野球部のマネージャーの僕

守 秀斗

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第2話:島谷先輩とするのを妄想

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 さて、野球部の部室にドキドキしながら一人で残っている僕。

 僕は島谷先輩のロッカーの前に立つ。ロッカーを開けるとバットが入っている。島谷先輩専用のバット。他の人は部室にあるバットを共有で使ったりしているけど、島谷先輩は自分専用のバットを持っている。

 僕は服を全部脱いで、裸になった。僕の頭の中では、後ろに島谷先輩がいて無理矢理制服を脱がされるって設定なの。ますますドキドキしてしまう。バットを股に挟んで後ろの穴に押し当てる。気持ちがいい。さすがに後ろの穴には入らないけど。そして、自分のモノをしごく。島谷先輩に後ろから愛されるのを妄想しながら、自分でするの。頭の中では島谷先輩が僕の腰を掴んで、立ったままの僕のお尻を突き出させて、後ろから激しく責めてくるの。僕の後ろの穴に先輩のアレが根元まで挿入されてるの。ああん、気持ちがいい。ああ、本当にしてほしいなあ。でも、本人に告白したいけど、勇気がなくてまだしていない。

「アッ、アッ、アッ、いい、いいです、島谷先輩、好きです、大好きです、ああ、もっと深く入れて、僕の後ろの穴に、ああん、僕を愛してえ! もっと激しく突いて、ああ、いいです、お願い、僕の中に出してえ!」

 声に出すともっと興奮してしまう。なんで、声に出すと興奮するんだろう。でも、気持ちがいい。

「ああ、いく、いくう、ああ、いっちゃいます、いっちゃう! いっちゃう! ああ、いくううううう!!!!!」

 僕のモノの先端から白い液が噴き出て先輩のロッカーの扉にかかってしまった。すごく気持ちいい瞬間。でも、その時、突然部室の扉が開いた。一瞬で我に返る僕。そこには野球部キャプテンの勅使河原先輩がいた。素っ裸でバットで後ろの穴を刺激しながら、白い体液を飛ばした僕を呆然と見ている。僕は慌てて服を着た。そして、再び、勅使河原キャプテンの顔を見た。ポケーッとした顔をしているキャプテン。僕は顔が真っ赤になった。まずいところを見られてしまった。言い訳のしようがなくて、おろおろしていると勅使河原キャプテンが急に笑い出した。

「あはは、何だよ。新堂は島谷のことが好きなのか」

 てっきり怒られると思ったんだけど、勅使河原キャプテンはクスクスと笑っている。

「俺は忘れ物を取りに帰ってきたんだけどさ。いやあ、ちょっとびっくりしたけど、まあ、最近は男同士でもそういう関係ってあるもんなあ。いや、昔からあったのかな」

 そして、勅使河原キャプテンは自分のロッカーを開けてカバンを取り出す。

「まあ、ちゃんとロッカーを拭いてきれいにしておけよ。後、そのバットもちゃんと清潔にしておくことだな。今のは見なかったことにするからさあ」
「あ、あの、すみません、キャプテン……」
「なんだい」
「……誰にも言わないでください……お願いします……」

 必死になって頭を下げる僕。勅使河原キャプテンはそのごっつい顔で苦笑いをする。

「誰にも言わないよ、それじゃあな!」

 そう言って、勅使河原キャプテンは部室から出て行った。本当に誰にも言わないのかなあ。ああ、すごく恥ずかしい。実は、中学生の時、命令されて彼の前で裸になって何度か自分でしたことがある。彼に見られながら、自分のを刺激する。裸だけでなく、彼の言うがままいろんな服装になってもした。いろんないやらしい衣装を着て、自分でした。恥ずかしかったけど、興奮もした。やっぱり僕は人に従うのが好きなんだ。奴隷になって、言うがままになりたいの、征服されたいの。そして、命令されて出す時、すごく気持ち良かった。でも、こんな部室でバットをお尻にあててしてるところを見られるなんて、本来の意味で恥ずかしいし、情けない。

 島谷先輩のロッカーに出してしまった自分の体液を拭き取り、バットの方は部室にある消毒液を使って、きれいにハンカチで拭いておく。部室を出ると、僕はとぼとぼと家に向かって歩いた。

 家に帰る途中、荒川岸の横を通る。落ち込んでいる僕はちょっと川の方に下りて川岸に座った。まずいところを見られてしまった。誰にも言わないで下さいって頼んだけど、勅使河原キャプテン、誰かに言うんじゃないかなあ。キャプテンが友人たちに僕がしていたことを話して、大勢で笑っている光景を頭に浮かべてしまった。ああ、本当に恥ずかしい!

 何であんなことをしてしまったのか。それは島谷先輩が好きだからだ。僕が島谷先輩を見たのは、入学して少し経った後に野球部が運動場で練習をしている時。一目惚れしちゃった。イケメンで背が高くて、マッチョというよりスマートで優しそうで、もう完全に僕のタイプ。こういう優しそうな人が僕は好きなんだ。元カレはちょっと怖い外見だったしね。島谷先輩は二歳上の三年生。この頃には、僕は女性よりも男性の方が好きなんだと完全に自覚していた。僕の入学した高校は男女共学だけどね。

 僕は運動は苦手なので、体育会系の部に入る気はなかった。高校の野球部となると中学校の時とちがって、本格的に行うだろうと思ったからだ。僕の運動神経では邪魔になるだけだろう。でも、島谷先輩にお近づきになりたい。そこで、マネージャーとして入部したいと顧問の先生に申し出た。中学の時、野球のクラブに入っていたことも言った。そしたら、あっさりとOK。どうも残念ながら、我が高校の野球部は弱小のようだ。部員も少ない。都大会ではいつも一回戦負け。全然、周りから期待されてないってところが実状だ。それに野球自体、あまり人気がない。顧問の先生も名前だけで、練習も見に来ない。部の中心になっているのは、島谷先輩と同じく高校三年生の勅使河原キャプテンだ。主にサードを守っている。

 勅使河原キャプテンはみんなを引っ張っていくリーダーシップがあって、周りからは信頼されている。でも、ごっつい顔しておっさんみたいなんで、女子生徒にはモテないみたいだ。本人はあまり気にしてないみたいだけど。実際、彼女がいる人なんて、そんなに多いわけじゃないからね。さて、その勅使河原キャプテンにさっきの部室でのいやらしい行為を見られたことを思い出し、また恥ずかしくなってしまった。そんな僕がぼんやりとしていると、上の道路から大声をかけられた。振り向くと、勅使河原先輩がいた。私服で自転車に乗っている。僕はびっくりしてしまった。

「おい、何をしてるんだよ、新堂」
「あ、いえ、その……別にただ川を見てました。キャプテンはどこに」
「ちょっと買い物を親に頼まれたんだ。そしたら、お前が川岸にぼんやり座ってるからさあ。もしかして、さっきのこと気にしてるのか」
「……はい、あの、キャプテン、あのこと、本当に絶対に他の人に言わないでください、お願いします」

 勅使河原先輩は自転車から降りて僕に近づいてきた。

「大丈夫だよ。誰にも言わないよ」
「ありがとうございます」
「ただ、ちょっと考えたんだけどなあ」
「何をですか」
「人生なんてあっという間だぞ。お前が島谷のことを好きなら、なんて言うか、告白しちゃえばいいんじゃないか」
「え、いいんですか」
「ああ、青春もあっという間だぞ。とは言うものの夏の大会がもうすぐだ。その大会が終わるまでは待ってほしいなあ。島谷も俺もこれが高校生活最後の大会だからな」
「……わかりました」
「じゃあ、さっきのことは忘れろ。まあ、元気出せよ、新堂。あんなこと誰でもやってるよ、じゃあ」

 誰でもやってるのかなあ?

 そして、勅使河原キャプテンはまた自転車に乗って行ってしまった。だいぶ日が落ちてきた。僕も家路に急ぐ。僕の家は普通の四人家族。両親に僕と妹の四人家族だ。
 
 さて、勅使河原キャプテンは誰にも言わないと約束してくれたけど、もろに見られたのはやっぱりショックだ。見られたことを思い出し、また恥ずかしくなった。そんな僕が勉強机に座って、ぼんやりとしていると大声をかけられた。

「どうしたの、お兄ちゃん、元気ないわね!」

 妹の香だ。『かおり』と読む。僕と香は双子だ。二卵性双生児だ。二卵性双生児だと全然外見が違う双子もいるけど、僕と香はわりと顔も似ている。ただ、香は僕より背が高い。百六十センチはある。運動神経もよく、肌も日焼けしていて浅黒い。白くて女性のようなきめ細かい肌の僕とは大違いだ。力も僕より強いんじゃないかな。同じ高校に進学したんだけど、香はバトミントン部に所属している。声もガラガラしている。僕と香が男女逆だったらよかったのにと、母親が陰で親戚に言っているのを聞いたこともある。ただ、僕と妹は仲が良い。大人しめの僕と気の強い妹。僕が小学生の頃、虐められた時に助けてくれたこともあるなあ。僕は香に答えた。

「いや、別になんでもないよ。ちょっと勉強のことを考えていただけ」

 そんな仲の良い妹だけど、やはり、僕が男性と寝たりしていたことがあるとか、今も、部活の男の先輩のことが好きになって、野球部に入ったなんてことは秘密にしている。妹は男同士の恋愛には興味ないようだ。ノーマルで普通の男女の恋愛映画とか好んで見ている。まあ、まだ中学生なんで、今後どうなるかわからないけどね。

「そうなの、まあ、なにか悩みがあったらいつでも言ってよ」

 妹の香がそう言って、自分の部屋に戻って行く。そして、その夜。僕は島谷先輩のことを想って、服を脱いでベッドの中に入る。四つん這いになって、後ろから愛されるのを妄想してしまう。後ろの穴に、中学時代の元カレが置いていったアナルプラグを入れて、そして、責められるのを妄想する。

 僕が部室で裸になって、そして白い液体を出した直後に部屋に入ってきたのは、現実では勅使河原キャプテンだけど、妄想では島谷先輩。裸の僕を見て、ちょっとびっくりする。僕は慌てて謝る。

「も、申し訳ありません、島谷先輩。すぐにロッカーとかバットをきれいにしますので」

 しかし、服を着ようとする僕の腕を掴む島谷先輩。そして、裸の僕をロッカーに押し付ける。なぜかロッカーをドン! と片手で叩き、その素敵な顔を僕に近づけてくる。よく漫画にあるパターンですね。そして、怒られるのかとおどおどしている僕の唇を指でさわりながら聞いてくるの。

「なんだ、新堂は俺の事が好きだったのか」

 唇をさわられて、僕の体に快感が走る。ああ、気持ちいい。唇をさわられるだけで興奮する僕。今、出したばかりの僕のアレがまた疼いてくる。

「は、はい、好きです、大好きです。ああ、でも本当に申し訳ありません、ロッカーとか僕の体液で汚してしまって」

 でも、島谷先輩は全然怒らない。

「好きならそうとさっさと言えばいいのに」

 そして、やさしくキスをしてくる。陶酔する僕。そして、僕の方からも積極的に島谷先輩にキスをする。段々と激しくなって、お互いの舌を絡ませて唾液の交換をしたりする。しばらくして、島谷先輩が顔を離した。唾液がお互いの顔を糸をひいてつながってるの。そして、島谷先輩が僕の胸やお尻をさわってくる。僕はますます興奮してしまう。

「お前のこれ、かわいいな」

 島谷先輩が僕のアレをしごきはじめる。

「ああ、いい、気持ちいいですう、先輩……もっとして……」

 僕は体を振るわせてその快感で頭が痺れてくる。でも、途中で島谷先輩が手を離す。ああん、もっとさわってほしかったのに。すると、島谷先輩がズボンのジッパーを下ろしてアレを取り出した。

「好きなら、俺のもしてくれよ」
「はい、喜んで」

 僕は裸のまま膝をついて島谷先輩のアレを口で舐め回し、唇で咥える。島谷先輩のが大きくなっていく。ああ、このまま口の中に出してほしい、白いの全部飲み干したいと僕はさらに激しく口を前後に動かす。島谷先輩がうめいた。僕の口の中にいっぱい入って来るその液体を全部飲み干す僕。でも、多過ぎて口の端から漏れてしまう。それが僕の膝の上に滴り落ちていく。

「ふう、でも、まだ満足できないな。新堂、床に四つん這いになってくれないか」
「はい、先輩」

 僕は裸のまま部室の床に四つん這いになって、お尻を高々と上げる。そのお尻をやさしく撫で回す島谷先輩。

「どうされたい、新堂」
「ああ、お願いです、入れて、入れてください、島谷先輩とひとつになりたいんです、先輩のこと、愛してるんです」

 島谷先輩が僕の後ろの穴に入れてくる。

「好きです、島谷先輩、ああん、いい、気持ちいいです、もっと僕を責めて、責めまくってえ、お願いします、僕の後ろの穴に出して、中に出して、いっぱい出してえ!」

 激しく僕を責めながら、同時に僕のアレを手でしごく島谷先輩。

「ああ、いっちゃう、いっちゃう、いく、いくう!!!!!」

 実際には隣の部屋には妹がいるので声を出せない。頭の中で叫ぶだけ。そして、ティッシュペーパーに出してしまう。そそくさと服を着てトイレに行ってそのティッシュを流す。その後、部屋に戻って少し空しくなる。でも、すぐに新たな妄想が頭に浮かんでしまう。布団を丸めると僕はまた裸になって、その布団の上にまたがる。今度は島谷先輩が下になって、僕は腰を上下させて先輩のアレを後ろの穴に入れたり出したりする。ああ、気持ちいい。

「ああ、また出る、ああん、先輩も一緒にいって、お願い、好きです、先輩、ああん、いっちゃう、いく、いくう」

 またティッシュに出しちゃった。さすがに少ししか出ない。今日は三回もしちゃった。僕は疲れて、ティッシュは丸めてゴミ箱に放り込む。後でトイレに流すかな。そのまま布団に抱き着く僕。終わった後、やさしく抱きしめてくれる島谷先輩を妄想しながら。ああ、でもやっぱり空しいなあ。

 告白したいけど、嫌われたらどうしよう。でも、抱かれたくて仕方が無い。島谷先輩に抱かれたい。最近はこんなことばっかりしている。いろんなシチュエーションがあるけど。それで我慢できなくなってきたんだ。だから、ロッカー室であんなことをしてしまったんだ。

 なにせ、中学生の時の彼が引っ越して以来、誰とも寝てないもん。抱かれたい、思いっ切り抱きしめられたい。でも、勅使河原キャプテンに言われたように、夏の大会が終わるまでは我慢しようと思った。
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