って来ると、力が湧いてくるものだなあ」
「まあ、猫は気まぐれですから、リーダーが孤独死してもほっておいて、他の場所に行くんじゃないすか」
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