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第70話:なぜこんなしょうもない人生を送ってしまったのだろうか、先の事を何も考えてなかったからじゃないすか
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俺と相棒、二人組の冒険者パーティー。
普段はスライム退治専門のしょぼいパーティーだ。
すっかりやる気を無くしている俺。
宿屋のベッドで寝ていると相棒に文句を言われる。
「リーダー、もう昼っすよ。いつまで寝てんすか」
「うーん、何だかやる気が出ないんだよなあ。ったく、俺の人生はおもろーないぞ」
ベッドでだらしなく寝転がっている俺を見てため息をつく相棒。
「そもそも人生なんてつまらないものなんすよ」
「何だよ、若いくせに覇気がないなあ。以前もそんなこと言ってなかったか。俺みたいになっちゃあ、お終いだぞ」
「そうすね。リーダーみたいに肩こり腰痛膝痛リュウマチ頻尿持ちでハゲデブブサイクになったらお終いっすね」
「そうだぞ……って、おいハゲデブブサイクってひどいじゃないか……しかし、なぜこんなしょうもない人生を送ってしまったのだろうか」
「先の事を何も考えてなかったからじゃないすか」
確かにそうだ。
計画性もなく行き当たりばったり。
「でも、野望はあったのだがなあ」
「リーダーの場合、野望じゃなくて単なる妄想じゃないすか。ドラゴン退治やらお姫様救出やら」
「うるさいぞ」
否定はしたが、確かに相棒の言う通りだな。
妄想していたら、いつの間にか中年だ。
そして、いつかは老人、あの世か。
ああ、情けない。
しかし、俺はベッドの上で思わず叫ぶ。
「いや、このまま死ぬのはいやだ。何か成功したい!」
「無理じゃないすか」
「おいおい、あっさり否定すんなよ」
「こんな昼間っから、ベッドの上でぐうたらしているハゲデブブサイクのおっさんが成功するわけないっすよ」
「うるさいぞ。何度も言うがハゲデブブサイクは関係ない」
しかし、相棒の言うことももっともだ。
「仕方が無い。起きるとするか」
「お、やっとやる気を出したんすか」
「そうだな。でも、もう昼か。今から冒険者ギルドに行っても、仕事はないだろうなあ。仕方が無い。今日は休みだ」
俺はまたベッドに横たわる。
「ちょっとリーダー、ホントにいい加減っすね」
「いいんだよ。今、わかった。はっきり言って、俺は無能だ。無能が張り切るとろくなことがないんだ」
「どうしたんすか。いつもと違って急に自虐的になって」
「いいか。軍隊の偉い人が言ってたんだ。世の中には四種類の人間がいる。まずは有能だがぐうたらな奴。こいつは大将に向いている。有能だけどぐうたらだから無駄なことはしないんだ。重要な事だけをする。次に、有能で勤勉な奴。こいつは参謀に向いている。常にいろんな情報を得ようと働いているし、優秀だから膨大な情報があっても的確な判断が出来るからな。そして、次は無能でぐうたらな奴だ」
「無能でぐうたらな奴って、ろくでもないですね」
「いや、こいつらは兵士に向いているんだ。無能だから、上の言うことをただ聞いてそのまま動くだけ。ぐうたらだから無駄なことはしない。そして、残ったのは無能で勤勉な奴だ。俺のことだな」
「ベッドの上でぐうたらしているおっさんのどこが勤勉なんすか」
「今までは勤勉に働いてきたんだよ。そして、そういう奴は一番役に立たないんだな。張り切って無駄に動いてかえって戦線を見出し、味方を敗北させてしまう。最大の敵は無能な味方ってわけだ。結論は、そういう連中はすぐに軍隊から追放しろってことだな。ああ、俺は追放されたんだ、人生は全て無駄だったってわけだ。というわけで今日はぐうたらするぞ」
俺の下らない言い訳をさらにうんざりとした顔で聞いている相棒。
「ちょっとリーダー。どうするんすか、今日の食費代とか」
「悪いけど、食堂に行ってパンの耳でももらってきてくれ」
呆れた顔で部屋を出て行く相棒。
でも、どうもやる気が出ないんだなあ。
ボケーっとベッドに横たわっている。
あれ? ハエがブンブン部屋の中を飛んでいる。
うっとおしいから、手でたたく。
「イテテ!」
くそ! 逆に刺された。
ハエじゃなくてアブだった。
おまけに逃げられた。
刺された箇所が痛いぞ。
相棒が部屋に戻ってきた。
「どうしたんすか」
「いや、アブに刺されてなあ。すごい痛いぞ」
「やれやれ。アブに負ける冒険者。とてもドラゴンに勝てるとは思えませんっすね」
「うるさいぞ。あれ、パンはどうした」
「それが今日は全部使ってしまったみたいでもらえませんでしたっす」
「おいおい、今日は絶食かよ」
「今からでも、冒険者ギルドに行きませんか」
「うむ、仕方が無い」
食い物が無ければ仕方が無い。
だらだらと冒険者ギルドに向かう俺。
やる気を失くした俺は村道をノロノロと歩く。
「ちょっと、リーダー、もっとしゃきっと歩いてくださいよ。そんなんだからアブに刺されたりするんすよ」
「でもなあ、俺もおっさんなんだ。それもやる気を失ったおっさん。無能で将来も無いおっさん。周りに迷惑をかけるだけの存在。アブにも負ける冒険者。もうだめだな」
「ちょっと、アブに刺されたくらいで、元気出してくださいっすよ」
「でも全然元気が出ないんだな」
冒険者ギルドに行くと、幸いのことにスライム退治の仕事が残っていた。場所は村近くの畑。だらだらとスライムを見つけては倒していく。簡単で何の刺激も無い仕事だ。ちっとも冒険していない。
「ああ、おもろーないぞ」
「ちょっと、もう少しやる気出して下さいよ、リーダー」
「さっき言っただろ。無能な働き者は必要ないんだ。無能でもぐうたらな奴の方がマシなんだ」
俺は近くの木陰に座り込む。
「リーダー、さぼりっすか」
「ちょっと休ませろ。俺は疲れてるんだ」
ああ、人生何もかもつまらん。
つまらんなあと思っていると、またアブを見つけた。
目の前の雑草の花にとまっている。
「このアブめ。さっきは取り逃がしたが今度はそうはいかんぞ」
俺はそっとアブを叩こうとして、相棒に止められた。
「このアブは人を刺しませんよ。花の蜜を吸ってる種類のアブっすね。植物の受粉とかに役に立ってますよ」
「おお、アブにもそういう奴がいたのか。人の害にはならないんだな。害虫ではないわけか」
「害虫って人間が勝手にそう言ってるだけっすけどね。人を刺す蚊もボウフラの時は水の浄化に役に立っているって聞いたことがあるっすね」
「うーん、そうか、有能で勤勉な奴らってことだな。無能で勤勉だった俺よりずっとましだなあ」
「また、自虐的になってますね」
「すると、スライムの連中も何かの役に立っているのだろうか」
「うーん、わかりませんっすけどねえ。まあ、俺っちらがだらだらと退治して、ハゲデブブサイクのおっさんの食費に代わるんだから、役に立っているんじゃないすか」
「だからハゲデブブサイクは関係ないだろ。さて、休憩は終わりだ」
俺は立ち上がろうとしたが、腰に激痛が走った。
「ウォ!」
「どうしたんすか」
「イテテ、ギックリ腰だ」
「またですか。しょうがないすねえ。しばらくそこで横になっててくれますか。スライムの退治は俺っちがやりますよ」
「ううむ、すまん」
木陰で横になる俺。
すっかり、無能でぐうたらな奴になってしまった。しかし、それでいいのではないか。アブや蚊以下の存在だな、今や。
しかし、しばらく横になっているとやはりこのままではいかんとも思ってしまう。
「いや、いつかはドラゴンを倒すぞ!」
俺は思わず大声を出す。
「ちょっとそんな大声出すと腰にひびきますよ」
「わかってる」
しかし、やはりこのままでは死ねないと俺は思うのであった。
何か大きな仕事をしてやるぞ。
時間は残り少ないようだが。
普段はスライム退治専門のしょぼいパーティーだ。
すっかりやる気を無くしている俺。
宿屋のベッドで寝ていると相棒に文句を言われる。
「リーダー、もう昼っすよ。いつまで寝てんすか」
「うーん、何だかやる気が出ないんだよなあ。ったく、俺の人生はおもろーないぞ」
ベッドでだらしなく寝転がっている俺を見てため息をつく相棒。
「そもそも人生なんてつまらないものなんすよ」
「何だよ、若いくせに覇気がないなあ。以前もそんなこと言ってなかったか。俺みたいになっちゃあ、お終いだぞ」
「そうすね。リーダーみたいに肩こり腰痛膝痛リュウマチ頻尿持ちでハゲデブブサイクになったらお終いっすね」
「そうだぞ……って、おいハゲデブブサイクってひどいじゃないか……しかし、なぜこんなしょうもない人生を送ってしまったのだろうか」
「先の事を何も考えてなかったからじゃないすか」
確かにそうだ。
計画性もなく行き当たりばったり。
「でも、野望はあったのだがなあ」
「リーダーの場合、野望じゃなくて単なる妄想じゃないすか。ドラゴン退治やらお姫様救出やら」
「うるさいぞ」
否定はしたが、確かに相棒の言う通りだな。
妄想していたら、いつの間にか中年だ。
そして、いつかは老人、あの世か。
ああ、情けない。
しかし、俺はベッドの上で思わず叫ぶ。
「いや、このまま死ぬのはいやだ。何か成功したい!」
「無理じゃないすか」
「おいおい、あっさり否定すんなよ」
「こんな昼間っから、ベッドの上でぐうたらしているハゲデブブサイクのおっさんが成功するわけないっすよ」
「うるさいぞ。何度も言うがハゲデブブサイクは関係ない」
しかし、相棒の言うことももっともだ。
「仕方が無い。起きるとするか」
「お、やっとやる気を出したんすか」
「そうだな。でも、もう昼か。今から冒険者ギルドに行っても、仕事はないだろうなあ。仕方が無い。今日は休みだ」
俺はまたベッドに横たわる。
「ちょっとリーダー、ホントにいい加減っすね」
「いいんだよ。今、わかった。はっきり言って、俺は無能だ。無能が張り切るとろくなことがないんだ」
「どうしたんすか。いつもと違って急に自虐的になって」
「いいか。軍隊の偉い人が言ってたんだ。世の中には四種類の人間がいる。まずは有能だがぐうたらな奴。こいつは大将に向いている。有能だけどぐうたらだから無駄なことはしないんだ。重要な事だけをする。次に、有能で勤勉な奴。こいつは参謀に向いている。常にいろんな情報を得ようと働いているし、優秀だから膨大な情報があっても的確な判断が出来るからな。そして、次は無能でぐうたらな奴だ」
「無能でぐうたらな奴って、ろくでもないですね」
「いや、こいつらは兵士に向いているんだ。無能だから、上の言うことをただ聞いてそのまま動くだけ。ぐうたらだから無駄なことはしない。そして、残ったのは無能で勤勉な奴だ。俺のことだな」
「ベッドの上でぐうたらしているおっさんのどこが勤勉なんすか」
「今までは勤勉に働いてきたんだよ。そして、そういう奴は一番役に立たないんだな。張り切って無駄に動いてかえって戦線を見出し、味方を敗北させてしまう。最大の敵は無能な味方ってわけだ。結論は、そういう連中はすぐに軍隊から追放しろってことだな。ああ、俺は追放されたんだ、人生は全て無駄だったってわけだ。というわけで今日はぐうたらするぞ」
俺の下らない言い訳をさらにうんざりとした顔で聞いている相棒。
「ちょっとリーダー。どうするんすか、今日の食費代とか」
「悪いけど、食堂に行ってパンの耳でももらってきてくれ」
呆れた顔で部屋を出て行く相棒。
でも、どうもやる気が出ないんだなあ。
ボケーっとベッドに横たわっている。
あれ? ハエがブンブン部屋の中を飛んでいる。
うっとおしいから、手でたたく。
「イテテ!」
くそ! 逆に刺された。
ハエじゃなくてアブだった。
おまけに逃げられた。
刺された箇所が痛いぞ。
相棒が部屋に戻ってきた。
「どうしたんすか」
「いや、アブに刺されてなあ。すごい痛いぞ」
「やれやれ。アブに負ける冒険者。とてもドラゴンに勝てるとは思えませんっすね」
「うるさいぞ。あれ、パンはどうした」
「それが今日は全部使ってしまったみたいでもらえませんでしたっす」
「おいおい、今日は絶食かよ」
「今からでも、冒険者ギルドに行きませんか」
「うむ、仕方が無い」
食い物が無ければ仕方が無い。
だらだらと冒険者ギルドに向かう俺。
やる気を失くした俺は村道をノロノロと歩く。
「ちょっと、リーダー、もっとしゃきっと歩いてくださいよ。そんなんだからアブに刺されたりするんすよ」
「でもなあ、俺もおっさんなんだ。それもやる気を失ったおっさん。無能で将来も無いおっさん。周りに迷惑をかけるだけの存在。アブにも負ける冒険者。もうだめだな」
「ちょっと、アブに刺されたくらいで、元気出してくださいっすよ」
「でも全然元気が出ないんだな」
冒険者ギルドに行くと、幸いのことにスライム退治の仕事が残っていた。場所は村近くの畑。だらだらとスライムを見つけては倒していく。簡単で何の刺激も無い仕事だ。ちっとも冒険していない。
「ああ、おもろーないぞ」
「ちょっと、もう少しやる気出して下さいよ、リーダー」
「さっき言っただろ。無能な働き者は必要ないんだ。無能でもぐうたらな奴の方がマシなんだ」
俺は近くの木陰に座り込む。
「リーダー、さぼりっすか」
「ちょっと休ませろ。俺は疲れてるんだ」
ああ、人生何もかもつまらん。
つまらんなあと思っていると、またアブを見つけた。
目の前の雑草の花にとまっている。
「このアブめ。さっきは取り逃がしたが今度はそうはいかんぞ」
俺はそっとアブを叩こうとして、相棒に止められた。
「このアブは人を刺しませんよ。花の蜜を吸ってる種類のアブっすね。植物の受粉とかに役に立ってますよ」
「おお、アブにもそういう奴がいたのか。人の害にはならないんだな。害虫ではないわけか」
「害虫って人間が勝手にそう言ってるだけっすけどね。人を刺す蚊もボウフラの時は水の浄化に役に立っているって聞いたことがあるっすね」
「うーん、そうか、有能で勤勉な奴らってことだな。無能で勤勉だった俺よりずっとましだなあ」
「また、自虐的になってますね」
「すると、スライムの連中も何かの役に立っているのだろうか」
「うーん、わかりませんっすけどねえ。まあ、俺っちらがだらだらと退治して、ハゲデブブサイクのおっさんの食費に代わるんだから、役に立っているんじゃないすか」
「だからハゲデブブサイクは関係ないだろ。さて、休憩は終わりだ」
俺は立ち上がろうとしたが、腰に激痛が走った。
「ウォ!」
「どうしたんすか」
「イテテ、ギックリ腰だ」
「またですか。しょうがないすねえ。しばらくそこで横になっててくれますか。スライムの退治は俺っちがやりますよ」
「ううむ、すまん」
木陰で横になる俺。
すっかり、無能でぐうたらな奴になってしまった。しかし、それでいいのではないか。アブや蚊以下の存在だな、今や。
しかし、しばらく横になっているとやはりこのままではいかんとも思ってしまう。
「いや、いつかはドラゴンを倒すぞ!」
俺は思わず大声を出す。
「ちょっとそんな大声出すと腰にひびきますよ」
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