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第31話:この冒険者を知ってるか、何となく名前は聞いたことがあるような
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俺と相棒、二人組の冒険者パーティー。
普段はスライム退治専門のしょぼいパーティーだ。
さて、今日こそは面白い仕事を貰ってくるぞ。
俺は相棒と一緒に冒険者ギルドへ向かう。
「よし、たまにはスライム退治以外の仕事を引き受けてやるぞ」
「無理じゃないすか」
「おい、お前には冒険者としての覇気が無いなあ。もっと頑張れよ」
「そんな、意気込んだって、結局、スライム退治っすよ」
「そんなんだから、ダメなんだ。若いならもっと元気出せよ」
「リーダーも若い頃は元気を出して、そして、おっさんになると腹が出てしまったんすか」
「うるさいぞ」
さて、いつものようにくだらん会話をしながら、俺たちがギルドの中に入ると部屋の中の掲示板に号外の新聞が貼ってある。
それを見て、俺はびっくりした。
「おお、あの方が亡くなったのか」
「どうしたんすか」
新聞には俺の世代では誰もが知る超有名な冒険者が亡くなった記事が載っている。
相棒に聞いてみた。
「お前、この冒険者を知ってるか」
「うーん、何となく名前は聞いたことがあるような、ないような」
やれやれ。
これが世代間ギャップというやつか。
以前にも、偶然、引退した有名な冒険者に会ったことがある。
俺は感激したものだったが、相棒はしらけていた。
この人も、俺の世代なら、全ての冒険者が憧れていた方なんだけどなあ。
今でも語り継がれる数々の冒険を行い、ドラゴンも倒し、国王陛下から勲章まで授与された有名冒険者。
「リーダーはこの人と話したことがあるんすか」
「あるわけないだろ。俺なんて足元にも近寄れないほどの有名な冒険者だったんだぞ」
「はあ、そうすか」
どうでもいいって感じの相棒。
今の若い連中には、この人がどんなにすごい人か知らないんだろう。
けど、俺もそうだったな。
冒険者になったばかりの若い頃、有名な冒険者が亡くなったが、特に何とも思わなかった。なんだか歴史上の偉い人物が死んだのかと、ただそんなことをぼんやりと思っただけだ。後から、その冒険者のすごい経歴を知ってびっくりしたものだった。
しかし、今は違う。何とも感慨深いものがある。自分の人生とシンクロしていくんだよなあ。この新聞に載っている有名な冒険者と俺の人生は天と地くらいの差があるのだが。でも、同時代を生きたので、しょぼい俺の人生にも、この人の行った冒険が影響を与えている。この有名人の行った数々の冒険譚。それが思い出されてくるし、そして、自分の人生、その時々のことも同時に思い出してしまうんだよなあ。
まあ、俺の場合はしょぼい冒険しかしてこなかったけどなあ。
「ああ、俺もこの人みたいなすごい冒険を行いたかったなあ。ドラゴン退治、憧れたもんだなあ」
「リーダーには、最初から無理だったんじゃないすか」
「うるさいぞ」
確かに、全然、実力も違うしなあ。
何となく悄然としていると、相棒が言った。
「でも、みんながみんな活躍することなんてないんじゃないすか」
「まあ、そうだけどなあ」
そして、年を取るにつれ、自分が知っている有名な冒険者が次々と亡くなっていくのを寂しく感じるんだなあ。そして、自分もいつかは死ぬ。
死がいずれやっていくのを実感しているからだろうか。
自分も年々、体調が悪くなっていく。
気力も衰えていく。
ああ、生きるとはつらいものでもあるなあ。
若い頃は実に人生が面白かった。
いや、辛いこともあったが、未来があったもんなあ。
今や、どん詰まりのような気分だ。
このまま死ぬのだろうか。
そう、みんな死ぬんだよなあ。
「誰しも、人間はいつか死ぬんだよなあ」
「それは、しょうがないんじゃないすか。この新聞によると、この有名冒険者も、晩年は病気で苦しんでいたようじゃないすか。十年くらい寝たきりみたいだったようすよ。結局、有名になっても、若くして亡くなる人もいるし、年を取って最後は寝たきりになってしまう人もいれば、無名でも最後の最後まで活躍する人もいるってことじゃないすか。千差万別っす」
そうかもしれん。
でも、俺の人生には一切輝きが無かったとやはり思ってしまうのだなあ。
「やっぱり、このままスライム退治で終わりたくはないんだなあ」
「また、同じ事言ってますね。この新聞に載っているような人はほんのごくわずかっすよ。ほとんどの人は地味に活動していくしかないんじゃないすかねえ」
「でも、自分が生きていた証がほしいんだよなあ」
「無理っすよ。ほとんどの人が黙って生きて、黙って死んでいくもんすよ。そんなもんすよ」
「何だよ、お前は本当に若者らしくないな。宗教家みたいなことを言って。もっと野望を持て、冒険者なら」
「それで、妄想にふけって、板に描いてあったダンジョンに入ろうとしたリーダーよりはマシっすよ」
「うるさいぞ。いいか、人間は明日死ぬかもしれない。それは誰にもわからない。しかし、冒険心は永遠に不滅なのだ」
相棒に偉そうな事を言う俺。
そうだ、いつかはドラゴン退治だ!
そして、いつものようにスライム退治しか仕事を貰えない冴えない俺なのであった。
普段はスライム退治専門のしょぼいパーティーだ。
さて、今日こそは面白い仕事を貰ってくるぞ。
俺は相棒と一緒に冒険者ギルドへ向かう。
「よし、たまにはスライム退治以外の仕事を引き受けてやるぞ」
「無理じゃないすか」
「おい、お前には冒険者としての覇気が無いなあ。もっと頑張れよ」
「そんな、意気込んだって、結局、スライム退治っすよ」
「そんなんだから、ダメなんだ。若いならもっと元気出せよ」
「リーダーも若い頃は元気を出して、そして、おっさんになると腹が出てしまったんすか」
「うるさいぞ」
さて、いつものようにくだらん会話をしながら、俺たちがギルドの中に入ると部屋の中の掲示板に号外の新聞が貼ってある。
それを見て、俺はびっくりした。
「おお、あの方が亡くなったのか」
「どうしたんすか」
新聞には俺の世代では誰もが知る超有名な冒険者が亡くなった記事が載っている。
相棒に聞いてみた。
「お前、この冒険者を知ってるか」
「うーん、何となく名前は聞いたことがあるような、ないような」
やれやれ。
これが世代間ギャップというやつか。
以前にも、偶然、引退した有名な冒険者に会ったことがある。
俺は感激したものだったが、相棒はしらけていた。
この人も、俺の世代なら、全ての冒険者が憧れていた方なんだけどなあ。
今でも語り継がれる数々の冒険を行い、ドラゴンも倒し、国王陛下から勲章まで授与された有名冒険者。
「リーダーはこの人と話したことがあるんすか」
「あるわけないだろ。俺なんて足元にも近寄れないほどの有名な冒険者だったんだぞ」
「はあ、そうすか」
どうでもいいって感じの相棒。
今の若い連中には、この人がどんなにすごい人か知らないんだろう。
けど、俺もそうだったな。
冒険者になったばかりの若い頃、有名な冒険者が亡くなったが、特に何とも思わなかった。なんだか歴史上の偉い人物が死んだのかと、ただそんなことをぼんやりと思っただけだ。後から、その冒険者のすごい経歴を知ってびっくりしたものだった。
しかし、今は違う。何とも感慨深いものがある。自分の人生とシンクロしていくんだよなあ。この新聞に載っている有名な冒険者と俺の人生は天と地くらいの差があるのだが。でも、同時代を生きたので、しょぼい俺の人生にも、この人の行った冒険が影響を与えている。この有名人の行った数々の冒険譚。それが思い出されてくるし、そして、自分の人生、その時々のことも同時に思い出してしまうんだよなあ。
まあ、俺の場合はしょぼい冒険しかしてこなかったけどなあ。
「ああ、俺もこの人みたいなすごい冒険を行いたかったなあ。ドラゴン退治、憧れたもんだなあ」
「リーダーには、最初から無理だったんじゃないすか」
「うるさいぞ」
確かに、全然、実力も違うしなあ。
何となく悄然としていると、相棒が言った。
「でも、みんながみんな活躍することなんてないんじゃないすか」
「まあ、そうだけどなあ」
そして、年を取るにつれ、自分が知っている有名な冒険者が次々と亡くなっていくのを寂しく感じるんだなあ。そして、自分もいつかは死ぬ。
死がいずれやっていくのを実感しているからだろうか。
自分も年々、体調が悪くなっていく。
気力も衰えていく。
ああ、生きるとはつらいものでもあるなあ。
若い頃は実に人生が面白かった。
いや、辛いこともあったが、未来があったもんなあ。
今や、どん詰まりのような気分だ。
このまま死ぬのだろうか。
そう、みんな死ぬんだよなあ。
「誰しも、人間はいつか死ぬんだよなあ」
「それは、しょうがないんじゃないすか。この新聞によると、この有名冒険者も、晩年は病気で苦しんでいたようじゃないすか。十年くらい寝たきりみたいだったようすよ。結局、有名になっても、若くして亡くなる人もいるし、年を取って最後は寝たきりになってしまう人もいれば、無名でも最後の最後まで活躍する人もいるってことじゃないすか。千差万別っす」
そうかもしれん。
でも、俺の人生には一切輝きが無かったとやはり思ってしまうのだなあ。
「やっぱり、このままスライム退治で終わりたくはないんだなあ」
「また、同じ事言ってますね。この新聞に載っているような人はほんのごくわずかっすよ。ほとんどの人は地味に活動していくしかないんじゃないすかねえ」
「でも、自分が生きていた証がほしいんだよなあ」
「無理っすよ。ほとんどの人が黙って生きて、黙って死んでいくもんすよ。そんなもんすよ」
「何だよ、お前は本当に若者らしくないな。宗教家みたいなことを言って。もっと野望を持て、冒険者なら」
「それで、妄想にふけって、板に描いてあったダンジョンに入ろうとしたリーダーよりはマシっすよ」
「うるさいぞ。いいか、人間は明日死ぬかもしれない。それは誰にもわからない。しかし、冒険心は永遠に不滅なのだ」
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