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第110話:雨が降ると体調不良になるってやつっすか、こりゃ、完全に誰もリーダーには興味を持たないっすね、うるさいぞ、とにかく今日は寝る
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俺と相棒、二人組の冒険者パーティー。
普段はスライム退治専門のしょぼいパーティーだ。
朝。
「うーん、うーん」
「何すか、リーダー。また腰痛すか」
「昨日の警備の仕事で腰を打ったんでなあ。おまけに膝も痺れている。今日は雨が降るぞ」
「外は全然晴れているっすけど」
「いや、俺の勘は当たるのだ。いや、勘ではない。病気の症状だな」
「雨が降ると体調不良になるってやつっすか。何だか、もう介護老人すね。こりゃ、完全に誰もリーダーには興味を持たないっすね。一部の篤志家だけじゃないすかね」
「うるさいぞ。とにかく今日は寝る」
「まあ、俺っちだけで冒険者ギルドに行ってきますよ」
「悪い。よろしく頼む」
そんなわけで、俺はいつものように漫然とベッドに寝ている。
相棒もすっかり呆れているようだな。
しかし、この体調不良はいかんともしがたい。
それにしても、何とつまらない人生だ。
血沸き肉躍る生涯を送るはずだったのに、体は冷めたままで動かない。
ああ、情けない。
お、床に黒い虫がいる。
ゴキブリだ。
今や俺の相手はゴキブリか。
これまた情けないことだ。
寝たまま剣を握るとゴキブリに向かって振るが、あっさりと逃げられる。
ゴキブリごときにも勝てない。
もう俺の人生も最終回か。
本格的に第二の人生を考えるかな。
冒険者年金事務所の事務員か。
何だかやる気が出ないなあ。
いや、何とか引退するまでに凶悪なモンスターを倒すぞ、一匹でも。
と何度思ったことか。
しかし、寝てばかりでは筋肉がどんどん落ちてしまう。
俺は何とかベッドから立ち上がる。
体調からすると今日は雨が降るはずなのだがなあ。
窓から外を見るとすっかり晴れている。
体調不良と天気とは関係ないのかと思っていたら、おお、雨が降ってきたぞ。
いわゆる天気雨ってやつだ。
晴れているのに雨が降る。
不思議な現象だなあ。
晴れているので、雨粒がキラキラと輝いて綺麗だ。
おっと、少ししたら止んだ。
おお、すごい綺麗な虹が見えるぞ。
晴れているので虹が出やすいのか。
あの虹ってのも不思議だな。
しかし、自然というものはよく見ると綺麗なものだなあ。
宿屋の窓から綺麗な虹を見ながら人生を振り返る中年男。
って、これでは純文学っぽい人生だな。
ますます誰にも相手にされなくなるぞ。
なんてことを考えていたら、さっきのゴキブリがまた現れた。
ちょこざいな奴だ。
成敗してやる。
俺は剣を振りかざす。
すると、いきなりゴキブリが俺に向かって飛んできた。
「うわ!」
びっくりした俺は床に尻もちをつく。
またゴキブリに逃げられた。
そういや、ゴキブリも少しは飛べるんだよな。
普段は床を這いずりまわっているだけの奴らだが。
やれやれ。
主人公がゴキブリに負けて最終回の冒険小説なんてあるのだろうか。
そんな小説を読まされたら、読者は怒るだろうなあ。
ああ、しかしまた腰の痛みがひどくなった。
ベッドに寝転ぶ俺。
いつの間にか寝てしまった。
……………………………………………………
気が付くと、もう夕方だ。
あれ、相棒が戻って来ない。
いつもはヘラヘラしながらさっさと帰ってくるのに。
まさか、ついに見捨てられたのだろうか。
不安になる俺。
すると、部屋の扉が開いた。
相棒がなんだか廊下にいる人たちと話している。
「じゃあ、今日はお疲れ様でした」
「さっきのことだけど、受けてはくれないのか」
「いやあ、もうパーティーは組んでいますので」
「そうか、残念だな。じゃあ、また機会があったら一緒に冒険しようぜ」
部屋の中に入ってきた相棒に聞く。
「今の人たちは誰なんだ」
「それがっすねえ、今日も例のごとく村の近くの草原でスライム退治してたんすけどね。そしたら、以前に村を襲ったコボルトたちの残党が襲ってきましてね」
「そうなのか。それで、大丈夫だったのか」
「十匹くらいいるんで、これはやばいかなと思ったんすけど、ちょうど他の冒険者たちが通りかかって協力して倒したんす」
「そのパーティーもこの宿屋に泊まりにきたのか。で、受けてくれとかなんとか言ってけど」
「ああ、一緒に活動しないかって誘われたんすけどねえ」
うーん、こんなおっさんと一緒に行動していても相棒は成長しないのではないだろうか。
「なあ、別に俺のことは気にせずにあのパーティーに入ってもいいんだぞ」
「いやあ、リーダーといるほうが落ち着きますんでねえ。ハゲデブブサイクのおっさんが滑稽な行動をしていると見ていて楽しいんで」
「おいおい、それはひどいじゃないか」
「冗談すよ、冗談。まあ、リーダーが冒険者年金事務所で働くっていうなら、パーティーは解散すけどねえ」
「うーん、もうちょっと我慢してくれよ。大物モンスターを一匹でも倒したいんだ。年金事務所で働くのはそれからだ」
「当分なさそうっすねえ。一生ないんじゃないすか。そのままあの世逝きっすね。まあ、葬式の弔辞はまかせてくださいっすよ。ハゲデブブサイクのおっさんの不様な生涯をあらわにして式の参列者を笑わせてやりますよ。今から楽しみっす」
「おいおい、そんなこと言うなんて、本当にひどいじゃないか」
「冗談すよ、冗談」
しかし、ゴキブリにも負ける冒険者。
笑われてもしょうがないかと思ってしまう俺であった。
普段はスライム退治専門のしょぼいパーティーだ。
朝。
「うーん、うーん」
「何すか、リーダー。また腰痛すか」
「昨日の警備の仕事で腰を打ったんでなあ。おまけに膝も痺れている。今日は雨が降るぞ」
「外は全然晴れているっすけど」
「いや、俺の勘は当たるのだ。いや、勘ではない。病気の症状だな」
「雨が降ると体調不良になるってやつっすか。何だか、もう介護老人すね。こりゃ、完全に誰もリーダーには興味を持たないっすね。一部の篤志家だけじゃないすかね」
「うるさいぞ。とにかく今日は寝る」
「まあ、俺っちだけで冒険者ギルドに行ってきますよ」
「悪い。よろしく頼む」
そんなわけで、俺はいつものように漫然とベッドに寝ている。
相棒もすっかり呆れているようだな。
しかし、この体調不良はいかんともしがたい。
それにしても、何とつまらない人生だ。
血沸き肉躍る生涯を送るはずだったのに、体は冷めたままで動かない。
ああ、情けない。
お、床に黒い虫がいる。
ゴキブリだ。
今や俺の相手はゴキブリか。
これまた情けないことだ。
寝たまま剣を握るとゴキブリに向かって振るが、あっさりと逃げられる。
ゴキブリごときにも勝てない。
もう俺の人生も最終回か。
本格的に第二の人生を考えるかな。
冒険者年金事務所の事務員か。
何だかやる気が出ないなあ。
いや、何とか引退するまでに凶悪なモンスターを倒すぞ、一匹でも。
と何度思ったことか。
しかし、寝てばかりでは筋肉がどんどん落ちてしまう。
俺は何とかベッドから立ち上がる。
体調からすると今日は雨が降るはずなのだがなあ。
窓から外を見るとすっかり晴れている。
体調不良と天気とは関係ないのかと思っていたら、おお、雨が降ってきたぞ。
いわゆる天気雨ってやつだ。
晴れているのに雨が降る。
不思議な現象だなあ。
晴れているので、雨粒がキラキラと輝いて綺麗だ。
おっと、少ししたら止んだ。
おお、すごい綺麗な虹が見えるぞ。
晴れているので虹が出やすいのか。
あの虹ってのも不思議だな。
しかし、自然というものはよく見ると綺麗なものだなあ。
宿屋の窓から綺麗な虹を見ながら人生を振り返る中年男。
って、これでは純文学っぽい人生だな。
ますます誰にも相手にされなくなるぞ。
なんてことを考えていたら、さっきのゴキブリがまた現れた。
ちょこざいな奴だ。
成敗してやる。
俺は剣を振りかざす。
すると、いきなりゴキブリが俺に向かって飛んできた。
「うわ!」
びっくりした俺は床に尻もちをつく。
またゴキブリに逃げられた。
そういや、ゴキブリも少しは飛べるんだよな。
普段は床を這いずりまわっているだけの奴らだが。
やれやれ。
主人公がゴキブリに負けて最終回の冒険小説なんてあるのだろうか。
そんな小説を読まされたら、読者は怒るだろうなあ。
ああ、しかしまた腰の痛みがひどくなった。
ベッドに寝転ぶ俺。
いつの間にか寝てしまった。
……………………………………………………
気が付くと、もう夕方だ。
あれ、相棒が戻って来ない。
いつもはヘラヘラしながらさっさと帰ってくるのに。
まさか、ついに見捨てられたのだろうか。
不安になる俺。
すると、部屋の扉が開いた。
相棒がなんだか廊下にいる人たちと話している。
「じゃあ、今日はお疲れ様でした」
「さっきのことだけど、受けてはくれないのか」
「いやあ、もうパーティーは組んでいますので」
「そうか、残念だな。じゃあ、また機会があったら一緒に冒険しようぜ」
部屋の中に入ってきた相棒に聞く。
「今の人たちは誰なんだ」
「それがっすねえ、今日も例のごとく村の近くの草原でスライム退治してたんすけどね。そしたら、以前に村を襲ったコボルトたちの残党が襲ってきましてね」
「そうなのか。それで、大丈夫だったのか」
「十匹くらいいるんで、これはやばいかなと思ったんすけど、ちょうど他の冒険者たちが通りかかって協力して倒したんす」
「そのパーティーもこの宿屋に泊まりにきたのか。で、受けてくれとかなんとか言ってけど」
「ああ、一緒に活動しないかって誘われたんすけどねえ」
うーん、こんなおっさんと一緒に行動していても相棒は成長しないのではないだろうか。
「なあ、別に俺のことは気にせずにあのパーティーに入ってもいいんだぞ」
「いやあ、リーダーといるほうが落ち着きますんでねえ。ハゲデブブサイクのおっさんが滑稽な行動をしていると見ていて楽しいんで」
「おいおい、それはひどいじゃないか」
「冗談すよ、冗談。まあ、リーダーが冒険者年金事務所で働くっていうなら、パーティーは解散すけどねえ」
「うーん、もうちょっと我慢してくれよ。大物モンスターを一匹でも倒したいんだ。年金事務所で働くのはそれからだ」
「当分なさそうっすねえ。一生ないんじゃないすか。そのままあの世逝きっすね。まあ、葬式の弔辞はまかせてくださいっすよ。ハゲデブブサイクのおっさんの不様な生涯をあらわにして式の参列者を笑わせてやりますよ。今から楽しみっす」
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