スキル買います

モモん

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第四章

第43話 ワイバーンも飛竜なのか?

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「グエーッ!」

「ギャギャギャッ!」

「おい!何でこいつら、焼いた肉を喰ってんだよ!」

「えへへっ、レイミ特性のガーリックステーキですよ。」

「ああ、この香ばしい匂い……って、そうじゃねえ!ワイバーンどころか飛竜まで焼肉っておかしいだろ!何で他の飛竜までヨダレを垂らしてんだよ。もっとワイバーンを警戒しろよ!」

「色々と煩い団長さんですね、はい、次も焼けましたよ。」

「ああ、こんなところを大臣に見られたら……」

「ああ、防衛大臣なら近いうちに変わるらしいから大丈夫ですよ。」

「なにぃ!」

「昨日、過去の決算資料を集めてましたし、何か不正をしてる商会へも立ち入り検査が入るらしいですよ。」

「ど、どういう事だ?」

「さあ、どうなんですかね。ニヤリ。」

「な、何だその不気味な顔は!」

「まあ、それよりも、早く満腹にして帰ってもらわないといけませんね。」

「グェグエーッ!」

「えっ、ワイバーンなんて連れていきませんよ、ワタシ。」

「ギャギャッ!」

「何ですか、コイツいい奴って!」

「グエーッ!」

「ええっ!一度エサを与えたら最後まで面倒見ろって、お腹空いてるっていうからご馳走しただけじゃないですか!」

「な、なあ、どうやってワイバーンを手懐けたんだ?」

「別に、飛竜と同じですよ。魔力回路を繋いで……」

「そもそも、さっきの飛竜の動きは何だよ!おかしいだろあの速度は!それに、さっきから他の飛竜を威嚇して口から氷の矢を飛ばしてるよな!」

「さ、さあ、きっと特殊個体なんですよ。」

「グエッ!」

「だ、ダメだよ、こんなところで火の玉はダメだからね!」

「だ、大丈夫なんだろうな……」

「こ、こんなところで火の玉出したら、もうお肉焼いてあげないからね!」

「グエーッ!」

「しょうがないなぁ。じゃ、アナタの名前はメンチね。迷惑かけたら山に返すからね!」

「グェ!」

「ギャギャギャッ!」

「お前、本気なのかよ……」

「仕方ないじゃないですか。はあ、どうやって連れ帰りましょう……あっ、レオに任せましょ!」

「おい、レオ……様って、昨日来た皇子様だよな!やめてくれ、何かあったら国際問題になるぞ!」

「グエーッ!」

「大丈夫だって言ってますよ。」

 こうしてメンチにもクビにマーカーが巻かれ、視察にも同行する事になった。
 勿論、ツクネと同じスキルと滑空がセットされ、訓練が行われる。

「凄いな!飛竜もいいけど、ワイバーンは竜騎士って感じがするよな。くくくっ、父上の羨ましがる顔が目に浮かぶぞ。」

「そうだといいんですけど。」

「子供の頃、本で竜騎士物語ってのを読んでもらった事があるんだ。ワイバーンライダーっていうんだけど、いつかワイバーンに乗ってみたいって言ったら、お前にはムリだ。俺くらい強くならないとなって自慢げに言われたんだ。」

「まあ。陛下らしいですわね……って、飛竜騎士のスキル魔石、もうありませんわ。」

「あーっ、絶対乗りたがるよな。別の墓地を探してみようぜ。」

「ふう、仕方ありませんわね。そういえば、防衛大臣はどうなったんですか?」

「ああ、彼もこのライダースーツに色気を出さなければ横領が発覚する事は無かったかもしれないのにな。今は弟と共に投獄されて取り調べを受けているところだよ。」

「後任がちゃんとした方ならいいですわね。」

「そうだな。ところで、俺のスーツも赤なのかよ。」

「うふっ、この子たちが好きなんですって。」

「ギャーッ!」 「グエッ!」

「はあ。じゃあ、帰るまでに父上のスーツも作ってもらわないとな。」

「グランツ侯爵お抱えの服飾工房で作ってもらっていますから発注しておきますわ。あーっ……」

「どうした?」

「一瞬、お義母さまとお母様の顔が浮かんでしまって……」

「いやいや、流石に……いや、ワイバーンの鞍は二人乗りできるようにした方がいいかもしれないな……」

「母なんて、ワイバーンに跨って氷魔法を連発する未来しか見えませんわ。」

「あーっ、首都から領地まで800kmくらいか、こいつらだと3時間弱……二人がレースしてる光景しか浮かばないんだが……」

「き、奇遇ですね。ワタクシにも同じ光景が見えますわ……」

「なあ、万一を考えて振り落とされた時の安全対策用魔道具を考えた方がいいかもしれないな。」

「重力を0.2くらいにする魔道具と風魔法の魔道具を組み合わせれば……ベルトに組み込んでみましょう。」

「待てよ……、そんなものを与えたら、城の窓から飛びださないか?」

「そ、そこは一国の王妃なんですから……」

「結界の機能も追加してくれないか。」

「分かりましたわ。」

「はあ、ワイバーンの後ろに自走車の編隊とか、絶対やるよなあの人たちなら……」


 翌日、レイミは産業局畜産部との意見交換会で、レオは建築局との懇談会だった。

「すると、鳥類は日照時間で繁殖期を認識していると……」

「そういう事ですわ。ですからライトで人為的に錯覚させれば頻繁にタマゴを産んでくれますし、どんどん増やす事が可能です。」

「うーん、おい、我が国にヤナイに相当するような地走り系の鳥はいないのか?」

「ヤナイは多分南西部にいると思いますが、調査してみないと確実な事は言えません。」

「ヤナイの亜種だと思いますが、北西部に茶色で気の荒い地走りは生息が確認されています。」

「至急、最寄りの領に調査と捕獲の依頼を出すんだ。」

「はい、承知しました。」

「それと、建築局に飼育施設の設計と工事を依頼しろ。予算は俺が宰相と掛け合ってくる。」

「はっ!」

「それで、具体的にはどのような施設がよろしいのでしょうか?」

「もし、使っていい土地があれば見本で作りましょうか。」

「えっ?」

「50m四方の空き地があれば、ある程度までお手伝いできますわ。飼育小屋はそちらで建てていただくとして、床には藁を敷いてライトで日照時間をコントロールするだけなので、問題ないと思います。」

「土地はいくらでも用意できますが、どうやって……」

「ワタクシ、土魔法も得意なので、土で6mの壁を作って、上から網を被せるだけですわ。」

「網?」

「あっ、網の部分は午後から打ち合わせする工房の親方と調整させていただきます。」

「はあ……」

 結局レイミは、東の門を出てすぐの場所を指定され、そこに高さ6mの壁を設置してクモ糸の網を被せた。 

「こ、こんな規模の土壁を一瞬で作ってしまうとは……」

 続けて、荷馬車が余裕で通れる通路を開けて、アルミで門の扉を据え付けた。

「まさか、これはアルミですか!」

「ええ。鉄の扉だと重いので、軽いアルミのメッシュにしてみました。後は、木造の小屋を建ててもらえば完成ですわ。」

「あなた様は、いったいどうやってこれほどの知識や技能を身につけられたのでしょうか?」

「そうですね。多分、一番大切なのはどうしたら国民が幸せになれるのか。絶えずそう考えて行動する事。その積み重ねだと思いますよ。」

「えっ?」

「例えば、安価なタマゴが手軽に入手出来たら、みんなが美味しいものをいっぱい食べられるようになるだろうな。そのためには、一個銅貨3枚くらいになれば実現できそうだなって、具体的な目標を定めて、そこに向かって考える。そういう事だと思いますよ。」

「でも、私たちにはそんな魔法使えませんし……」

「そんなもの、できる人を頼ればいいだけでしょ。」

 レイミは簡単に言い放った。


【あとがき】
 母と義母の存在w
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