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第117話:もうすっかり猫好き爺さん日記って人生すね、うるさいぞ、かわいいものはかわいいのだ
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俺と相棒、二人組の冒険者パーティー。
普段はスライム退治専門のしょぼいパーティーだ。
今は宿屋の屋根裏に猫と一緒に住んでいる。
「おー、よしよし」
「ニャー」
俺は猫を抱き上げてかわいがる。
ニャーニャーと鳴く猫。
「いやあ、猫はかわいいなあ、癒されるぞ。くだらんスライム退治の仕事のつまらなさも忘れてしまうぞ。それに腰の痛みも消えていく、ああ、猫を飼ってよかったぞ」
「ハゲデブブサイクでリュウマチで膝痛肘痛腰痛持ちの夜間頻尿で慢性膵炎の歯抜けのおっさんに抱かれて猫は迷惑してるんじゃないすか」
「うるさいぞ。少なくとも俺のことを嫌がってないじゃないか」
「そりゃ、エサをくれますからね。そう言えば、今日の夕食はどうすんすか」
「大丈夫だ。猫缶をいっぱい買ってあるぞ」
「へえ、こんなものを売ってるんすね。って、違いますよ、俺っちらの夕食ですよ」
「ああ、一階の食堂でパンの耳でも貰ってきてくれ」
「何すか、それ。猫の方がよっぽどいいもの食べてるじゃないすか」
「いいんだよ、まだ子猫だろ。栄養が必要だ」
「しょうがないすねえ、でも、すっかり猫好き爺さんすね。もう、冒険者物語と言うよりは、猫好き爺さん日記って人生すね。そんなの、誰も興味を持ちませんよ」
「うるさいぞ。とにかく、かわいいものはかわいいのだ。さっさとパンの耳を貰ってきてくれよ」
「うぃっす」
猫缶を開けると、バクバクと猫が喉を鳴らして食べてる。
俺の方はパンの耳だ。
すると、猫が声を出した。
「ウマイ、ウマイ」
びっくりする俺。
「おい、今、猫がうまいうまいと言ったぞ」
「違いますよ。そう聞こえただけっすよ。猫はもっとエサをくれって鳴いているだけっすよ」
「いや、うまいと言ったんだ。この猫は人間の言葉を喋るのではないか」
「ありえませんって。魔法使いの使い魔じゃあるまいし」
「おお、まさかこの猫はどこかの魔法使いの使い魔ではないか。そして、その魔法使いは、今、ドラゴン退治に出かける旅の途中なのだ。この猫を通じて、俺たちもドラゴン退治に参加するのだ」
「また、くだらない妄想してますね。ただの猫っすよ」
まあ、そうだろうな。
しかし、かわいいには違いない。
そして、俺の顔を見て、ニャーと鳴く猫。
俺は思わず笑顔になる。
「猫を見てニヤニヤ笑ってる引退した爺さんって感じっすね、リーダーは」
「いや、まだ俺は冒険者だ。いずれ、この猫をつれて冒険に行くのだ」
「猫は迷惑じゃないすかね」
「うるさいぞ」
……………………………………………………
そして、翌日。
朝、起きると猫がいない。
「おい、大変だ、猫が行方不明だぞ!」
「冒険者が猫くらいで騒がないでくださいっすよ。どっかへ散歩にでも行ってるんじゃないすか。腹が減ったら戻ってきますよ」
のんびりとしている相棒。
「いや、変質者に誘拐されたかもしれない。小動物を殺して楽しむ不届きものって案外よくいるからなあ」
「でも、あの猫はまだ小さいから遠出はしないんじゃないすかね」
しかし、俺は心配で落ち着かない。
「スライム退治の仕事、どうするんすか」
「うーん、気になって仕事にならないな」
「猫も少し待っていれば戻ってくるんじゃないすかね、おっと」
相棒が屋根裏の窓を開ける。
「ああ、宿屋の屋根の上に猫がいますよ。でも、おかしいなあ」
「何、どうしたんだ」
「見て下さいよ。屋根に登ったけど、降りられないんじゃないすかね。ただ、鳴いているだけですね」
俺も窓から顔を出す。
おお、我が猫が屋根の上でニャーニャー鳴いているぞ。
「よし、猫救出作戦だ」
「作戦って、屋根に登るだけでしょ。大げさっすね」
「うるさいぞ。すばやく行動するのが冒険者だ、即断、即決、即行動だ!」
「やる気出してますねえ。スライム退治でも、もっとやる気出してほしいっすね」
「スライム退治なんぞ、どうでもいい。猫の方が大事だ」
俺は窓から出て、屋根を登っていく。
「大丈夫すか、リーダー。この宿屋の屋根は急こう配っすよ」
「わかってるぞ。しかし、猫のためなら危険もかえりみない、それが冒険者だ」
「何をおおげさなことを言ってんすかね」
少し呆れたような相棒。
しかし、今や、俺のいきがいは猫の世話になっているようにも感じるなあ。
「おい、猫よ、そのまま、そこにいろ。今、俺が助けてやる」
ニャーニャー鳴いている猫。
俺は猫に手を伸ばす。
もう少しだ、待ってろ、猫よ。
と思ったら、足を滑らせる。
「ウワー!」
「大丈夫すかー! リーダー!」
俺は地面に腰から落ちて気絶した。
……………………………………………………
「大丈夫すかね」
「うーん、一応、大丈夫だ。強打したが、骨には異常はないようだ」
屋根から転落した後、俺は村の診療所に連れてかれた。
診療所のベッドで寝ている。
「ところで、猫はどうなったんだ」
「リーダーが落ちるのに巻き込まれて、一緒に落ちましたよ。でも、体を一回転させて、華麗に地面に着地しましたっすよ。ピンピンしてますよ」
「そうか、それはよかった」
「情けなく屋根から落ちた不様なハゲデブブサイクのリーダーより猫の方がしっかりしてますね。猫に冒険の仕方を習ったらどうですか」
「うるさいぞ」
まあ、俺としては猫が無事でよかったと思うわけである。
全然、冒険してないけど。
普段はスライム退治専門のしょぼいパーティーだ。
今は宿屋の屋根裏に猫と一緒に住んでいる。
「おー、よしよし」
「ニャー」
俺は猫を抱き上げてかわいがる。
ニャーニャーと鳴く猫。
「いやあ、猫はかわいいなあ、癒されるぞ。くだらんスライム退治の仕事のつまらなさも忘れてしまうぞ。それに腰の痛みも消えていく、ああ、猫を飼ってよかったぞ」
「ハゲデブブサイクでリュウマチで膝痛肘痛腰痛持ちの夜間頻尿で慢性膵炎の歯抜けのおっさんに抱かれて猫は迷惑してるんじゃないすか」
「うるさいぞ。少なくとも俺のことを嫌がってないじゃないか」
「そりゃ、エサをくれますからね。そう言えば、今日の夕食はどうすんすか」
「大丈夫だ。猫缶をいっぱい買ってあるぞ」
「へえ、こんなものを売ってるんすね。って、違いますよ、俺っちらの夕食ですよ」
「ああ、一階の食堂でパンの耳でも貰ってきてくれ」
「何すか、それ。猫の方がよっぽどいいもの食べてるじゃないすか」
「いいんだよ、まだ子猫だろ。栄養が必要だ」
「しょうがないすねえ、でも、すっかり猫好き爺さんすね。もう、冒険者物語と言うよりは、猫好き爺さん日記って人生すね。そんなの、誰も興味を持ちませんよ」
「うるさいぞ。とにかく、かわいいものはかわいいのだ。さっさとパンの耳を貰ってきてくれよ」
「うぃっす」
猫缶を開けると、バクバクと猫が喉を鳴らして食べてる。
俺の方はパンの耳だ。
すると、猫が声を出した。
「ウマイ、ウマイ」
びっくりする俺。
「おい、今、猫がうまいうまいと言ったぞ」
「違いますよ。そう聞こえただけっすよ。猫はもっとエサをくれって鳴いているだけっすよ」
「いや、うまいと言ったんだ。この猫は人間の言葉を喋るのではないか」
「ありえませんって。魔法使いの使い魔じゃあるまいし」
「おお、まさかこの猫はどこかの魔法使いの使い魔ではないか。そして、その魔法使いは、今、ドラゴン退治に出かける旅の途中なのだ。この猫を通じて、俺たちもドラゴン退治に参加するのだ」
「また、くだらない妄想してますね。ただの猫っすよ」
まあ、そうだろうな。
しかし、かわいいには違いない。
そして、俺の顔を見て、ニャーと鳴く猫。
俺は思わず笑顔になる。
「猫を見てニヤニヤ笑ってる引退した爺さんって感じっすね、リーダーは」
「いや、まだ俺は冒険者だ。いずれ、この猫をつれて冒険に行くのだ」
「猫は迷惑じゃないすかね」
「うるさいぞ」
……………………………………………………
そして、翌日。
朝、起きると猫がいない。
「おい、大変だ、猫が行方不明だぞ!」
「冒険者が猫くらいで騒がないでくださいっすよ。どっかへ散歩にでも行ってるんじゃないすか。腹が減ったら戻ってきますよ」
のんびりとしている相棒。
「いや、変質者に誘拐されたかもしれない。小動物を殺して楽しむ不届きものって案外よくいるからなあ」
「でも、あの猫はまだ小さいから遠出はしないんじゃないすかね」
しかし、俺は心配で落ち着かない。
「スライム退治の仕事、どうするんすか」
「うーん、気になって仕事にならないな」
「猫も少し待っていれば戻ってくるんじゃないすかね、おっと」
相棒が屋根裏の窓を開ける。
「ああ、宿屋の屋根の上に猫がいますよ。でも、おかしいなあ」
「何、どうしたんだ」
「見て下さいよ。屋根に登ったけど、降りられないんじゃないすかね。ただ、鳴いているだけですね」
俺も窓から顔を出す。
おお、我が猫が屋根の上でニャーニャー鳴いているぞ。
「よし、猫救出作戦だ」
「作戦って、屋根に登るだけでしょ。大げさっすね」
「うるさいぞ。すばやく行動するのが冒険者だ、即断、即決、即行動だ!」
「やる気出してますねえ。スライム退治でも、もっとやる気出してほしいっすね」
「スライム退治なんぞ、どうでもいい。猫の方が大事だ」
俺は窓から出て、屋根を登っていく。
「大丈夫すか、リーダー。この宿屋の屋根は急こう配っすよ」
「わかってるぞ。しかし、猫のためなら危険もかえりみない、それが冒険者だ」
「何をおおげさなことを言ってんすかね」
少し呆れたような相棒。
しかし、今や、俺のいきがいは猫の世話になっているようにも感じるなあ。
「おい、猫よ、そのまま、そこにいろ。今、俺が助けてやる」
ニャーニャー鳴いている猫。
俺は猫に手を伸ばす。
もう少しだ、待ってろ、猫よ。
と思ったら、足を滑らせる。
「ウワー!」
「大丈夫すかー! リーダー!」
俺は地面に腰から落ちて気絶した。
……………………………………………………
「大丈夫すかね」
「うーん、一応、大丈夫だ。強打したが、骨には異常はないようだ」
屋根から転落した後、俺は村の診療所に連れてかれた。
診療所のベッドで寝ている。
「ところで、猫はどうなったんだ」
「リーダーが落ちるのに巻き込まれて、一緒に落ちましたよ。でも、体を一回転させて、華麗に地面に着地しましたっすよ。ピンピンしてますよ」
「そうか、それはよかった」
「情けなく屋根から落ちた不様なハゲデブブサイクのリーダーより猫の方がしっかりしてますね。猫に冒険の仕方を習ったらどうですか」
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