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第83話:狂暴なスライムでも出現してこないのだろうか、ダイアモンドのような硬いスライムとか、スライムはやわらかいもんすよ
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俺と相棒、二人組の冒険者パーティー。
普段はスライム退治専門のしょぼいパーティーだ。
「何か大きな仕事がしたい!」
冒険者ギルドでわめく俺。しかし、依頼されたのはまたもやスライム退治。
「やれやれ。結局、スライム退治かよ」
相棒に冷やかされる。
「しょうがないんじゃないすか。病気持ちのハゲデブブサイクのおっさんには何の期待もされてないってことっすね」
「うるさいぞ」
さて、指定された場所へ行く。
村の中の散歩道。
両側にまばらに木が生えているだけ。
のんびりとした場所だ。
「何だよ、全然冒険してないぞ、ったく」
「まあ、それでもちらほらスライムがいまっすよ」
「とにかく仕事をさっさと済ませるか」
相棒と二手に分かれてスライムを退治していく。
バシッ! バシッ!
あっという間にスライムを退治。
全然おもろーないぞ。
「もう終わった。おい、お前の方はどうだ……って、また昼寝してんのか」
立ったまま目を瞑っていた相棒がはっと目を覚ます。
「なにさぼってんだよ」
「いやあ、今後の人生について考えてたんすよ。今のリーダーの不様な末路を見ていると少し不安になりましたっす」
「不様な末路って、俺はまだ死んでないぞ」
「そう言えばそうすね。でも、人生は終了してるようなもんすね、リーダーは」
「うるさいぞ。とは言うものの毎度毎度のスライムを退治。おもろーないぞ。狂暴なスライムでも出現してこないのだろうか、ダイアモンドのような硬いスライムとか」
「スライムはやわらかいもんすよ。硬かったらスライムじゃないす。まあ、いたとしても、こんなのどかな場所に現れるとは思いませんっすね。それにそんなのが現れたら、ハゲデブブサイクの病気持ちのリーダーはあっという間にやられるんじゃないすか」
「うるさいぞ」
さて、相棒と下らん会話をしていると、散歩道を老人が歩いてくる。杖で前方の地面をやたら叩いている。よく見ると目を瞑っている。この御老体は目が見えないのだろうか。その老人が俺たちの少し前くらいで立ち止まる。そして、なにかただならぬ気配をこの老人から俺は感じた。御老体が声をかけてきた。
「どなたかおられるのかのう」
「はい、冒険者ギルドから頼まれてこの辺りのスライムを退治しております」
「そうか。それはご苦労様です」
「ところで、御老体はもしかして目が見えないのですか」
「ああ、そうじゃ。失明して全く見えない」
「よく我々に気づきましたね」
「心眼じゃよ、心眼。目が見えなくても心でお前さん達がいるのがわかった……って冗談だ。あんたらが会話をしているのが聞こえてきたんでなあ」
そうだよなあ。
心で見えるなら杖は必要ないもんな。
「御老体、一応、この辺りのスライムは一掃しましたが注意して歩いてください」
「わかってるよ」
また、杖で前方の地面を叩きながら歩いていく老人。
「あの老人は目が見えなくてもしっかりとした足取りだ。目が見えなくても元気そうだな。俺も例え病気が進んでも最後まで頑張るぞ」
「何言ってんすか。糖尿病とかに罹ったらどうすんですか。糖尿病で失明したら、あんな落ち着いて歩けないんじゃないすか。ただわめきちらしてベッドの上で嘆いているリーダーを想像しましたよ」
「うるさいぞ」
しかし、実際に目が見えなくなったら冒険者どころか事務員にもなれない。
いや、そんなことないぞ。
「この前話したが、目が見えない奴と片腕一本しかない冒険者が組んでオーガを倒したのを見たぞ」
「その冒険者二人組は本物の冒険者っすね。ハゲデブブサイクでダイアモンドのスライム退治とか妄想しているリーダーとは大違いっすね」
「うるさいぞ」
再びしょうもない会話を相棒としていて、ふと老人の方を見ると、木の上にスライムがいるのを俺は見つけた。
「しまった。木の上にいるとは。あの老人を狙ってるぞ」
俺と相棒は走って老人を助けに行く。
「御老体、逃げてください! スライムが狙ってます!」
俺は声をかけるが、その老人はじっと立ったままだ。
その老人にスライムが飛び掛かる。
すると、老人が杖を高々と振り上げる。
「えい!」
気合もろとも襲いかかってきたスライムを杖で叩きのめす老人。
あっさりとスライムを倒してしまった。
おお、すごいぞ。
「すみません。御老体、あなたの名前を教えてくれませんか」
その名前を聞いて俺はびっくりする。
その昔、活躍したかなり有名な冒険者ではないか。
「さすがですね。本当に心眼で見えたんじゃないですか」
「いや、スライム程度なら気配でわかるよ。大したことじゃない。では」
また杖を地面に叩きながら歩いて去っていく元冒険者。
「うーむ、目が見えないのに飛び掛かってきたスライムを倒したぞ。俺はまだ目が見える。よし、これから大活躍するぞ。大仕事をするぞ、ドラゴン退治だ、美少女姫だ」
「元気を出すのはいいすけど、その妄想なんとかなりませんすか」
「うるさいぞ」
俺は張り切っているぞ。
まだ何とかなる。
いろんな病気に罹っているが、まだ体が動くし、目も見えるのだ。
「さあ、帰るか」
のっしのっしと散歩道を歩く俺。
気分はドラゴン退治をした冒険者だ。
しかし、突然、体が前のめりになった。
「ウォ!」
俺はすっ転ぶ。
「何やってんすか。またですか、目が見えるのに地面の小石に足をとられて転ぶなんて。到底ドラゴン退治なんて夢のまた夢っすね、リーダーには」
「くそ、面目ない」
しかし、やはりまだ俺は生きている。
ドラゴン退治とは言わないまでも大仕事をやってのけるぞ。
普段はスライム退治専門のしょぼいパーティーだ。
「何か大きな仕事がしたい!」
冒険者ギルドでわめく俺。しかし、依頼されたのはまたもやスライム退治。
「やれやれ。結局、スライム退治かよ」
相棒に冷やかされる。
「しょうがないんじゃないすか。病気持ちのハゲデブブサイクのおっさんには何の期待もされてないってことっすね」
「うるさいぞ」
さて、指定された場所へ行く。
村の中の散歩道。
両側にまばらに木が生えているだけ。
のんびりとした場所だ。
「何だよ、全然冒険してないぞ、ったく」
「まあ、それでもちらほらスライムがいまっすよ」
「とにかく仕事をさっさと済ませるか」
相棒と二手に分かれてスライムを退治していく。
バシッ! バシッ!
あっという間にスライムを退治。
全然おもろーないぞ。
「もう終わった。おい、お前の方はどうだ……って、また昼寝してんのか」
立ったまま目を瞑っていた相棒がはっと目を覚ます。
「なにさぼってんだよ」
「いやあ、今後の人生について考えてたんすよ。今のリーダーの不様な末路を見ていると少し不安になりましたっす」
「不様な末路って、俺はまだ死んでないぞ」
「そう言えばそうすね。でも、人生は終了してるようなもんすね、リーダーは」
「うるさいぞ。とは言うものの毎度毎度のスライムを退治。おもろーないぞ。狂暴なスライムでも出現してこないのだろうか、ダイアモンドのような硬いスライムとか」
「スライムはやわらかいもんすよ。硬かったらスライムじゃないす。まあ、いたとしても、こんなのどかな場所に現れるとは思いませんっすね。それにそんなのが現れたら、ハゲデブブサイクの病気持ちのリーダーはあっという間にやられるんじゃないすか」
「うるさいぞ」
さて、相棒と下らん会話をしていると、散歩道を老人が歩いてくる。杖で前方の地面をやたら叩いている。よく見ると目を瞑っている。この御老体は目が見えないのだろうか。その老人が俺たちの少し前くらいで立ち止まる。そして、なにかただならぬ気配をこの老人から俺は感じた。御老体が声をかけてきた。
「どなたかおられるのかのう」
「はい、冒険者ギルドから頼まれてこの辺りのスライムを退治しております」
「そうか。それはご苦労様です」
「ところで、御老体はもしかして目が見えないのですか」
「ああ、そうじゃ。失明して全く見えない」
「よく我々に気づきましたね」
「心眼じゃよ、心眼。目が見えなくても心でお前さん達がいるのがわかった……って冗談だ。あんたらが会話をしているのが聞こえてきたんでなあ」
そうだよなあ。
心で見えるなら杖は必要ないもんな。
「御老体、一応、この辺りのスライムは一掃しましたが注意して歩いてください」
「わかってるよ」
また、杖で前方の地面を叩きながら歩いていく老人。
「あの老人は目が見えなくてもしっかりとした足取りだ。目が見えなくても元気そうだな。俺も例え病気が進んでも最後まで頑張るぞ」
「何言ってんすか。糖尿病とかに罹ったらどうすんですか。糖尿病で失明したら、あんな落ち着いて歩けないんじゃないすか。ただわめきちらしてベッドの上で嘆いているリーダーを想像しましたよ」
「うるさいぞ」
しかし、実際に目が見えなくなったら冒険者どころか事務員にもなれない。
いや、そんなことないぞ。
「この前話したが、目が見えない奴と片腕一本しかない冒険者が組んでオーガを倒したのを見たぞ」
「その冒険者二人組は本物の冒険者っすね。ハゲデブブサイクでダイアモンドのスライム退治とか妄想しているリーダーとは大違いっすね」
「うるさいぞ」
再びしょうもない会話を相棒としていて、ふと老人の方を見ると、木の上にスライムがいるのを俺は見つけた。
「しまった。木の上にいるとは。あの老人を狙ってるぞ」
俺と相棒は走って老人を助けに行く。
「御老体、逃げてください! スライムが狙ってます!」
俺は声をかけるが、その老人はじっと立ったままだ。
その老人にスライムが飛び掛かる。
すると、老人が杖を高々と振り上げる。
「えい!」
気合もろとも襲いかかってきたスライムを杖で叩きのめす老人。
あっさりとスライムを倒してしまった。
おお、すごいぞ。
「すみません。御老体、あなたの名前を教えてくれませんか」
その名前を聞いて俺はびっくりする。
その昔、活躍したかなり有名な冒険者ではないか。
「さすがですね。本当に心眼で見えたんじゃないですか」
「いや、スライム程度なら気配でわかるよ。大したことじゃない。では」
また杖を地面に叩きながら歩いて去っていく元冒険者。
「うーむ、目が見えないのに飛び掛かってきたスライムを倒したぞ。俺はまだ目が見える。よし、これから大活躍するぞ。大仕事をするぞ、ドラゴン退治だ、美少女姫だ」
「元気を出すのはいいすけど、その妄想なんとかなりませんすか」
「うるさいぞ」
俺は張り切っているぞ。
まだ何とかなる。
いろんな病気に罹っているが、まだ体が動くし、目も見えるのだ。
「さあ、帰るか」
のっしのっしと散歩道を歩く俺。
気分はドラゴン退治をした冒険者だ。
しかし、突然、体が前のめりになった。
「ウォ!」
俺はすっ転ぶ。
「何やってんすか。またですか、目が見えるのに地面の小石に足をとられて転ぶなんて。到底ドラゴン退治なんて夢のまた夢っすね、リーダーには」
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