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第118話:猫缶を買わなくてはいかん、俺はやる気を出しているぞ、目的は猫のエサ代すか、ドラゴン退治から、えらくせせこましくなりましたっすね
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「ニャー、ニャー」
「ニャー、ニャー」
「ニャー、ニャー、ニャー」
「ニャー、ニャー、ニャー」
猫を抱き上げて可愛がる俺。
相棒が渋い顔をしている。
「ちょっと、リーダー、また猫と遊んでいるんすか」
「おう、もうかわいくてしかたがないぞ、おー、よしよし」
俺と相棒、二人組の冒険者パーティー。
普段はスライム退治専門のしょぼいパーティーだ。
今は宿屋の屋根裏に猫と一緒に住んでいる。
「で、屋根から落ちて打った腰の具合はどうなんすかね」
「ううむ、まだ調子が悪いな」
「リーダーも、屋根から落ちた時に華麗に一回転して着地したその子猫に冒険者としての心構えを教えてもらったほうがいいんじゃないすかね」
「うるさいぞ」
「じゃあ、今日は一日休んでくれますかね、腰を治すために。俺っちはスライム退治に行ってきますよ」
「おう、すまんな」
俺は日がな一日、屋根裏で猫と遊んで過ごす。
窓を開けると涼しい風が入ってくる。
今日は夏も終わり、気温もちょうどいいくらいだ。
猫じゃらしを使って、猫と遊ぶ。
猫が飛び跳ねて、猫じゃらしと遊んでいるのを見ると、心が落ち着いてくるなあ。
いやあ、すっかりいい気分だな。
すると、猫が鳴く。
「ニャー、ニャー」
お、これはエサがほしいんだな。
俺は猫缶を出してやる。
中身をバクバク食べて、その後、眠くなったのか昼寝をする猫。
その昼寝をする姿もかわいいんだな。
俺の方は食堂から貰って来たパンの耳を食べる。
しょぼい食事だな。
しかし、猫を見ていると、やはりリラックスしてくる。
気分がいいぞ、猫癒し効果だな。
このまま猫と一緒にだらだらと暮らしたいものだ。
なんてことを考えてる俺はもう人生を引退してしまったのか。
傍から見るとすっかり社会的な生活を終えた老人だな。
それはまずいな。
それに、猫缶を買う金を稼がねばならんからなあ。
さて、腰の痛みも和らいできた。
明日から仕事に行くか。
でも、今日は一日ゆっくりとしているぞ。
ああ、眠くなった。
俺も昼寝だ。
そのまま、屋根裏に寝っ転がって寝る。
……………………………………………………
気が付くとだいぶ時間が立っている。
お、猫はどこだ。
おお、すぐ近くにいる。
俺は猫に声をかける。
「ニャー」
しかし、猫は俺の声掛けに反応しない。
おかしいなあ、いつもはすぐに「ニャー」と返事をしてくれるのに。
おっと、なんだか一点を見ているぞ、何を見ているんだ。
しかし、猫が見ている先には何もいないぞ。
「おい、猫よ、何を見ているのだ」
しかし、猫はまた何の反応も無い。
ただ、じっと一点を見ている。
まさか、魔物か。
人間の目では見えない魔物かモンスターがこの屋根裏に潜んでいるのではないか。
俺は急に緊張してきた。
剣の柄を掴む。
いつモンスターが襲ってくるかもしれない。
猫の視線の先を見る。
何もいない。
いや、人間の目では見えないモンスターではないか。
じりじりとしてくるぞ。
額に汗が浮かぶ。
よし、俺は目を瞑る。
ここは冒険者としての勘を働かせるしかない。
心眼戦法だ。
以前、目を瞑ったまま、木に化けるモンスターのトレントを倒したことがある。
お、何やら気配がしてきたぞ。
俺はそっと猫を見る。
猫がまた別の方向を見た。
屋根裏の出入口。
まさか、モンスターが近づいてきたのでは。
俺はまた目を瞑る。
お、何かやって来るぞ。
ガサガサと音がする。
シーフの相棒はこんな音は出さない。
すると、出入口の蓋が開いた音がする。
「モンスター、覚悟!」
俺は剣を振る。
「うわあ!」
あれ、相棒の声だ。
目を開けると、植物がちらばってる。
「おいおい、どうしたんだよ」
「どうしたもないすよ。何、屋根裏で剣を振ってるんすか、危ないっすよ」
「いや、今、モンスターと戦っていたのだ」
「何のモンスターですか」
俺は猫が一点をじっと見ていたのを相棒に話す。
「何すか、それ。アホらしいっすね。多分、空中に浮かんでたホコリを見てただけっすよ。人間が気付かないそういう微細な動きに猫は反応するんですよ」
「そうなのか。それにしてはじっと見ていたんだがなあ、まるで魔物か幽霊が居るような感じがしたぞ」
「もう、すっかり呆け老人すね、リーダーは。呆けて、猫と暮らすのもいいすけど、剣を振り回すのはやめてほしいっすね」
「面目ない。ところで、この植物はなんだ」
「山菜っすよ。スライム退治の仕事は取れなかったんす。だから、袋一杯に取ってきたんすけど、リーダーが剣を振るから袋がちぎれちゃいましたよ」
うむ、だからガサガサと音がしたのか。
「しかし、スライム退治の仕事が取れなかったということは、報酬は無しか」
「そうすね。まあ、当分、この山菜で食いつなげますけど」
「いや、猫缶を買わなくてはいかん。明日から、俺も冒険に行くぞ。しっかりと稼がねばいかん。俺はやる気を出しているぞ」
「まあ、やる気を出すのはいいですけど、目的は猫のエサ代すか。ドラゴン退治と美少女姫救出から、えらく目的がせせこましくなりましたっすね」
「うるさいぞ。まだ、ドラゴン退治もあきらめてないぞ」
とは言え、やはり猫の方が心配になる俺はすっかり老人だなあとも思ってしまう。
これではいかんなあ。
「ニャー、ニャー」
「ニャー、ニャー、ニャー」
「ニャー、ニャー、ニャー」
猫を抱き上げて可愛がる俺。
相棒が渋い顔をしている。
「ちょっと、リーダー、また猫と遊んでいるんすか」
「おう、もうかわいくてしかたがないぞ、おー、よしよし」
俺と相棒、二人組の冒険者パーティー。
普段はスライム退治専門のしょぼいパーティーだ。
今は宿屋の屋根裏に猫と一緒に住んでいる。
「で、屋根から落ちて打った腰の具合はどうなんすかね」
「ううむ、まだ調子が悪いな」
「リーダーも、屋根から落ちた時に華麗に一回転して着地したその子猫に冒険者としての心構えを教えてもらったほうがいいんじゃないすかね」
「うるさいぞ」
「じゃあ、今日は一日休んでくれますかね、腰を治すために。俺っちはスライム退治に行ってきますよ」
「おう、すまんな」
俺は日がな一日、屋根裏で猫と遊んで過ごす。
窓を開けると涼しい風が入ってくる。
今日は夏も終わり、気温もちょうどいいくらいだ。
猫じゃらしを使って、猫と遊ぶ。
猫が飛び跳ねて、猫じゃらしと遊んでいるのを見ると、心が落ち着いてくるなあ。
いやあ、すっかりいい気分だな。
すると、猫が鳴く。
「ニャー、ニャー」
お、これはエサがほしいんだな。
俺は猫缶を出してやる。
中身をバクバク食べて、その後、眠くなったのか昼寝をする猫。
その昼寝をする姿もかわいいんだな。
俺の方は食堂から貰って来たパンの耳を食べる。
しょぼい食事だな。
しかし、猫を見ていると、やはりリラックスしてくる。
気分がいいぞ、猫癒し効果だな。
このまま猫と一緒にだらだらと暮らしたいものだ。
なんてことを考えてる俺はもう人生を引退してしまったのか。
傍から見るとすっかり社会的な生活を終えた老人だな。
それはまずいな。
それに、猫缶を買う金を稼がねばならんからなあ。
さて、腰の痛みも和らいできた。
明日から仕事に行くか。
でも、今日は一日ゆっくりとしているぞ。
ああ、眠くなった。
俺も昼寝だ。
そのまま、屋根裏に寝っ転がって寝る。
……………………………………………………
気が付くとだいぶ時間が立っている。
お、猫はどこだ。
おお、すぐ近くにいる。
俺は猫に声をかける。
「ニャー」
しかし、猫は俺の声掛けに反応しない。
おかしいなあ、いつもはすぐに「ニャー」と返事をしてくれるのに。
おっと、なんだか一点を見ているぞ、何を見ているんだ。
しかし、猫が見ている先には何もいないぞ。
「おい、猫よ、何を見ているのだ」
しかし、猫はまた何の反応も無い。
ただ、じっと一点を見ている。
まさか、魔物か。
人間の目では見えない魔物かモンスターがこの屋根裏に潜んでいるのではないか。
俺は急に緊張してきた。
剣の柄を掴む。
いつモンスターが襲ってくるかもしれない。
猫の視線の先を見る。
何もいない。
いや、人間の目では見えないモンスターではないか。
じりじりとしてくるぞ。
額に汗が浮かぶ。
よし、俺は目を瞑る。
ここは冒険者としての勘を働かせるしかない。
心眼戦法だ。
以前、目を瞑ったまま、木に化けるモンスターのトレントを倒したことがある。
お、何やら気配がしてきたぞ。
俺はそっと猫を見る。
猫がまた別の方向を見た。
屋根裏の出入口。
まさか、モンスターが近づいてきたのでは。
俺はまた目を瞑る。
お、何かやって来るぞ。
ガサガサと音がする。
シーフの相棒はこんな音は出さない。
すると、出入口の蓋が開いた音がする。
「モンスター、覚悟!」
俺は剣を振る。
「うわあ!」
あれ、相棒の声だ。
目を開けると、植物がちらばってる。
「おいおい、どうしたんだよ」
「どうしたもないすよ。何、屋根裏で剣を振ってるんすか、危ないっすよ」
「いや、今、モンスターと戦っていたのだ」
「何のモンスターですか」
俺は猫が一点をじっと見ていたのを相棒に話す。
「何すか、それ。アホらしいっすね。多分、空中に浮かんでたホコリを見てただけっすよ。人間が気付かないそういう微細な動きに猫は反応するんですよ」
「そうなのか。それにしてはじっと見ていたんだがなあ、まるで魔物か幽霊が居るような感じがしたぞ」
「もう、すっかり呆け老人すね、リーダーは。呆けて、猫と暮らすのもいいすけど、剣を振り回すのはやめてほしいっすね」
「面目ない。ところで、この植物はなんだ」
「山菜っすよ。スライム退治の仕事は取れなかったんす。だから、袋一杯に取ってきたんすけど、リーダーが剣を振るから袋がちぎれちゃいましたよ」
うむ、だからガサガサと音がしたのか。
「しかし、スライム退治の仕事が取れなかったということは、報酬は無しか」
「そうすね。まあ、当分、この山菜で食いつなげますけど」
「いや、猫缶を買わなくてはいかん。明日から、俺も冒険に行くぞ。しっかりと稼がねばいかん。俺はやる気を出しているぞ」
「まあ、やる気を出すのはいいですけど、目的は猫のエサ代すか。ドラゴン退治と美少女姫救出から、えらく目的がせせこましくなりましたっすね」
「うるさいぞ。まだ、ドラゴン退治もあきらめてないぞ」
とは言え、やはり猫の方が心配になる俺はすっかり老人だなあとも思ってしまう。
これではいかんなあ。
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