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第130話:おい、腹がへった、飯を持ってきてくれ、スライム退治で疲れてんすよ、リーダーに頼みますよ、コタツで遊んでたんだから
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俺と相棒、二人組の冒険者パーティー。
普段はスライム退治専門のしょぼいパーティーだ。
そして、今は宿屋の屋根裏に猫と住んでいる。
俺は隙間風を防ぐために二重の衝立で取り囲んであるコタツ砦で本を読んでいる。切れ痔を治すためにコタツで体を温めているのだが、ヒマなんで読書だ。
「面白くないぞ」
「何がすか」
「この本だよ。受付で主人が本棚を整理していて、何冊かを廃棄するからって言うから貰ってきたんだけど、内容はポルノ小説だ。全く、下らん。おまけに作者も同じ、内容も全部似たようなものだ」
「ポルノ小説なんてそんなもんじゃないすかね。しかも同じ作家なんでしょ。でも、この宿屋の真面目な主人もポルノ小説を購入したりするんすね」
「いや、まとめ買いをしたら、まざっていたようだな。それにしても、時間の無駄だったな」
「時間の無駄ばっかりしてるじゃないすか、リーダーの人生は。ずっとコタツに入っているだけ」
「うるさいぞ。お前も、今朝、スライム退治に行ったようだが、すぐに帰ってきたじゃないか。成果がたった二匹とは情けないぞ」
「コタツでぬくぬくとしながらポルノ小説を読んでるリュウマチ持ちのヒヒジジイには言われたくないっすよ」
「うるさいぞ。ちっとも面白くないぞ、こんな小説は。それに、お前も頭しかコタツから出してないだらしがない格好で寝ているじゃないか」
「このコタツって、一旦、入るとなかなか出られないっす。さすが職業『悪の魔法使い』が作ったもんすねえ」
「なにを下らないことを言ってるんだ」
「でも、リーダーはどんな小説を読みたいんすかね」
「もちろん、ドラゴン退治に美少女姫だ。悪の魔法使いに操られたドラゴンを退治した後、姫を救出、しかし、ラストの悪の魔法使いとの戦いで何とか勝利するものの、瀕死の重傷、そして、姫の膝枕の上で死んでいくのだ」
「また、しょうもないことを考えてますねえ。同じ妄想ばっかりじゃないすか。ポルノ小説と同じっすね。リーダーの頭の中身は」
「うるさいぞ」
しかし、現実にはコタツで切れ痔を癒す冒険者。やれやれ。情けないものだ。俺は箱ごと貰った本の中身を探ってみる。
「何をしてんすか」
「いや、こういう雑多な本の中に、なぜか表紙が真っ白の本があって、それに宝物の地図が載っていて、それから大冒険が始まるのだ」
「また下らない妄想をしてますね。切れ痔で困っている爺さんには大冒険は似合わないっすよ」
「うるさいぞ。しかし、そういう変な本はないな。残念だ」
確かに切れ痔の冒険者の話なんて誰が聞きたがるものかと思ってしまう。
「おい、腹がへった。飯を持ってきてくれ」
「スライム退治で疲れてんすよ、リーダーに頼みますよ。コタツで遊んでたんだから」
「遊んではいない。切れ痔の治療だ」
「とにかく、コタツ魔法にかかって、俺っちは外には出れないっす」
「しょうがないなあ。じゃあ、俺が食堂へ行って、山菜を茹でてくるか」
俺はコタツから出ようとする。
「ウォ!」
「どうしたんすか」
「いや、背中と首に痛みが走ったぞ」
「眼精疲労じゃないすか。コタツで背中を曲げて読書してるからっすよ。姿勢が悪いっすよ」
「ううむ、そうかもしれん」
「あれ、白目が真っ赤っすね、リーダー」
「なんだと」
俺は手鏡を見る。うーん、白目に出血しているなあ。
「でも、これってたまにある現象だなあ。放っておけば治るぞ」
「でも、何か怖い顔っすね。もともと醜い顔が、極悪な魔王みたいになりましたっすね、リーダー」
「うるさいぞ。もともと醜いとはなんだよ、事実だけど。とにかく食堂へ行ってくる」
俺は杖代わりに剣を持つ。しかし、よろけて転んでしまう。
「ウォ!」
屋根裏の床に顔面をぶつけてしまった。唇を切った。口から血が流れている。おまけに剣が少し抜き出て腕にもケガをしてしまった。剣も血まみれだ。
「大丈夫すか、リーダー」
「うーん、だいぶ血が出ている。でも、切れ痔の時よりは少ないな」
「包帯巻いたほうがいいんじゃないすか」
「大したことはない。ハンカチで充分だ」
「でも、立ち上がろうとしてよろけるなんて、もう本当に爺さんすね」
「うるさいぞ」
さて、屋根裏部屋から降りて、剣を杖によろよろと歩きながら一階の食堂へ行く。
すると、何やら騒ぎが起きてるぞ。
宿屋の主人が大男に平謝りしている。
「おい、スープの中に虫が入ってたぞ、慰謝料払えよ」
「大変申し訳ございません。ただ、要求された金額があまりに法外と思いますが」
「この虫のせいで病気になったら、どうすんだよ」
やれやれ。
よくある恐喝だな。
自分でこっそりと料理に虫を入れておいて、さわぐチンピラだなこいつは。
成敗してやる。
俺はドスン、ドスンと大きな足音を立てて、チンピラに近づいた。
「おい」
「なんだよ、てめえは……え、あ、すみません……」
チンピラがすごすごと食堂から逃げていく。
何だ、口ほどにもない奴だな。
宿屋の主人にお礼を言われた。
「助けくれてありがとうございます」
「いや、大したことではないですよ」
……………………………………………………
屋根裏部屋で茹でた山菜料理をコタツに入って、相棒と食べる。
猫には猫缶をあげる。
「どうだ、俺の迫力でチンピラはあっさりと退散したぞ。俺の人生はまだ終わっていない。冒険物語の主人公になれるのではないかな」
「まあ、そのハゲデブブサイクの悪人面で、目が血走っていて、口から血が滴り落ちていて、おまけに血まみれの剣を持っていたら、普通の人はビビるでしょうね。実際は切れ痔のリュウマチ持ちの腰痛膝痛肘痛に悩む眼精疲労の呆け老人に過ぎないすけどね、リーダーは」
「うるさいぞ。俺は冒険者だ。俺の冒険物語はまだ終わらないのだ」
でも、早くこの切れ痔治らないかな。
用を足す時痛くて仕方が無い。
普段はスライム退治専門のしょぼいパーティーだ。
そして、今は宿屋の屋根裏に猫と住んでいる。
俺は隙間風を防ぐために二重の衝立で取り囲んであるコタツ砦で本を読んでいる。切れ痔を治すためにコタツで体を温めているのだが、ヒマなんで読書だ。
「面白くないぞ」
「何がすか」
「この本だよ。受付で主人が本棚を整理していて、何冊かを廃棄するからって言うから貰ってきたんだけど、内容はポルノ小説だ。全く、下らん。おまけに作者も同じ、内容も全部似たようなものだ」
「ポルノ小説なんてそんなもんじゃないすかね。しかも同じ作家なんでしょ。でも、この宿屋の真面目な主人もポルノ小説を購入したりするんすね」
「いや、まとめ買いをしたら、まざっていたようだな。それにしても、時間の無駄だったな」
「時間の無駄ばっかりしてるじゃないすか、リーダーの人生は。ずっとコタツに入っているだけ」
「うるさいぞ。お前も、今朝、スライム退治に行ったようだが、すぐに帰ってきたじゃないか。成果がたった二匹とは情けないぞ」
「コタツでぬくぬくとしながらポルノ小説を読んでるリュウマチ持ちのヒヒジジイには言われたくないっすよ」
「うるさいぞ。ちっとも面白くないぞ、こんな小説は。それに、お前も頭しかコタツから出してないだらしがない格好で寝ているじゃないか」
「このコタツって、一旦、入るとなかなか出られないっす。さすが職業『悪の魔法使い』が作ったもんすねえ」
「なにを下らないことを言ってるんだ」
「でも、リーダーはどんな小説を読みたいんすかね」
「もちろん、ドラゴン退治に美少女姫だ。悪の魔法使いに操られたドラゴンを退治した後、姫を救出、しかし、ラストの悪の魔法使いとの戦いで何とか勝利するものの、瀕死の重傷、そして、姫の膝枕の上で死んでいくのだ」
「また、しょうもないことを考えてますねえ。同じ妄想ばっかりじゃないすか。ポルノ小説と同じっすね。リーダーの頭の中身は」
「うるさいぞ」
しかし、現実にはコタツで切れ痔を癒す冒険者。やれやれ。情けないものだ。俺は箱ごと貰った本の中身を探ってみる。
「何をしてんすか」
「いや、こういう雑多な本の中に、なぜか表紙が真っ白の本があって、それに宝物の地図が載っていて、それから大冒険が始まるのだ」
「また下らない妄想をしてますね。切れ痔で困っている爺さんには大冒険は似合わないっすよ」
「うるさいぞ。しかし、そういう変な本はないな。残念だ」
確かに切れ痔の冒険者の話なんて誰が聞きたがるものかと思ってしまう。
「おい、腹がへった。飯を持ってきてくれ」
「スライム退治で疲れてんすよ、リーダーに頼みますよ。コタツで遊んでたんだから」
「遊んではいない。切れ痔の治療だ」
「とにかく、コタツ魔法にかかって、俺っちは外には出れないっす」
「しょうがないなあ。じゃあ、俺が食堂へ行って、山菜を茹でてくるか」
俺はコタツから出ようとする。
「ウォ!」
「どうしたんすか」
「いや、背中と首に痛みが走ったぞ」
「眼精疲労じゃないすか。コタツで背中を曲げて読書してるからっすよ。姿勢が悪いっすよ」
「ううむ、そうかもしれん」
「あれ、白目が真っ赤っすね、リーダー」
「なんだと」
俺は手鏡を見る。うーん、白目に出血しているなあ。
「でも、これってたまにある現象だなあ。放っておけば治るぞ」
「でも、何か怖い顔っすね。もともと醜い顔が、極悪な魔王みたいになりましたっすね、リーダー」
「うるさいぞ。もともと醜いとはなんだよ、事実だけど。とにかく食堂へ行ってくる」
俺は杖代わりに剣を持つ。しかし、よろけて転んでしまう。
「ウォ!」
屋根裏の床に顔面をぶつけてしまった。唇を切った。口から血が流れている。おまけに剣が少し抜き出て腕にもケガをしてしまった。剣も血まみれだ。
「大丈夫すか、リーダー」
「うーん、だいぶ血が出ている。でも、切れ痔の時よりは少ないな」
「包帯巻いたほうがいいんじゃないすか」
「大したことはない。ハンカチで充分だ」
「でも、立ち上がろうとしてよろけるなんて、もう本当に爺さんすね」
「うるさいぞ」
さて、屋根裏部屋から降りて、剣を杖によろよろと歩きながら一階の食堂へ行く。
すると、何やら騒ぎが起きてるぞ。
宿屋の主人が大男に平謝りしている。
「おい、スープの中に虫が入ってたぞ、慰謝料払えよ」
「大変申し訳ございません。ただ、要求された金額があまりに法外と思いますが」
「この虫のせいで病気になったら、どうすんだよ」
やれやれ。
よくある恐喝だな。
自分でこっそりと料理に虫を入れておいて、さわぐチンピラだなこいつは。
成敗してやる。
俺はドスン、ドスンと大きな足音を立てて、チンピラに近づいた。
「おい」
「なんだよ、てめえは……え、あ、すみません……」
チンピラがすごすごと食堂から逃げていく。
何だ、口ほどにもない奴だな。
宿屋の主人にお礼を言われた。
「助けくれてありがとうございます」
「いや、大したことではないですよ」
……………………………………………………
屋根裏部屋で茹でた山菜料理をコタツに入って、相棒と食べる。
猫には猫缶をあげる。
「どうだ、俺の迫力でチンピラはあっさりと退散したぞ。俺の人生はまだ終わっていない。冒険物語の主人公になれるのではないかな」
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でも、早くこの切れ痔治らないかな。
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