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第155話:生まれた時から疫病神に憑りつかれてるリーダーは、大人しく清掃とかして余生を過ごしたらどうすかね、うるさいぞ、まだ、余生ではない
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俺と相棒、二人組の冒険者パーティー。
普段はスライム退治専門のしょぼいパーティーだ。
そして、副業で猫カフェのオーナーをしている。
宿屋を出て相棒と冒険者ギルドに向かう。
「今日も寒いなあ」
「リーダーの人生みたいっすね」
「うるさいぞ。つーか、お前も言うことがマンネリだな」
「そりゃ、リーダーの生活がマンネリだからですよ。もう冒険者と言うより清掃を主にするしょぼくれた生活をしてますからね」
「うるさいぞ。しかし、残念ながら、お前の言うとおりだな」
さて、手押し車を押しながら、冒険者ギルドに到着。
で、スライム退治を依頼される。
「やれやれ。本当にマンネリだなあ」
「そんなもんすよ。仕事っていうものは」
しかし、現場に行ってみると、海岸近くの崖の上に家がある。
一階建ての小さい一軒家、突き出た崖ぎりぎりに建っている。
風が強いな。
ちょっと冒険心をそそられるぞ。
「てっきり、いつも通りの草原か林の中かと思っていたんだが」
「ああ、ここは魔法使いの家っすね」
「何だと、悪の魔法使いか」
「何で、すぐに職業『悪の魔法使い』が出てくるんすかね。しょうがないっすねえ、妄想爺さんの歯抜けのリーダーは」
「うるさいぞ」
その家の大きさも飛び出た崖ギリギリだ。
小さい家でほぼ正方形。
しかし、木製ではなく、全体が鉄製だぞ。
「まあ、今は空き家っすね。取り壊し予定なんすけど、スライムが侵入したんで解体業者が来る前に俺っちらが呼ばれたんすね」
「しかし、悪の魔法使いの家となると、何か他に呪いとか、かけられるとかあるんじゃないのか」
「だから悪人じゃないすよ」
崖の細い道を歩いて家に近づく。
俺は正面の扉を開けて中に入った。
お、さっそくスライムが何匹か飛びかかって来た。
バシッ! バシッ! バシッ!
あっさりやっつける。
「うむ、簡単な仕事だったな」
そして、大きい窓が一つだけ、入口の反対側に付いている。
その窓を開くと、海が見える。
少し遠くに離れ小島が見えた。
「ふむ、なかなかさわやかな気分になるきれいな景色だなあ」
すると、相棒がニヤニヤ笑いで俺に言った。
「あの小島を魔法で消してみせましょうか」
「何だと。お前はいつの間に、そんな魔法を身につけたんだ」
相棒が一旦、窓を閉める。
あれ、何だかギシギシと音がするなあ、風が強いせいか。
しばらくして、相棒が窓を開いた。
その光景に俺は驚く。
「あれ、あの小島が消えている。見えるのは海だけだ。おい、どうやって消したんだ。島を消すとはすごい魔法じゃないか」
「違いますよ。手品っすよ。この家の持ち主だった人は手品師っすよ。村の人に教えてもらったんすよ。森の中にあった家のスライム退治をまかされたことがあるじゃないすか。歯抜けのリーダーが不様に階段から滑り落ちた時っすけど」
「うるさいぞ。不様は余計だ」
「思いっきり不様でしたっすけどね。で、その家に住んでいた、もう亡くなった手品師の別宅すね」
「でも、手品としてもどうやって消したんだよ」
「簡単すね」
相棒がなにやらまた床を足で押した。
「床にスイッチがあるんすよ」
今度は窓が開いたままだ。
「おお、窓から見える風景が移動していくではないか」
「要するに、この家全体が動くんすよ」
元に戻ると、さっきの離れ小島が見える。
「ふーむ、観客はまさか家ごと動いているとは想像してないってわけか。でも、けっこうガタガタと音がするし、気付く人もいたんじゃないのか」
「まあ、移動している間は、他の手品をしたり、わざとさくらの弟子に騒がせて、お客さんの注意をそらしたりしたみたいっすね。じゃあ、仕事も終わったんで帰りましょうか」
相棒がさっさと入口から外に出ようとする。
「いや、ちょっと俺にもやらせてくれよ」
「でも、この建物自体が古いから、あんまり動かすのはまずいっすよ」
「いいじゃねーかよ。お前も、今、動かしたじゃないか」
「リーダーの人生は不幸の連続なんだから、どうせろくなことにはならないっすよ」
「うるさいぞ。たまにはいい事もあったぞ」
俺は床を押してみる。
おお、動きだした。
「しかし、この仕掛けはけっこうお金がかかったんじゃないのか」
「まあ、人を驚かすのが楽しかったんじゃないすかね。手品師ですからね」
ギシギシと音を立てながら、家がまた回転していく。
「うむ、動く家というのもなかなか面白いぞ」
「子供すかね、リーダーは。早く元に戻してくれないすかね。崖にギリギリに立っているんすから、元に戻さないとこの家から出られないすよ」
「わかってるって」
俺は床を踏んだ。
すると、もっと回転が速くなる。
「おいおい、どうなってんだ。ぐるぐると回り始めたぞ」
「ちょっと、逆のスイッチを押さなきゃいけないのに、同じスイッチを押しちゃいかんすよ」
相棒が慌ててるが、さらに家の回転が速くなった。
俺も相棒も床にスっ転んでしまう。
「おい、すごい速さで回ってるぞ、ああ、めまいがしてきた」
「ちょっと、リーダー、スイッチで止めてくださいっすよ」
しかし、回転が速くて壁にへばりついているかしない。
相棒が何とか這いずって床のスイッチを押した。
「ウワー!」
急に家の回転が止まったからか、俺と相棒は窓から外に放り出された。
ちょうど入る時の細い崖の道にゴロゴロと転がる俺と相棒。
「いやあ、びっくりした」
「びっくりどころじゃないすよ。もしかした、崖から海へ落ちて死んでたかもしれないじゃないすか。もう、生まれた時から疫病神に憑りつかれてるリーダーは、大人しく清掃とかして余生を過ごしたらどうすかね」
「うるさいぞ。まだ、余生ではない。しかし、今回はマンネリじゃなくて結構な冒険だったんじゃないか」
「どこが冒険なんすかね。歯抜けの呆けた爺さんリーダーが機械操作を誤っただけじゃないすか」
「うーん、面目ない」
しかし、いつものマンネリのスライム退治よりは冒険気分になったなあと思う俺であった。
普段はスライム退治専門のしょぼいパーティーだ。
そして、副業で猫カフェのオーナーをしている。
宿屋を出て相棒と冒険者ギルドに向かう。
「今日も寒いなあ」
「リーダーの人生みたいっすね」
「うるさいぞ。つーか、お前も言うことがマンネリだな」
「そりゃ、リーダーの生活がマンネリだからですよ。もう冒険者と言うより清掃を主にするしょぼくれた生活をしてますからね」
「うるさいぞ。しかし、残念ながら、お前の言うとおりだな」
さて、手押し車を押しながら、冒険者ギルドに到着。
で、スライム退治を依頼される。
「やれやれ。本当にマンネリだなあ」
「そんなもんすよ。仕事っていうものは」
しかし、現場に行ってみると、海岸近くの崖の上に家がある。
一階建ての小さい一軒家、突き出た崖ぎりぎりに建っている。
風が強いな。
ちょっと冒険心をそそられるぞ。
「てっきり、いつも通りの草原か林の中かと思っていたんだが」
「ああ、ここは魔法使いの家っすね」
「何だと、悪の魔法使いか」
「何で、すぐに職業『悪の魔法使い』が出てくるんすかね。しょうがないっすねえ、妄想爺さんの歯抜けのリーダーは」
「うるさいぞ」
その家の大きさも飛び出た崖ギリギリだ。
小さい家でほぼ正方形。
しかし、木製ではなく、全体が鉄製だぞ。
「まあ、今は空き家っすね。取り壊し予定なんすけど、スライムが侵入したんで解体業者が来る前に俺っちらが呼ばれたんすね」
「しかし、悪の魔法使いの家となると、何か他に呪いとか、かけられるとかあるんじゃないのか」
「だから悪人じゃないすよ」
崖の細い道を歩いて家に近づく。
俺は正面の扉を開けて中に入った。
お、さっそくスライムが何匹か飛びかかって来た。
バシッ! バシッ! バシッ!
あっさりやっつける。
「うむ、簡単な仕事だったな」
そして、大きい窓が一つだけ、入口の反対側に付いている。
その窓を開くと、海が見える。
少し遠くに離れ小島が見えた。
「ふむ、なかなかさわやかな気分になるきれいな景色だなあ」
すると、相棒がニヤニヤ笑いで俺に言った。
「あの小島を魔法で消してみせましょうか」
「何だと。お前はいつの間に、そんな魔法を身につけたんだ」
相棒が一旦、窓を閉める。
あれ、何だかギシギシと音がするなあ、風が強いせいか。
しばらくして、相棒が窓を開いた。
その光景に俺は驚く。
「あれ、あの小島が消えている。見えるのは海だけだ。おい、どうやって消したんだ。島を消すとはすごい魔法じゃないか」
「違いますよ。手品っすよ。この家の持ち主だった人は手品師っすよ。村の人に教えてもらったんすよ。森の中にあった家のスライム退治をまかされたことがあるじゃないすか。歯抜けのリーダーが不様に階段から滑り落ちた時っすけど」
「うるさいぞ。不様は余計だ」
「思いっきり不様でしたっすけどね。で、その家に住んでいた、もう亡くなった手品師の別宅すね」
「でも、手品としてもどうやって消したんだよ」
「簡単すね」
相棒がなにやらまた床を足で押した。
「床にスイッチがあるんすよ」
今度は窓が開いたままだ。
「おお、窓から見える風景が移動していくではないか」
「要するに、この家全体が動くんすよ」
元に戻ると、さっきの離れ小島が見える。
「ふーむ、観客はまさか家ごと動いているとは想像してないってわけか。でも、けっこうガタガタと音がするし、気付く人もいたんじゃないのか」
「まあ、移動している間は、他の手品をしたり、わざとさくらの弟子に騒がせて、お客さんの注意をそらしたりしたみたいっすね。じゃあ、仕事も終わったんで帰りましょうか」
相棒がさっさと入口から外に出ようとする。
「いや、ちょっと俺にもやらせてくれよ」
「でも、この建物自体が古いから、あんまり動かすのはまずいっすよ」
「いいじゃねーかよ。お前も、今、動かしたじゃないか」
「リーダーの人生は不幸の連続なんだから、どうせろくなことにはならないっすよ」
「うるさいぞ。たまにはいい事もあったぞ」
俺は床を押してみる。
おお、動きだした。
「しかし、この仕掛けはけっこうお金がかかったんじゃないのか」
「まあ、人を驚かすのが楽しかったんじゃないすかね。手品師ですからね」
ギシギシと音を立てながら、家がまた回転していく。
「うむ、動く家というのもなかなか面白いぞ」
「子供すかね、リーダーは。早く元に戻してくれないすかね。崖にギリギリに立っているんすから、元に戻さないとこの家から出られないすよ」
「わかってるって」
俺は床を踏んだ。
すると、もっと回転が速くなる。
「おいおい、どうなってんだ。ぐるぐると回り始めたぞ」
「ちょっと、逆のスイッチを押さなきゃいけないのに、同じスイッチを押しちゃいかんすよ」
相棒が慌ててるが、さらに家の回転が速くなった。
俺も相棒も床にスっ転んでしまう。
「おい、すごい速さで回ってるぞ、ああ、めまいがしてきた」
「ちょっと、リーダー、スイッチで止めてくださいっすよ」
しかし、回転が速くて壁にへばりついているかしない。
相棒が何とか這いずって床のスイッチを押した。
「ウワー!」
急に家の回転が止まったからか、俺と相棒は窓から外に放り出された。
ちょうど入る時の細い崖の道にゴロゴロと転がる俺と相棒。
「いやあ、びっくりした」
「びっくりどころじゃないすよ。もしかした、崖から海へ落ちて死んでたかもしれないじゃないすか。もう、生まれた時から疫病神に憑りつかれてるリーダーは、大人しく清掃とかして余生を過ごしたらどうすかね」
「うるさいぞ。まだ、余生ではない。しかし、今回はマンネリじゃなくて結構な冒険だったんじゃないか」
「どこが冒険なんすかね。歯抜けの呆けた爺さんリーダーが機械操作を誤っただけじゃないすか」
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