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第125話:いやあ、なかなかぬくぬくとしていいすね、このコタツというものは、 おい、お前もすっかりだらけてるじゃないか
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俺と相棒、二人組の冒険者パーティー。
普段はスライム退治専門のしょぼいパーティーだ。
そして、今は宿屋の屋根裏に猫と住んでいる。
今日もスライム退治の仕事も取れずに、清掃。
村役場の事務所の清掃だ。
「何ともおもろーないぞ。この前はコボルトが襲撃したりと、そこそこの冒険があったけどなあ」
「何言ってんすか、そのコボルトは九十才過ぎのお婆さんが倒したじゃないすか。俺っちらは見てただけっすよ。全然冒険してないっすよ」
「そう言えば、そうだな」
さて、今回は何も起こらず。
わずかな報酬を貰って、そぼそぼと宿屋へ向かう。
「おっと食料品店で猫缶を買わなくてはいかん」
「猫缶を買うのはいいんすけど、何でいつも一番高いのを買うんすか」
「まだ、子猫だ。栄養をつけてあげなくてはいかんのだ」
「対して中身は変わりませんよ。一番安いのでいいんじゃないんすかね」
「いや、猫の人生、いや、猫生も最初が肝心なのだ」
「なるほど。最初から失敗ばかりのハゲデブブサイクのリーダーの言葉は重みがありますね」
「うるさいぞ」
さて、猫缶を買って、宿屋の屋根裏に戻る。
猫缶を猫にやる。
美味しそうに食べている猫。
「いやあ、猫はかわいいなあ。仕事の疲れも癒されるぞ」
「まあ、かわいいっすけどねえ。でも、冬に備えての貯金はどうなってんすか」
「それが、いまいち貯まってないんだよなあ」
「それなのに最高級の猫缶を買って、どうしようもないすねえ、ハゲデブブサイクのリーダーは」
「うるさいぞ。でも、困ったな。最近、夜はだいぶ寒くなってきたなあ、この屋根裏はすきま風も多いし」
「昼間は陽が当たって、わりと暖かいんすけどねえ」
「うむ、ちょっくら、宿屋の主人に頼んで、もう少し毛布を借りてくるか」
俺は下の階に降りて、毛布を借りてくる。
「地下室に置いてあった毛布だ。もうだいぶ古くて廃棄予定だったらしいがこの毛布でも寒さはしのげるぞ」
「何かダニやシラミがいっぱいって感じの毛布っすね。ちょっくら屋根の上で日干ししてきますよ」
相棒が窓から出て、毛布を持って行った。
おっと、しまった。
猫用の毛布がないじゃないか。
俺は宿屋を出て雑貨店に行く。
猫用の高級毛布を買って来る。
「おーよしよし、これで寒くはないぞ」
猫ハウスで毛布にもぐってご満悦の猫の頭をなでる俺。
屋根の上から戻ってきた、相棒に文句を言われた。
「リーダー、何で猫は高級品で俺っちらはゴミも同然の毛布なんすか」
「いいんだよ。今や、猫は俺の生き甲斐なのだ」
「しょうもないすねえ。猫好き爺さん日記なんて誰も興味持ちませんよ。面白くもなんともないすよ。まだドラゴン退治の妄想してたころの方がマシっすよ。このまま屋根裏で凍え死んでリーダーのしょぼくれた人生物語は最終回じゃないすか」
「うるさいぞ。でも、まだドラゴン退治は諦めていない。しかし、とりあえず、今は猫だ。この猫が成長するまでは、猫中心の生活だな」
すっかり、あきれ顔の相棒。
「まあ、今は子猫なんでかわいいけど、猫はすぐに大きくなって、ハゲデブブサイクのリーダーはすっかり傲慢になった猫のしもべになりさがるんじゃないすかね」
「うるさいぞ。だいたい、猫好きの人間なんて、みんな猫の下僕みたいなもんだ。何もしない猫のために働いてエサをあげてるじゃないか」
「この前、リーダーが取り逃がしたゴキブリを退治しましたけどね、その猫は。ハゲデブブサイクのすっかりだらけたリーダーより冴えた俊敏な動きをしてましたけど」
「うるさいぞ。猫は俊敏な生き物だ」
でも、ホント猫ばっかり気にするようになってしまったなあ。
猫爺さんだな。
……………………………………………………
さて、次の日。
今日の仕事は、引っ越し作業の手伝い。
村の近くの山に別荘があるのだが、そこの住民が引っ越すことになったのだ。
それの手伝いだ。
「でも、なんで冒険者が引っ越し作業の手伝いをしなくてはならないんだ。そんなもの全部引っ越し業者に頼めばいいじゃないか」
「例のコボルトっすよ。ここら辺をウロウロとしているって噂っすね」
「また、あいつらか。しつこいな」
「でも、噂だけで、もう出ないんじゃないすかね。我々は一応、警備員の役目も兼ねてるみたいっすけど」
やれやれ。引っ越し作業に警備の仕事か。
全然、冒険してない。
「コボルトの連中が大挙押し寄せてくれば面白いんだがなあ」
「今や冒険者から猫爺さんになったリーダーなんて、コボルトたちにこん棒でボコボコにされてあの世逝きじゃないすかね」
「うるさいぞ」
さて、大型馬車にどんどん荷物を詰め込んでいく。
いらないものは一か所に置いて、後で廃棄業者が持って行くらしい。
その廃棄する予定のガラクタの中に妙に低い机があった。
別荘の住民に聞いてみた。
「これやけに脚の低い机ですね」
「ああ、これはコタツですね」
「何ですか、それは」
「この机に布団をかけて、中で火鉢を置いて木炭を燃やして温まるんですよ」
おお、こんな暖房器具があったのか。
これは使えるのではないか。
「捨てるなら、いただけないでしょうかねえ」
「いらないものなんで、自由に持って行ってください」
そんなわけで、コタツなるものを屋根裏部屋に相棒と持って行く。
屋根裏の隅っこに置いた。
「こんなんで暖かくなるんすかね」
「いや、けっこう温かいらしいぞ」
俺は火鉢をコタツの中に置く。コタツに毛布をかけ、その上に板を置く。
コタツに脚を入れてみる。おお、なかなか温かいぞ。
「おい、これで冬はこのコタツで過ごせば、宿泊代が節約できるぞ。木炭代だけで済む」
「どれどれ、ああ、なかなか温かいっすね」
相棒もコタツの中に入ってくる。
「でも、これ、木炭を燃やし続けたら酸欠になりませんすか」
「広々とした、すきま風だらけのこの屋根裏部屋なら大丈夫じゃないか。あれ、お前、どこに行った」
相棒が消えた。
と思ったら、コタツから顔だけ出して、首から下は中に入れてやがる。
「いやあ、なかなかぬくぬくとしていいすね、このコタツというものは」
「おい、お前もすっかりだらけてるじゃないか」
「猫爺さんには言われたくないすね。おや、猫も入ってきましたよ」
「猫は寒がりだからなあ」
そんなわけで、俺もコタツに首だけ出して入る。
猫も同様だ。
二人と一匹でコタツで温まる。
いやあ、快適じゃないか。
しかし、冒険者がコタツでぬくぬくとしているのを誰が面白がるのだろうと、俺でも思ってしまった。
猫好きの人は面白がるのだろうか。
普段はスライム退治専門のしょぼいパーティーだ。
そして、今は宿屋の屋根裏に猫と住んでいる。
今日もスライム退治の仕事も取れずに、清掃。
村役場の事務所の清掃だ。
「何ともおもろーないぞ。この前はコボルトが襲撃したりと、そこそこの冒険があったけどなあ」
「何言ってんすか、そのコボルトは九十才過ぎのお婆さんが倒したじゃないすか。俺っちらは見てただけっすよ。全然冒険してないっすよ」
「そう言えば、そうだな」
さて、今回は何も起こらず。
わずかな報酬を貰って、そぼそぼと宿屋へ向かう。
「おっと食料品店で猫缶を買わなくてはいかん」
「猫缶を買うのはいいんすけど、何でいつも一番高いのを買うんすか」
「まだ、子猫だ。栄養をつけてあげなくてはいかんのだ」
「対して中身は変わりませんよ。一番安いのでいいんじゃないんすかね」
「いや、猫の人生、いや、猫生も最初が肝心なのだ」
「なるほど。最初から失敗ばかりのハゲデブブサイクのリーダーの言葉は重みがありますね」
「うるさいぞ」
さて、猫缶を買って、宿屋の屋根裏に戻る。
猫缶を猫にやる。
美味しそうに食べている猫。
「いやあ、猫はかわいいなあ。仕事の疲れも癒されるぞ」
「まあ、かわいいっすけどねえ。でも、冬に備えての貯金はどうなってんすか」
「それが、いまいち貯まってないんだよなあ」
「それなのに最高級の猫缶を買って、どうしようもないすねえ、ハゲデブブサイクのリーダーは」
「うるさいぞ。でも、困ったな。最近、夜はだいぶ寒くなってきたなあ、この屋根裏はすきま風も多いし」
「昼間は陽が当たって、わりと暖かいんすけどねえ」
「うむ、ちょっくら、宿屋の主人に頼んで、もう少し毛布を借りてくるか」
俺は下の階に降りて、毛布を借りてくる。
「地下室に置いてあった毛布だ。もうだいぶ古くて廃棄予定だったらしいがこの毛布でも寒さはしのげるぞ」
「何かダニやシラミがいっぱいって感じの毛布っすね。ちょっくら屋根の上で日干ししてきますよ」
相棒が窓から出て、毛布を持って行った。
おっと、しまった。
猫用の毛布がないじゃないか。
俺は宿屋を出て雑貨店に行く。
猫用の高級毛布を買って来る。
「おーよしよし、これで寒くはないぞ」
猫ハウスで毛布にもぐってご満悦の猫の頭をなでる俺。
屋根の上から戻ってきた、相棒に文句を言われた。
「リーダー、何で猫は高級品で俺っちらはゴミも同然の毛布なんすか」
「いいんだよ。今や、猫は俺の生き甲斐なのだ」
「しょうもないすねえ。猫好き爺さん日記なんて誰も興味持ちませんよ。面白くもなんともないすよ。まだドラゴン退治の妄想してたころの方がマシっすよ。このまま屋根裏で凍え死んでリーダーのしょぼくれた人生物語は最終回じゃないすか」
「うるさいぞ。でも、まだドラゴン退治は諦めていない。しかし、とりあえず、今は猫だ。この猫が成長するまでは、猫中心の生活だな」
すっかり、あきれ顔の相棒。
「まあ、今は子猫なんでかわいいけど、猫はすぐに大きくなって、ハゲデブブサイクのリーダーはすっかり傲慢になった猫のしもべになりさがるんじゃないすかね」
「うるさいぞ。だいたい、猫好きの人間なんて、みんな猫の下僕みたいなもんだ。何もしない猫のために働いてエサをあげてるじゃないか」
「この前、リーダーが取り逃がしたゴキブリを退治しましたけどね、その猫は。ハゲデブブサイクのすっかりだらけたリーダーより冴えた俊敏な動きをしてましたけど」
「うるさいぞ。猫は俊敏な生き物だ」
でも、ホント猫ばっかり気にするようになってしまったなあ。
猫爺さんだな。
……………………………………………………
さて、次の日。
今日の仕事は、引っ越し作業の手伝い。
村の近くの山に別荘があるのだが、そこの住民が引っ越すことになったのだ。
それの手伝いだ。
「でも、なんで冒険者が引っ越し作業の手伝いをしなくてはならないんだ。そんなもの全部引っ越し業者に頼めばいいじゃないか」
「例のコボルトっすよ。ここら辺をウロウロとしているって噂っすね」
「また、あいつらか。しつこいな」
「でも、噂だけで、もう出ないんじゃないすかね。我々は一応、警備員の役目も兼ねてるみたいっすけど」
やれやれ。引っ越し作業に警備の仕事か。
全然、冒険してない。
「コボルトの連中が大挙押し寄せてくれば面白いんだがなあ」
「今や冒険者から猫爺さんになったリーダーなんて、コボルトたちにこん棒でボコボコにされてあの世逝きじゃないすかね」
「うるさいぞ」
さて、大型馬車にどんどん荷物を詰め込んでいく。
いらないものは一か所に置いて、後で廃棄業者が持って行くらしい。
その廃棄する予定のガラクタの中に妙に低い机があった。
別荘の住民に聞いてみた。
「これやけに脚の低い机ですね」
「ああ、これはコタツですね」
「何ですか、それは」
「この机に布団をかけて、中で火鉢を置いて木炭を燃やして温まるんですよ」
おお、こんな暖房器具があったのか。
これは使えるのではないか。
「捨てるなら、いただけないでしょうかねえ」
「いらないものなんで、自由に持って行ってください」
そんなわけで、コタツなるものを屋根裏部屋に相棒と持って行く。
屋根裏の隅っこに置いた。
「こんなんで暖かくなるんすかね」
「いや、けっこう温かいらしいぞ」
俺は火鉢をコタツの中に置く。コタツに毛布をかけ、その上に板を置く。
コタツに脚を入れてみる。おお、なかなか温かいぞ。
「おい、これで冬はこのコタツで過ごせば、宿泊代が節約できるぞ。木炭代だけで済む」
「どれどれ、ああ、なかなか温かいっすね」
相棒もコタツの中に入ってくる。
「でも、これ、木炭を燃やし続けたら酸欠になりませんすか」
「広々とした、すきま風だらけのこの屋根裏部屋なら大丈夫じゃないか。あれ、お前、どこに行った」
相棒が消えた。
と思ったら、コタツから顔だけ出して、首から下は中に入れてやがる。
「いやあ、なかなかぬくぬくとしていいすね、このコタツというものは」
「おい、お前もすっかりだらけてるじゃないか」
「猫爺さんには言われたくないすね。おや、猫も入ってきましたよ」
「猫は寒がりだからなあ」
そんなわけで、俺もコタツに首だけ出して入る。
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