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第十一章
第202話 滅亡の時
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「フレイヤといえば、北欧の神話に登場する愛と美の女神様。」
「えっ、レイミ様はフレイヤという女神様をご存じなのですか?」
「そうですね。元々はもっと北西の神様だったのですが、ここに姿を現わされたという事は、既に”悪意”に影響された神様がおられたという事でしょう。」
「なぜそのような事をご存じなのですか?」
「うーん、私の中の知識と推測から得られた見解なのですが、そうですねあなたにも私の知識を共有させてあげましょう。」
レイミはサンドラとも同調を始めた。
「えっ、あっ、オーディンやニョルズ様……何でこんな知識が……」
「うふっ、私の知識を伴ってこの本を読めば、また違う景色が見えると思いますよ。」
そう言ってレイミは本を読み進めた。
当時、形だけの王位継承権を持っていたブライセン家をフレイヤが選んだのは、単に当時の当主が信仰心に厚かったのと、立地的なものだろうとレイミは推測した。
そして何よりも、地下に核シェルターに近い設備があり、それなりの食料と居室があったのだ。
当主はフレイアの指示に従い、家族と使用人を含めた十数名で地下に入り、そこで数日を過ごしたと記されていた。
その間、地上ではドカンドカンとけたたましい音が響き渡り、振動が地下を襲ったという。
「これは、神々の争いとは別に、ヒト同士や神との間で、ミサイルなどの兵器が使われた可能性が大きいですね。」
「ま、まさか、生物の滅亡以前に、ヒトがそんな武器を持っていたなんて……」
「核も使われたんでしょうね。放射線の半減期は種類によって違うのだけど、一般的に言われているのは100時間をすぎれば半減。それこそ、半減期数万年みたいなものもあるけど、そういうのは圧倒的に量が少ないはず。まあ、30年経てばあらから元に戻ると言われているわ。」
「なぜ、先人たちはそんな恐ろしい武器を作ったのですか!」
「そういう強力な武器を作った国は、国際社会の中で発言力が大きくなるの。」
「まあ、強い軍隊を持てば回りの国は言う事を聞かざるを得ぬからなぁ。」
「そんなものを、全部の国が使ってしまったと……」
「実際にどうだったのかは分かりませんが、特に神との関係が深かったと思われる地域は、海になってしまいましたね。さて、続きは……」
一週間が過ぎたころ、外部電源は途切れ、非常用発電機が自動的に起動するが、燃料は目に見えて減っていった。
照明は半分以下にされ、節水も徹底された。
水は地下水をポンプで組み上げているのだが、ポンプを動かすのも電気なのだ。
あらゆるものを最低限に切り詰めた一か月が過ぎた頃には、王家のモノは限界に近づいていた。
まだ時折ズンという振動と音が聞こえる中で、食料も燃料もほぼ残っていなかった。
そして唐突にフレイヤが姿を現わした。
「はあ……、最初から切り詰めた生活をしていれば、3か月はもつと思ったんだけど、間違えたかしら……」
「し、しかしフレイア様、先の見えない状況でストレス最大の状況です。これでも努力した結果なのです。」
「ふう、アナタたちの命だもの、私は何も言わない。それでも、敵……いえ、ソレの規模は思ったよりも大きかったの。」
「では、まだこの状況は……」
「続くわ。しかも先が見えないの。だから、残った神が集まって、生命を次の世代に繋ぐために行動を起こす事にしたのよ。」
「繋ぐ?」
「お主たちはこれから………………して………………のじゃ。」
何か所か虫食いで読めないが、一族は寝むらされて、気が付いた時にはこの世界だったという。
そして、何世代か過ぎた頃に、スキルを持った子供が生まれるようになり、ブライセン家は知識を元に武器や道具を作り周辺の住民を束ねていった。
「核は使われたけど、戦略核だったみたいね。だから、多くの生物やヒトは生き残った……」
「そうじゃな。そして、これを見る限り、ブライセン家が選ばれた事に深い意味はない。」
「そんなバカな!我が家は女神フレイアに選ばれたのだ!」
「最初のうちは、王家という事で、民族再生に有効だと思ったのでしょうね。でも、最終的には他の生物と変わりなく、単にヒトとしてこの時代にたどり着いた一つの部族よね。」
「そうだな。この記録以外に得るものはなさそうだし……」
「いえ、その地下室が残っているなら、発電機やポンプの複製が可能かもしれないわ。」
「それが、2巻に出てくるのですが、全員が外に出た途端にボロボロになって崩れてしまったそうです。」
「ああ、何千年も経ってしまえばそうなるわよね。」
「だが、これを読む限り、複数の神が生き残った。それを蘇らせる事ができれば……」
【あとがき】
物語は12章 神の領域へ……
「えっ、レイミ様はフレイヤという女神様をご存じなのですか?」
「そうですね。元々はもっと北西の神様だったのですが、ここに姿を現わされたという事は、既に”悪意”に影響された神様がおられたという事でしょう。」
「なぜそのような事をご存じなのですか?」
「うーん、私の中の知識と推測から得られた見解なのですが、そうですねあなたにも私の知識を共有させてあげましょう。」
レイミはサンドラとも同調を始めた。
「えっ、あっ、オーディンやニョルズ様……何でこんな知識が……」
「うふっ、私の知識を伴ってこの本を読めば、また違う景色が見えると思いますよ。」
そう言ってレイミは本を読み進めた。
当時、形だけの王位継承権を持っていたブライセン家をフレイヤが選んだのは、単に当時の当主が信仰心に厚かったのと、立地的なものだろうとレイミは推測した。
そして何よりも、地下に核シェルターに近い設備があり、それなりの食料と居室があったのだ。
当主はフレイアの指示に従い、家族と使用人を含めた十数名で地下に入り、そこで数日を過ごしたと記されていた。
その間、地上ではドカンドカンとけたたましい音が響き渡り、振動が地下を襲ったという。
「これは、神々の争いとは別に、ヒト同士や神との間で、ミサイルなどの兵器が使われた可能性が大きいですね。」
「ま、まさか、生物の滅亡以前に、ヒトがそんな武器を持っていたなんて……」
「核も使われたんでしょうね。放射線の半減期は種類によって違うのだけど、一般的に言われているのは100時間をすぎれば半減。それこそ、半減期数万年みたいなものもあるけど、そういうのは圧倒的に量が少ないはず。まあ、30年経てばあらから元に戻ると言われているわ。」
「なぜ、先人たちはそんな恐ろしい武器を作ったのですか!」
「そういう強力な武器を作った国は、国際社会の中で発言力が大きくなるの。」
「まあ、強い軍隊を持てば回りの国は言う事を聞かざるを得ぬからなぁ。」
「そんなものを、全部の国が使ってしまったと……」
「実際にどうだったのかは分かりませんが、特に神との関係が深かったと思われる地域は、海になってしまいましたね。さて、続きは……」
一週間が過ぎたころ、外部電源は途切れ、非常用発電機が自動的に起動するが、燃料は目に見えて減っていった。
照明は半分以下にされ、節水も徹底された。
水は地下水をポンプで組み上げているのだが、ポンプを動かすのも電気なのだ。
あらゆるものを最低限に切り詰めた一か月が過ぎた頃には、王家のモノは限界に近づいていた。
まだ時折ズンという振動と音が聞こえる中で、食料も燃料もほぼ残っていなかった。
そして唐突にフレイヤが姿を現わした。
「はあ……、最初から切り詰めた生活をしていれば、3か月はもつと思ったんだけど、間違えたかしら……」
「し、しかしフレイア様、先の見えない状況でストレス最大の状況です。これでも努力した結果なのです。」
「ふう、アナタたちの命だもの、私は何も言わない。それでも、敵……いえ、ソレの規模は思ったよりも大きかったの。」
「では、まだこの状況は……」
「続くわ。しかも先が見えないの。だから、残った神が集まって、生命を次の世代に繋ぐために行動を起こす事にしたのよ。」
「繋ぐ?」
「お主たちはこれから………………して………………のじゃ。」
何か所か虫食いで読めないが、一族は寝むらされて、気が付いた時にはこの世界だったという。
そして、何世代か過ぎた頃に、スキルを持った子供が生まれるようになり、ブライセン家は知識を元に武器や道具を作り周辺の住民を束ねていった。
「核は使われたけど、戦略核だったみたいね。だから、多くの生物やヒトは生き残った……」
「そうじゃな。そして、これを見る限り、ブライセン家が選ばれた事に深い意味はない。」
「そんなバカな!我が家は女神フレイアに選ばれたのだ!」
「最初のうちは、王家という事で、民族再生に有効だと思ったのでしょうね。でも、最終的には他の生物と変わりなく、単にヒトとしてこの時代にたどり着いた一つの部族よね。」
「そうだな。この記録以外に得るものはなさそうだし……」
「いえ、その地下室が残っているなら、発電機やポンプの複製が可能かもしれないわ。」
「それが、2巻に出てくるのですが、全員が外に出た途端にボロボロになって崩れてしまったそうです。」
「ああ、何千年も経ってしまえばそうなるわよね。」
「だが、これを読む限り、複数の神が生き残った。それを蘇らせる事ができれば……」
【あとがき】
物語は12章 神の領域へ……
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