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第62話:今日は仕事は無しだ、食事はどうするんすか
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俺と相棒、二人組の冒険者パーティー。
普段はスライム退治専門のしょぼいパーティーだ。
そして、今、俺と相棒は宿屋の部屋のベッドに寝転んでいる。
「ヒマだなあ」
「ヒマっすね」
今日はスライム退治の仕事も取れなかった。
「おい、退屈だぞ」
「しょうがないっすね」
何もする事が無い。
「暑いぞ」
「残暑ですかね」
「おい、こんな状態でいいのか。お前は若いのにボケーッと昼間っから寝ていて」
「そんなこと言ったって、リーダーが冒険者ギルドの主人が依頼した清掃の仕事を断るからじゃないすか」
「うるさいぞ。俺は冒険者だぞ」
「清掃も立派な仕事すよ」
確かに清掃も立派な仕事ではあるが。
「でも、俺は冒険したいんだ!」
「そう言うのを年寄りの冷や水って言うんすよ」
「俺は年寄りじゃないぞ」
「おっさんすね」
「そうだ、おっさんだ」
「出腹でハゲで腰痛持ちで腕が痛んでいて、膝痛、肩こり、リュウマチ、頻尿のおっさんですね。そんな冒険者に重要な仕事を任せませんよ、ギルドは」
「うるさいぞ。ああ、腹がへった」
「この前は豪勢な食事をしたけど、お金がもったいなかったんじゃないすか」
「あの時はあの時だ。もう忘れろ。でも、ちょっと使ってしまったかな。ああ~よ~く考えよう~金貨は大事だよ~♪」
「何すか、その変な歌は」
「昔の歌だ。例によって著作権のからみで少し変えている」
確かに、ちょっと散財してしまったかなと後悔する俺。
ああ、貧乏はつらい。
「それに、今日はなんか左膝がさらに痛むんだ」
「関節炎すかね」
もう、そこら中おかしくなっているぞ、俺の体は。
「それにしても、なぜいい仕事の依頼がこないのだろう」
「さっき言ったじゃないすか。出腹でハゲで腰痛持ちで腕が痛んでいてリュウマチで頻尿で、それに膝も痛いとか言ってるおっさんにはいい仕事はきませんよ。とりあえず、その出腹をなんとかしたらどうすか」
確かに見てくれは悪いな。
「よし、腹筋運動をするぞ」
俺はベッドで一回腹筋運動をする。
「ああ、疲れた」
「何なんすか! 一回しかしてないじゃないすか。百回はしてくださいすっよ」
「いきなり百回は無理だ。今日は一回。明日は二回。明後日は三回。毎日一回ずつ増やしていく。これなら実現できるぞ」
「無理っすね。三日目で飽きてやめると思いますね。リーダーの人生はいつもそんな感じだったんじゃないすか」
「うるさいぞ」
しかし、相棒の言うことも当たってるな。
いい加減に過ごしていたら、いつの間にかおっさんだ。
「せめて、十回はしてみたらどうすか」
「うむ、わかった」
しかし、五回腹筋運動をして、俺は止めてしまう。
「ああ、疲れた」
「五回で止めてるじゃないすか。どうしようもないすね。冒険者としての気構えが無いすね、リーダーは」
「うるさいぞ。とにかく五回腹筋した。つまり、とりあえず後五日はしなくていいってことだな」
「何言ってんすか。毎日一回増やしていくんだから、五日目には計十五回してないとおかしいじゃないすか。残り十回はしなくちゃいかんすよ」
「お前、頭がいいな」
「だめだ、こりゃって言いたくなるっすよ。頑張るんじゃなかったんすか」
あきれ顔の相棒。
「ああ、頑張るぞ、俺は。とにかくドラゴン退治をしたいんだ、清掃じゃなくて」
「まだ妄想してんすか。このままだと宿屋でリーダーの一生は終わるんじゃないすかね」
「うるさいぞ。おっと、そう言えば宿屋に居ながらドラゴンを倒す小説を読んだことがあるなあ」
「何すか、それ。かなり話に無理があるんじゃないすか」
「主人公は全く宿屋から出ないんだな」
「それ、作者がずぼらな人じゃないすかね。出不精ってやつじゃないすか。自分のことを書いたんじゃないすかね」
「でも、宿屋のみで話を作っていくのはけっこう大変そうだけどな」
「それで話の方はどうなるんすか」
「いろいろあって、ラストに巨大なドラゴンが宿屋の上空に登場するんだ」
「無茶苦茶な設定すね。どうやって、その主人公はそのドラゴンを倒すんすか」
「いや、主人公は見てるだけで、他の仲間が倒すんだな」
「それ、主人公じゃないじゃないすか。それで、その人はどうなるんすか」
「冒険者に向かないと自覚して、宿屋の主人に転職するんだな」
「リーダーもその小説の主人公にならって、冒険者は辞めて、宿屋の主人になったらどうすか。そっちの方があってますよ」
うむ、確かに体はボロボロだ。
しかし、このまま冒険者をやめるつもりはないんだな。
「いや、とにかくドラゴンを倒すとまではいかないが、それなりの実績は残したいんだなあ」
「スライム退治の仕事の実績があるじゃないすか」
「そんなの実績とは言えないぞ」
「塵も積もれば山となるって話もありまっすよ」
「そのことわざ、ちょっと使い方がおかしいんじゃないかな」
しかし、相棒の言うことにも一理ある。
「よし、今から冒険者ギルドに行くか」
俺は起き上がった。
すると天井が突然、ガンガンと音が鳴る。
「おお、まさか、これはあの小説のように宿屋の上空に巨大ドラゴンが現れたのか」
「違いますよ、単なる雨音じゃないすか。ゲリラ豪雨ってやつですね。突然、大雨が降って来るんすよ。この安宿だと天井が薄くてかなりうるさいっすね」
なんだ、雨か。
窓から見ると、滝のように雨が降っている。
「うーん、すごい雨だなあ。これはとりあえず今日は休めと言う神様のお告げだな」
「いい加減すねえ。本当にやる気あるんすか」
「あるぞ。しかし、膝が痛い。だいたい、雨が降ると膝が痛くなるんだ。もう左右の膝が痛い。それに休むも相場って格言があるぞ」
「それは株式市場の格言じゃないすか。冒険とは関係ないすよ」
「とにかく、今日は仕事は無しだ」
「食事はどうするんすか」
「食堂でパンを貰って来てくれないか」
「またパンの切れ端で食いつなぐんすか」
相棒がやれやれといった感じで部屋を出て行く。
まあ、今日はとにかく休む。
明日から俺は頑張るぞ。
しかし、本当に頑張れるのか。
自分でも心配になってきたぞ。
普段はスライム退治専門のしょぼいパーティーだ。
そして、今、俺と相棒は宿屋の部屋のベッドに寝転んでいる。
「ヒマだなあ」
「ヒマっすね」
今日はスライム退治の仕事も取れなかった。
「おい、退屈だぞ」
「しょうがないっすね」
何もする事が無い。
「暑いぞ」
「残暑ですかね」
「おい、こんな状態でいいのか。お前は若いのにボケーッと昼間っから寝ていて」
「そんなこと言ったって、リーダーが冒険者ギルドの主人が依頼した清掃の仕事を断るからじゃないすか」
「うるさいぞ。俺は冒険者だぞ」
「清掃も立派な仕事すよ」
確かに清掃も立派な仕事ではあるが。
「でも、俺は冒険したいんだ!」
「そう言うのを年寄りの冷や水って言うんすよ」
「俺は年寄りじゃないぞ」
「おっさんすね」
「そうだ、おっさんだ」
「出腹でハゲで腰痛持ちで腕が痛んでいて、膝痛、肩こり、リュウマチ、頻尿のおっさんですね。そんな冒険者に重要な仕事を任せませんよ、ギルドは」
「うるさいぞ。ああ、腹がへった」
「この前は豪勢な食事をしたけど、お金がもったいなかったんじゃないすか」
「あの時はあの時だ。もう忘れろ。でも、ちょっと使ってしまったかな。ああ~よ~く考えよう~金貨は大事だよ~♪」
「何すか、その変な歌は」
「昔の歌だ。例によって著作権のからみで少し変えている」
確かに、ちょっと散財してしまったかなと後悔する俺。
ああ、貧乏はつらい。
「それに、今日はなんか左膝がさらに痛むんだ」
「関節炎すかね」
もう、そこら中おかしくなっているぞ、俺の体は。
「それにしても、なぜいい仕事の依頼がこないのだろう」
「さっき言ったじゃないすか。出腹でハゲで腰痛持ちで腕が痛んでいてリュウマチで頻尿で、それに膝も痛いとか言ってるおっさんにはいい仕事はきませんよ。とりあえず、その出腹をなんとかしたらどうすか」
確かに見てくれは悪いな。
「よし、腹筋運動をするぞ」
俺はベッドで一回腹筋運動をする。
「ああ、疲れた」
「何なんすか! 一回しかしてないじゃないすか。百回はしてくださいすっよ」
「いきなり百回は無理だ。今日は一回。明日は二回。明後日は三回。毎日一回ずつ増やしていく。これなら実現できるぞ」
「無理っすね。三日目で飽きてやめると思いますね。リーダーの人生はいつもそんな感じだったんじゃないすか」
「うるさいぞ」
しかし、相棒の言うことも当たってるな。
いい加減に過ごしていたら、いつの間にかおっさんだ。
「せめて、十回はしてみたらどうすか」
「うむ、わかった」
しかし、五回腹筋運動をして、俺は止めてしまう。
「ああ、疲れた」
「五回で止めてるじゃないすか。どうしようもないすね。冒険者としての気構えが無いすね、リーダーは」
「うるさいぞ。とにかく五回腹筋した。つまり、とりあえず後五日はしなくていいってことだな」
「何言ってんすか。毎日一回増やしていくんだから、五日目には計十五回してないとおかしいじゃないすか。残り十回はしなくちゃいかんすよ」
「お前、頭がいいな」
「だめだ、こりゃって言いたくなるっすよ。頑張るんじゃなかったんすか」
あきれ顔の相棒。
「ああ、頑張るぞ、俺は。とにかくドラゴン退治をしたいんだ、清掃じゃなくて」
「まだ妄想してんすか。このままだと宿屋でリーダーの一生は終わるんじゃないすかね」
「うるさいぞ。おっと、そう言えば宿屋に居ながらドラゴンを倒す小説を読んだことがあるなあ」
「何すか、それ。かなり話に無理があるんじゃないすか」
「主人公は全く宿屋から出ないんだな」
「それ、作者がずぼらな人じゃないすかね。出不精ってやつじゃないすか。自分のことを書いたんじゃないすかね」
「でも、宿屋のみで話を作っていくのはけっこう大変そうだけどな」
「それで話の方はどうなるんすか」
「いろいろあって、ラストに巨大なドラゴンが宿屋の上空に登場するんだ」
「無茶苦茶な設定すね。どうやって、その主人公はそのドラゴンを倒すんすか」
「いや、主人公は見てるだけで、他の仲間が倒すんだな」
「それ、主人公じゃないじゃないすか。それで、その人はどうなるんすか」
「冒険者に向かないと自覚して、宿屋の主人に転職するんだな」
「リーダーもその小説の主人公にならって、冒険者は辞めて、宿屋の主人になったらどうすか。そっちの方があってますよ」
うむ、確かに体はボロボロだ。
しかし、このまま冒険者をやめるつもりはないんだな。
「いや、とにかくドラゴンを倒すとまではいかないが、それなりの実績は残したいんだなあ」
「スライム退治の仕事の実績があるじゃないすか」
「そんなの実績とは言えないぞ」
「塵も積もれば山となるって話もありまっすよ」
「そのことわざ、ちょっと使い方がおかしいんじゃないかな」
しかし、相棒の言うことにも一理ある。
「よし、今から冒険者ギルドに行くか」
俺は起き上がった。
すると天井が突然、ガンガンと音が鳴る。
「おお、まさか、これはあの小説のように宿屋の上空に巨大ドラゴンが現れたのか」
「違いますよ、単なる雨音じゃないすか。ゲリラ豪雨ってやつですね。突然、大雨が降って来るんすよ。この安宿だと天井が薄くてかなりうるさいっすね」
なんだ、雨か。
窓から見ると、滝のように雨が降っている。
「うーん、すごい雨だなあ。これはとりあえず今日は休めと言う神様のお告げだな」
「いい加減すねえ。本当にやる気あるんすか」
「あるぞ。しかし、膝が痛い。だいたい、雨が降ると膝が痛くなるんだ。もう左右の膝が痛い。それに休むも相場って格言があるぞ」
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「とにかく、今日は仕事は無しだ」
「食事はどうするんすか」
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