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第33話:すごい暑いんだけど、夏真っ盛りですからねえ
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俺と相棒、二人組の冒険者パーティー。
普段はスライム退治専門のしょぼいパーティーだ。
さて、今日も仕事はスライム退治だ。
場所も村のすぐ近くの空き地。
冒険でもなんでもないな。
村がドラゴンテーマパークを作るために森を切り開いて新たに空地を作った。
そこに元々、森に棲んでいたスライムが現れたので退治してほしいってことだ。
「ああ、つまらんなあ」
「まあ、しょうがないっすね。食費を稼がなくてはいけないすから」
「わかってるよ」
しかし、今日は暑いなあ。
「おい、すごい暑いんだけど」
「まあ、もう夏、真っ盛りですからねえ。今年はかなり暑くなるそうっす。冒険者ギルドで魔法使いの人から聞いたっす。その人は天候の予想もできるみたいっす」
「そうか。今度からはスライム退治を引き受けるにも、こんな太陽にガンガン照らされる場所じゃなくて、洞窟とか割とひんやりとしたところのほうがいいかもな」
さて、俺たちは暑い中、スライム退治を始める。
空地なんで、簡単にスライムを発見できる。
おまけに動きが鈍い。
「こりゃ、スライムもこの暑さにまいってるようだな」
「他の森の奥に潜んでればいいのにと思いますねえ」
「今回の場合は人間の方が悪いかな。森を切り開いたんだから。けど、仕方がないか」
ちんたらスライム退治をしていると、あれ、いつの間にか相棒がいない。
周りを見回したら、少し離れた木陰で休んでやがる。
「おい、さぼるなよ」
「そんな事言ったって、この暑さは耐えられませんよ。リーダーも休んだらどうすか」
大木の陰で水筒の水をがぶ飲みする相棒。
「おい、冒険者とはなあ、いつ、いかなる時でも困難に立ち向かうものなんだぞ。お前には冒険者としての気構えが……」
いつもの説教をしようとしたら、おお、目の前に突然、ドラゴンが現れた。
そして、その後ろには他にも沢山のモンスターがいるではないか。
まずいぞ、こんなに沢山のモンスターを俺と相棒二人だけのしょぼいパーティーで立ち向かえるわけがない。
いや、俺も腐っても冒険者だ。
ここで命を捨てても構わんぞ。
相手はドラゴン以下モンスターが勢ぞろい。
死んでも悔いはない。
むしろ、伝説になるのではないか。
巨大なドラゴンやオーク、オーガ、スケルトン、ゴブリン、コボルトその他、見た事の無いモンスターもいる。モンスターが大集結したようだ。
「やい、かかってこい、モンスターめ。おい、相棒、ここは俺にまかせろ! お前は冒険者ギルドへ行って応援を呼んで来い!」
こんな大勢のモンスターに一人で立ち向かった英雄として俺は伝説になるんだ。
と思っていたら、あれ、何だかめまいがするぞ。
足もつってる。頭も痛い。だるい。体が動かんぞ。
俺は倒れて意識を失った。
……………………………………………………
気が付くと村の診療所のベッドの上。
「大丈夫すか」
「おい、あのモンスターたちはどこに行った」
「なに言ってんすか、あれはテーマパーク用のモンスター人形ですよ。馬車で運んできたんすよ」
「なんだ、人形か。しかし、けっこうリアルに作ってあったぞ」
「だいぶ予算をかけたらしいっすね。泥棒に盗まれたお金も戻ってきたことだし。村もこのテーマパークには大金をつぎ込んでるみたいっす」
「ところで、何で俺は倒れたんだ」
「熱中症すよ、熱中症。もう、おっさんは意地を張ってがんばるから倒れたりするんすよ。ちゃんと水をこまめに飲んで、合間を見ては休憩を取るのが大事っすよ」
「俺の若い頃は、暑い夏でも水は飲むなと言われたもんだけどなあ」
「なんすか、それは。死ねって言ってるようなもんすよ。だから、おっさん世代はだめなんすよ」
「うるさいぞ」
しかし、なんで夏に冒険する時に水を飲んじゃいけなかったのか。
わけがわからん。
いま思うと不思議な習慣だったなと思ったりもする。
「よし、とにかく俺は元気になった。スライム退治を続けるぞ」
「また何を言ってんすか。もう、夕方っすよ。俺っちがスライムは退治しましたが、報酬はリーダーの治療代で消えましたっすよ」
「そうなのか。うーん、これはすまない」
「まあ、生きててよかったすよ」
「そうだな、生きていれば人形のドラゴンじゃなくて、本物のドラゴンと対決できるからな」
「まだ、そんな夢見てるんすか。オヤジ世代は諦めってもんを知らないんすか」
「うるさいぞ」
俺はベッドから立ち上がろうとする。
「ウォ!」
「大丈夫すか」
「うーん、ちょっとめまいがした」
「もう少し休んだ方がいいっすね。今日はこの診療所で寝たほうがいいんじゃないんすか。代金は今日の報酬で足りるでしょう。食い物はまた宿屋の食堂でパンでも分けてもらいますよ」
「そうするか。すまんな」
やれやれ。
若い頃は炎天下でもモンスター相手に暴れることができたのになあ。
まあ、相手はゴブリンとかその程度だったけどな。
今や、スライム退治してたら熱中症で倒れる始末。
もう、俺は無理を出来る体力もなくなったのか。
しかし、俺はベッドの上で叫ぶ。
「いや、何とかして冒険するぞ、大冒険だ。ドラゴン退治だ、美少女だ!」
「だから大冒険はやめたほうがいいっすよ。もし、するならちゃんと水はこまめに飲んだ方がいいっす」
「わかってるよ!」
しかし、このボロボロの体でこの先どうなるのか。
不安になってしまう俺であった。
普段はスライム退治専門のしょぼいパーティーだ。
さて、今日も仕事はスライム退治だ。
場所も村のすぐ近くの空き地。
冒険でもなんでもないな。
村がドラゴンテーマパークを作るために森を切り開いて新たに空地を作った。
そこに元々、森に棲んでいたスライムが現れたので退治してほしいってことだ。
「ああ、つまらんなあ」
「まあ、しょうがないっすね。食費を稼がなくてはいけないすから」
「わかってるよ」
しかし、今日は暑いなあ。
「おい、すごい暑いんだけど」
「まあ、もう夏、真っ盛りですからねえ。今年はかなり暑くなるそうっす。冒険者ギルドで魔法使いの人から聞いたっす。その人は天候の予想もできるみたいっす」
「そうか。今度からはスライム退治を引き受けるにも、こんな太陽にガンガン照らされる場所じゃなくて、洞窟とか割とひんやりとしたところのほうがいいかもな」
さて、俺たちは暑い中、スライム退治を始める。
空地なんで、簡単にスライムを発見できる。
おまけに動きが鈍い。
「こりゃ、スライムもこの暑さにまいってるようだな」
「他の森の奥に潜んでればいいのにと思いますねえ」
「今回の場合は人間の方が悪いかな。森を切り開いたんだから。けど、仕方がないか」
ちんたらスライム退治をしていると、あれ、いつの間にか相棒がいない。
周りを見回したら、少し離れた木陰で休んでやがる。
「おい、さぼるなよ」
「そんな事言ったって、この暑さは耐えられませんよ。リーダーも休んだらどうすか」
大木の陰で水筒の水をがぶ飲みする相棒。
「おい、冒険者とはなあ、いつ、いかなる時でも困難に立ち向かうものなんだぞ。お前には冒険者としての気構えが……」
いつもの説教をしようとしたら、おお、目の前に突然、ドラゴンが現れた。
そして、その後ろには他にも沢山のモンスターがいるではないか。
まずいぞ、こんなに沢山のモンスターを俺と相棒二人だけのしょぼいパーティーで立ち向かえるわけがない。
いや、俺も腐っても冒険者だ。
ここで命を捨てても構わんぞ。
相手はドラゴン以下モンスターが勢ぞろい。
死んでも悔いはない。
むしろ、伝説になるのではないか。
巨大なドラゴンやオーク、オーガ、スケルトン、ゴブリン、コボルトその他、見た事の無いモンスターもいる。モンスターが大集結したようだ。
「やい、かかってこい、モンスターめ。おい、相棒、ここは俺にまかせろ! お前は冒険者ギルドへ行って応援を呼んで来い!」
こんな大勢のモンスターに一人で立ち向かった英雄として俺は伝説になるんだ。
と思っていたら、あれ、何だかめまいがするぞ。
足もつってる。頭も痛い。だるい。体が動かんぞ。
俺は倒れて意識を失った。
……………………………………………………
気が付くと村の診療所のベッドの上。
「大丈夫すか」
「おい、あのモンスターたちはどこに行った」
「なに言ってんすか、あれはテーマパーク用のモンスター人形ですよ。馬車で運んできたんすよ」
「なんだ、人形か。しかし、けっこうリアルに作ってあったぞ」
「だいぶ予算をかけたらしいっすね。泥棒に盗まれたお金も戻ってきたことだし。村もこのテーマパークには大金をつぎ込んでるみたいっす」
「ところで、何で俺は倒れたんだ」
「熱中症すよ、熱中症。もう、おっさんは意地を張ってがんばるから倒れたりするんすよ。ちゃんと水をこまめに飲んで、合間を見ては休憩を取るのが大事っすよ」
「俺の若い頃は、暑い夏でも水は飲むなと言われたもんだけどなあ」
「なんすか、それは。死ねって言ってるようなもんすよ。だから、おっさん世代はだめなんすよ」
「うるさいぞ」
しかし、なんで夏に冒険する時に水を飲んじゃいけなかったのか。
わけがわからん。
いま思うと不思議な習慣だったなと思ったりもする。
「よし、とにかく俺は元気になった。スライム退治を続けるぞ」
「また何を言ってんすか。もう、夕方っすよ。俺っちがスライムは退治しましたが、報酬はリーダーの治療代で消えましたっすよ」
「そうなのか。うーん、これはすまない」
「まあ、生きててよかったすよ」
「そうだな、生きていれば人形のドラゴンじゃなくて、本物のドラゴンと対決できるからな」
「まだ、そんな夢見てるんすか。オヤジ世代は諦めってもんを知らないんすか」
「うるさいぞ」
俺はベッドから立ち上がろうとする。
「ウォ!」
「大丈夫すか」
「うーん、ちょっとめまいがした」
「もう少し休んだ方がいいっすね。今日はこの診療所で寝たほうがいいんじゃないんすか。代金は今日の報酬で足りるでしょう。食い物はまた宿屋の食堂でパンでも分けてもらいますよ」
「そうするか。すまんな」
やれやれ。
若い頃は炎天下でもモンスター相手に暴れることができたのになあ。
まあ、相手はゴブリンとかその程度だったけどな。
今や、スライム退治してたら熱中症で倒れる始末。
もう、俺は無理を出来る体力もなくなったのか。
しかし、俺はベッドの上で叫ぶ。
「いや、何とかして冒険するぞ、大冒険だ。ドラゴン退治だ、美少女だ!」
「だから大冒険はやめたほうがいいっすよ。もし、するならちゃんと水はこまめに飲んだ方がいいっす」
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