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第132話:双頭の蛇が現れたのは大昔みたいっすね、残念だ、俺が颯爽と剣で倒してやるつもりだったのがなあ、何言ってんすか、腰痛爺さんのくせに
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今、俺はジャングルの奥地へ進んでいる。
相手は、謎のモンスター「双頭の蛇」だ。
危険な任務なので、俺のような優れた冒険者に依頼が来たのだ。
「何が優れた冒険者なんすかね。手押し車に支えられて歩いている歯抜けの爺さんなのに」
「うるさいぞ。せっかく冒険者気分を出していたのに」
俺と相棒、二人組の冒険者パーティー。
普段はスライム退治専門のしょぼいパーティーだ。
そして、今は宿屋の屋根裏に猫と住んでいる。
「だいたい、村からすぐ近くの森で、おまけに木の板で道が整備されてるじゃないすか。どこがジャングルなんすか」
「うるさいぞ。とにかくここは『双頭の蛇の森』って言われてるんだろ。危険なモンスターがいるに違いない」
「双頭の蛇が現れたのは大昔みたいっすね。すでに当時の冒険者に退治されてるみたいっす」
「そうか、残念だ。俺が颯爽と剣で倒してやるつもりだったのがなあ」
「何言ってんすか。リュウマチ持ちで夜間頻尿の腰痛爺さんのくせに」
「うるさいぞ」
「それから、ここは『サラマンダーの森』に名前が変わったっす」
「おいおい、サラマンダーって言ったら炎を吐く大トカゲのモンスターじゃないか。そんなのが出現したのか」
「するわけないっしょ。例の村のドラゴンテーマパーク関係っすよ」
「またかよ、もう飽きたぞ。そのネタは。しょうがないなあ、村役場も。焼きが回ったな。だいたいサラマンダーとこの森と何の関係があるんだよ」
「ほら、そこにいるじゃないすか」
「なんだと!」
一瞬、ビビる俺。
しかし、相棒が指さした草原に小さいトカゲがいる。
「この森、そのちっこいトカゲがいっぱい生息しているみたいっすね」
「だから、『サラマンダーの森』かよ。ふざけてんなあ、村役場の連中、本物のサラマンダーが怒って役場に乱入して来て焼き殺されても俺は知らんぞ」
「だいたい、本物のサラマンダーが現れたんなら、歯抜けの爺さんに依頼するわけないっしょ。しかも、今回の任務は清掃っすよ。スライム退治すらでもないっす」
「うむ、でも、生きるためには仕方がないな。これも猫に猫缶を買ってやるためだ。でも、清掃なんて業者に頼めばいいんじゃないのか」
「例のコボルトの連中っすよ。残党がまだこの辺りをウロウロしているみたいっすね。だから俺っちら冒険者に依頼がきたわけっすよ。清掃ですけど」
「あいつらもしつこいな」
そんなわけで、ゴミを拾っては布袋に入れていく。
「でも、こんな森に観光客なんて来ないんじゃないのか」
「小さい洞窟があるみたいすっね」
「洞窟だと。ダンジョンか」
「いや、小さい一本道の洞窟で、一番奥にサラマンダーの絵が置いてあるみたいっす」
「何だよ、それは。観光客が怒って、村役場に乱入しても知らんぞ」
しかし、清掃業務は遂行せねばならん。その洞窟へ行ってみる。
「本当は、例の双頭の蛇がこの洞窟に生息していたって話っすけどね」
「あれ、やばいんじゃないのか」
「大昔に退治されたから、大丈夫じゃないすかね」
「いや、その子孫がまだ生き残っているかもしれないぞ」
「そんなことあるわけないじゃないすか」
しかし、ワクワクしてくる俺。早速、洞窟に入る。
「何だ、中もちゃんと舗装されているな」
「そりゃ、観光客向けっすからね」
「こりゃ、双頭の蛇は出現しないだろうなあ」
「だから、大昔の話っすよ」
あっさりと、最終地点に着いた。
五分歩いただけのしょぼいアトラクションだな。
ゴールには下手くそなサラマンダーの絵が置いてある。
「おい、俺は予言しておくぞ。絶対、このサラマンダーの絵に落書きされるぞ、『ふざけんな、金返せ!』って」
「まあ、そんなもんすよ」
「ますます、評判が悪くなって、誰もドラゴンテーマパークに来なくなるんじゃないのか。村が破産しても知らんぞ」
「まあ、俺っちらがどう言ってもしょうがないすよ」
その時、俺は気配を感じた。
「おい、何か近づいているぞ」
「コボルトの連中すかね」
「いや、コボルトではないが、何かいる。冒険者の勘だ」
俺は剣の柄を握る。
「そこだ!」
サラマンダーの絵をどかした。
「おお、双頭の蛇ではないか」
しかし、相棒がしらけた表情で言った。
「何が双頭の蛇なんすか。二匹の蛇が岩の隙間から顔を出しているだけっすよ。それに、この蛇、アオダイショウっていうおとなしい性質の蛇っすよ」
二匹の蛇はゆっくりと俺の前を何事もなく移動していった。
「もうハゲデブブサイクのおっさん冒険者の勘もあてにならないっすね」
「うるさいぞ。でも、確かに何かの気配を感じたのだ。どうだ、まだ俺の冒険者としての勘は鈍ってないぞ」
「馬鹿馬鹿しいっすよ。もう帰りましょう」
スタスタと出口に向かう相棒。
しかし、俺は実際に感じたのだ。
大きな胴体を持つ巨大な蛇。洞窟の奥に潜んでいた。そいつは頭が二つあって、ギラギラした四つの目で俺たちをにらんでいたのを……。
って、終わりなら冒険物語として面白いのだがなあ。
実際には、そんなもの感じなかったのだ。
やれやれ。
そぼそぼと手押し車に支えられながら、相棒を追って出口を目指す俺であった。
相手は、謎のモンスター「双頭の蛇」だ。
危険な任務なので、俺のような優れた冒険者に依頼が来たのだ。
「何が優れた冒険者なんすかね。手押し車に支えられて歩いている歯抜けの爺さんなのに」
「うるさいぞ。せっかく冒険者気分を出していたのに」
俺と相棒、二人組の冒険者パーティー。
普段はスライム退治専門のしょぼいパーティーだ。
そして、今は宿屋の屋根裏に猫と住んでいる。
「だいたい、村からすぐ近くの森で、おまけに木の板で道が整備されてるじゃないすか。どこがジャングルなんすか」
「うるさいぞ。とにかくここは『双頭の蛇の森』って言われてるんだろ。危険なモンスターがいるに違いない」
「双頭の蛇が現れたのは大昔みたいっすね。すでに当時の冒険者に退治されてるみたいっす」
「そうか、残念だ。俺が颯爽と剣で倒してやるつもりだったのがなあ」
「何言ってんすか。リュウマチ持ちで夜間頻尿の腰痛爺さんのくせに」
「うるさいぞ」
「それから、ここは『サラマンダーの森』に名前が変わったっす」
「おいおい、サラマンダーって言ったら炎を吐く大トカゲのモンスターじゃないか。そんなのが出現したのか」
「するわけないっしょ。例の村のドラゴンテーマパーク関係っすよ」
「またかよ、もう飽きたぞ。そのネタは。しょうがないなあ、村役場も。焼きが回ったな。だいたいサラマンダーとこの森と何の関係があるんだよ」
「ほら、そこにいるじゃないすか」
「なんだと!」
一瞬、ビビる俺。
しかし、相棒が指さした草原に小さいトカゲがいる。
「この森、そのちっこいトカゲがいっぱい生息しているみたいっすね」
「だから、『サラマンダーの森』かよ。ふざけてんなあ、村役場の連中、本物のサラマンダーが怒って役場に乱入して来て焼き殺されても俺は知らんぞ」
「だいたい、本物のサラマンダーが現れたんなら、歯抜けの爺さんに依頼するわけないっしょ。しかも、今回の任務は清掃っすよ。スライム退治すらでもないっす」
「うむ、でも、生きるためには仕方がないな。これも猫に猫缶を買ってやるためだ。でも、清掃なんて業者に頼めばいいんじゃないのか」
「例のコボルトの連中っすよ。残党がまだこの辺りをウロウロしているみたいっすね。だから俺っちら冒険者に依頼がきたわけっすよ。清掃ですけど」
「あいつらもしつこいな」
そんなわけで、ゴミを拾っては布袋に入れていく。
「でも、こんな森に観光客なんて来ないんじゃないのか」
「小さい洞窟があるみたいすっね」
「洞窟だと。ダンジョンか」
「いや、小さい一本道の洞窟で、一番奥にサラマンダーの絵が置いてあるみたいっす」
「何だよ、それは。観光客が怒って、村役場に乱入しても知らんぞ」
しかし、清掃業務は遂行せねばならん。その洞窟へ行ってみる。
「本当は、例の双頭の蛇がこの洞窟に生息していたって話っすけどね」
「あれ、やばいんじゃないのか」
「大昔に退治されたから、大丈夫じゃないすかね」
「いや、その子孫がまだ生き残っているかもしれないぞ」
「そんなことあるわけないじゃないすか」
しかし、ワクワクしてくる俺。早速、洞窟に入る。
「何だ、中もちゃんと舗装されているな」
「そりゃ、観光客向けっすからね」
「こりゃ、双頭の蛇は出現しないだろうなあ」
「だから、大昔の話っすよ」
あっさりと、最終地点に着いた。
五分歩いただけのしょぼいアトラクションだな。
ゴールには下手くそなサラマンダーの絵が置いてある。
「おい、俺は予言しておくぞ。絶対、このサラマンダーの絵に落書きされるぞ、『ふざけんな、金返せ!』って」
「まあ、そんなもんすよ」
「ますます、評判が悪くなって、誰もドラゴンテーマパークに来なくなるんじゃないのか。村が破産しても知らんぞ」
「まあ、俺っちらがどう言ってもしょうがないすよ」
その時、俺は気配を感じた。
「おい、何か近づいているぞ」
「コボルトの連中すかね」
「いや、コボルトではないが、何かいる。冒険者の勘だ」
俺は剣の柄を握る。
「そこだ!」
サラマンダーの絵をどかした。
「おお、双頭の蛇ではないか」
しかし、相棒がしらけた表情で言った。
「何が双頭の蛇なんすか。二匹の蛇が岩の隙間から顔を出しているだけっすよ。それに、この蛇、アオダイショウっていうおとなしい性質の蛇っすよ」
二匹の蛇はゆっくりと俺の前を何事もなく移動していった。
「もうハゲデブブサイクのおっさん冒険者の勘もあてにならないっすね」
「うるさいぞ。でも、確かに何かの気配を感じたのだ。どうだ、まだ俺の冒険者としての勘は鈍ってないぞ」
「馬鹿馬鹿しいっすよ。もう帰りましょう」
スタスタと出口に向かう相棒。
しかし、俺は実際に感じたのだ。
大きな胴体を持つ巨大な蛇。洞窟の奥に潜んでいた。そいつは頭が二つあって、ギラギラした四つの目で俺たちをにらんでいたのを……。
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