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第69話:やる気を失くしたぞ、元気出してくださいっすよ
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俺と相棒、二人組の冒険者パーティー。
普段はスライム退治専門のしょぼいパーティーだ。
この前、美少女詐欺師に剣を騙されて取られてしまった。
武器を持ってない冒険者。
情けない。
それに美少女に騙されたのがショックだ。
ベッドの上でわめき散らす俺。
「俺はもうやる気を無くしたぞ!!!」
「元気出してくださいっすよ」
「でも、剣が無ければ、何も出来ないじゃないか」
「うーん、俺っちも貯金が少なくて、剣を買ったら食費も無くなるっす」
「じゃあ、どうすりゃいいんだ」
「冒険者ギルドで剣をレンタルしてますよ」
「なんか情けないなあ、剣を借りるなんて。ますます、冒険者ギルドの主人に馬鹿にされて、もうろくな仕事が来ないぞ」
「まあ、ここは恥を忍んで剣を借りるしかないんじゃないすか」
「いや、俺はもう人生嫌になった。ここでふて寝して、死んでやる」
「それ、ただの昼寝じゃないすか」
「うるさいぞ」
「この前までやたら張り切ってたのに」
「とにかくやる気が無いんだ」
「やれやれ。とにかくスライム退治に行ってきますよ」
「俺には気にせず、報酬は全部自分のものにしていいぞ。俺はここで餓死してやる」
「なんか荒んでますね。まあ、リーダーの出腹が引っ込むのはいいかもしれませんね」
「うるさいぞ」
相棒はスライム退治に出て行った。
ああ、けど、おもろーないぞ。
ただ、ぼんやりと安宿のすすけた天井を見ながら横になっているだけ。
つまらん人生だった。
こんな人生じゃなかったはずだ。
しかし、やる気が出ない。
おっさんになると気力も体力も落ちていく。
そして、なぜか腹の方は出てくる。
不思議である。
さて、夕方、相棒が戻ってくる。
すると、剣を持っているではないか。
「おい、その剣、どうしたんだ」
「スライム退治が終わって、冒険者ギルドに行ったら、初老の冒険者の方がいたんすよ。その人、今日で冒険者はやめるってことでギルドにも挨拶に来たみたいっす。それで、農民になるようなんすけど、もう剣はいらないってことになったようっす。それで、リーダーが武器がなくて困ってることを言ったら、くれたんす」
「おお、何といい人なんだ」
「まあ、かなり使い古した剣で、武器屋でも引き取りを断られたらしいっすけど」
俺は相棒から剣を受け取る。
鞘から抜くと、確かに見てくれは冴えない。
「それでも剣が無いよりはマシだ。いや、実はこれは伝説の剣ではないか。その人は老冒険者のふりをした妖精ではないか。そして、俺にドラゴンを倒すことを託したのだ、美少女と一緒にここから大冒険がはじまるのだ」
「またまた、しょうもない妄想してますね。普通の人でしたよ。だいたい、何で唐突に美少女が出てくるんすか。美少女詐欺師に剣を盗られたくせに」
「うるさいぞ。とにかく、これでギルドに剣をレンタルしに行くなんてことはしなくていいわけだ」
「そういうことっすね。これで、明日から、またスライム退治っすね」
「まあ、とりあえず、スライム退治か。それはともかく、剣を貰ったお礼を言いたいのだが、その方はこの村のどこに住んでるんだ」
「いや、それがかなり遠い実家へ帰るとかで、もう出発されましたよ」
「うーん、一言礼を言いたかったのだが、残念だ」
それにしても、誰しもいつかは引退する時が来るのだなあ。
「ああ、俺もだいぶ年だ。引退を考える年齢になったのかもしれないなあ」
「けど、リーダーの場合、働かないと餓死じゃないすか」
「そうなんだよなあ、餓死はしたくない。ああ、貧乏はつらいなあ」
「何言ってんすか。朝は、ベッドの上で餓死してやるとか叫んでおいて」
「まあ、その場の勢いで言ってしまったことだ。忘れてくれ。でも、俺は一生、引退はないのか」
「生涯現役でいいじゃないすか。もしお金があって引退しても、リーダーには何もすることがなくて、ただ、ぼんやりと過ごす毎日が待ってるんじゃないすかね。そして、呆け老人になると」
「おいおい、俺だって読書とかしたいことはいろいろとあるぞ」
「でも、実際のところ、引退した人って、十か月後にはすることがなくなって退屈しちゃうって話がありますね」
「十か月後って、妙にリアリティがあるな」
「引退する前は、仕事の合間にちょっと時間が余ったら、その時間を利用して趣味に没頭していた人が、引退した途端、その趣味に全然興味を無くすって話があるっす。まあ、いつでも出来ると思うとなぜかやらなくなるみたいっすね。忙しい時は寝る間も惜しんでしていた趣味なのに。人間とは不思議っすね」
「うーん、そうか。けど、俺は引退したら、読書三昧で、脳内で冒険の旅に出るんだ、美少女百人に囲まれて」
「またキモイ妄想してますね。でも、貧乏なリーダーは死ぬまで仕事してんじゃないすか」
「そうなのか。ああ、ちゃんと金を貯めればよかったなあ」
「まあ、仕事してた方がいいすよ。引退して妙な妄想にのめり込んで、現実に美少女に変なことする年寄りになるよりはましじゃないすか」
「うるさいぞ」
とにかく、武器は手に入った。
けど、またスライム退治の毎日に戻るのか。
やる気が出ないなあ。
ずっと、昼寝してるか。
普段はスライム退治専門のしょぼいパーティーだ。
この前、美少女詐欺師に剣を騙されて取られてしまった。
武器を持ってない冒険者。
情けない。
それに美少女に騙されたのがショックだ。
ベッドの上でわめき散らす俺。
「俺はもうやる気を無くしたぞ!!!」
「元気出してくださいっすよ」
「でも、剣が無ければ、何も出来ないじゃないか」
「うーん、俺っちも貯金が少なくて、剣を買ったら食費も無くなるっす」
「じゃあ、どうすりゃいいんだ」
「冒険者ギルドで剣をレンタルしてますよ」
「なんか情けないなあ、剣を借りるなんて。ますます、冒険者ギルドの主人に馬鹿にされて、もうろくな仕事が来ないぞ」
「まあ、ここは恥を忍んで剣を借りるしかないんじゃないすか」
「いや、俺はもう人生嫌になった。ここでふて寝して、死んでやる」
「それ、ただの昼寝じゃないすか」
「うるさいぞ」
「この前までやたら張り切ってたのに」
「とにかくやる気が無いんだ」
「やれやれ。とにかくスライム退治に行ってきますよ」
「俺には気にせず、報酬は全部自分のものにしていいぞ。俺はここで餓死してやる」
「なんか荒んでますね。まあ、リーダーの出腹が引っ込むのはいいかもしれませんね」
「うるさいぞ」
相棒はスライム退治に出て行った。
ああ、けど、おもろーないぞ。
ただ、ぼんやりと安宿のすすけた天井を見ながら横になっているだけ。
つまらん人生だった。
こんな人生じゃなかったはずだ。
しかし、やる気が出ない。
おっさんになると気力も体力も落ちていく。
そして、なぜか腹の方は出てくる。
不思議である。
さて、夕方、相棒が戻ってくる。
すると、剣を持っているではないか。
「おい、その剣、どうしたんだ」
「スライム退治が終わって、冒険者ギルドに行ったら、初老の冒険者の方がいたんすよ。その人、今日で冒険者はやめるってことでギルドにも挨拶に来たみたいっす。それで、農民になるようなんすけど、もう剣はいらないってことになったようっす。それで、リーダーが武器がなくて困ってることを言ったら、くれたんす」
「おお、何といい人なんだ」
「まあ、かなり使い古した剣で、武器屋でも引き取りを断られたらしいっすけど」
俺は相棒から剣を受け取る。
鞘から抜くと、確かに見てくれは冴えない。
「それでも剣が無いよりはマシだ。いや、実はこれは伝説の剣ではないか。その人は老冒険者のふりをした妖精ではないか。そして、俺にドラゴンを倒すことを託したのだ、美少女と一緒にここから大冒険がはじまるのだ」
「またまた、しょうもない妄想してますね。普通の人でしたよ。だいたい、何で唐突に美少女が出てくるんすか。美少女詐欺師に剣を盗られたくせに」
「うるさいぞ。とにかく、これでギルドに剣をレンタルしに行くなんてことはしなくていいわけだ」
「そういうことっすね。これで、明日から、またスライム退治っすね」
「まあ、とりあえず、スライム退治か。それはともかく、剣を貰ったお礼を言いたいのだが、その方はこの村のどこに住んでるんだ」
「いや、それがかなり遠い実家へ帰るとかで、もう出発されましたよ」
「うーん、一言礼を言いたかったのだが、残念だ」
それにしても、誰しもいつかは引退する時が来るのだなあ。
「ああ、俺もだいぶ年だ。引退を考える年齢になったのかもしれないなあ」
「けど、リーダーの場合、働かないと餓死じゃないすか」
「そうなんだよなあ、餓死はしたくない。ああ、貧乏はつらいなあ」
「何言ってんすか。朝は、ベッドの上で餓死してやるとか叫んでおいて」
「まあ、その場の勢いで言ってしまったことだ。忘れてくれ。でも、俺は一生、引退はないのか」
「生涯現役でいいじゃないすか。もしお金があって引退しても、リーダーには何もすることがなくて、ただ、ぼんやりと過ごす毎日が待ってるんじゃないすかね。そして、呆け老人になると」
「おいおい、俺だって読書とかしたいことはいろいろとあるぞ」
「でも、実際のところ、引退した人って、十か月後にはすることがなくなって退屈しちゃうって話がありますね」
「十か月後って、妙にリアリティがあるな」
「引退する前は、仕事の合間にちょっと時間が余ったら、その時間を利用して趣味に没頭していた人が、引退した途端、その趣味に全然興味を無くすって話があるっす。まあ、いつでも出来ると思うとなぜかやらなくなるみたいっすね。忙しい時は寝る間も惜しんでしていた趣味なのに。人間とは不思議っすね」
「うーん、そうか。けど、俺は引退したら、読書三昧で、脳内で冒険の旅に出るんだ、美少女百人に囲まれて」
「またキモイ妄想してますね。でも、貧乏なリーダーは死ぬまで仕事してんじゃないすか」
「そうなのか。ああ、ちゃんと金を貯めればよかったなあ」
「まあ、仕事してた方がいいすよ。引退して妙な妄想にのめり込んで、現実に美少女に変なことする年寄りになるよりはましじゃないすか」
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