悪役令嬢の居場所。

葉叶

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いつから歪んだのか。

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「ん…此処は………っ真斗っ!?」

バッと起き上がると隣にスゥスゥと寝息をたてる真斗が居た

「良かった…生きてる……
…骸?」

目を閉じる前居たはずなのに、周りを見渡しても何処にもいない

「動くのはやめてください。
今は魂と肉体が脆くなっていますから」

「チッ、だから拘束しときゃぁ良かったんだよ」

何処からか現れた背中から翼を生やした男達
片方は純白な天使の様な翼を
もう片方は、黒く悪魔の様な翼を生やしていた

「もう、やっと会えたからって照れるのは止めなさい。
どうも。初めまして。貴方のお父さんです。こちらはお母さんですよ」

爽やかな顔でこの人何言ってるんだろう…
ここが何処なのかとかそんな悩みがスコーンとどっかに飛んでいった

「いや、どう見えても俺が親父だろ!
てか、説明はぶきすぎなんだよ!!」

「ちょっとした冗談じゃありませんか。
そんなにすぐにカッカするのは良くないですよ?カルシウム足りてます?煮干し食べますか?」

「あー、お前とまともに話そうとした俺が馬鹿だったわ。うん。
あー、まず俺達がお前の親なのは本当だ。」

私の前に胡座をかいて座り真剣な顔で言った

「俺達神は別に子供を作る必要はないんだが
コイツに嵌められてお前が出来た。
あぁ、因みに神同士で子供を作る場合必ず性交渉が居る訳じゃない。
お互いの神力を混ぜ合わせ、ある事をすると子供が出来る。という事で俺達はお前の親だ。
嵌められたとはいえ、親としてお前の事は好いている
彼奴は大きらいだがな!!!」

後ろにいる爽やか天使を睨みつける男

「でも…私は人間で…貴方達は神…なんでしょ?」

「んー、それはだな
ハイハイし始めたお前がどっかに行かないよう仕事しながらお前をコロコロしてたんだが
その時にアイツが来てな…丁度忙しくて苛立っていて
そのまま口論になり彼奴と口論してる内にお前なら輪廻の壺に入っちまったんだよ」

「気づいたときには入る時でね、そりゃあもう凄い笑顔だったんだよね…
その笑顔に蕩けてる内に輪廻の輪に組み込まれちゃって手が出せなくなっちゃったんだ。
まぁ、なんだかんだ幸せそうだったから死んだら此方へ連れて来ようと下界を監視してたんだけど
死んだ筈の君の魂は戻ってこないし
急に世界崩壊しかけてるしでそっちの対処に追われて会いに来るのが遅れちゃってごめんね。」

申し訳なさそうに私を撫でるこの手を知らない筈なのに
どうして懐かしいと思うんだろう

「今回の事件は規模が大き過ぎてお前の力だけじゃカバー出来なかった。
まぁ、事件が事件なだけに今回は上の方にいる神様も手を貸してくれて何とかお前の理想の復元は出来た筈だ。」

「それじゃあ…皆…もう悲しい思いをしなくて…すむ?」

私のせいで人生を狂わせた皆の人生を…

「アヤメは、人間に殺された娘も帰ってきた。
チナは、人間に惨殺された両親が帰ってきた。
ミヤネは、あればっかりは元の性質だからな、両親の所に行くよりチナの所に居る方が幸せになると思ったからチナの弟として産まれてくるようにした。
セッカは、アレは元々あんな性格だからどうしようもなかったわ。
あー、あいつ名前なんだっけ?セッカの執事はセッカの側にいる事が幸せだから現状維持だ。」

そっか…皆幸せになれたんだ…
皆のトラウマはなくなったんだ…

「あー…でもね、皆記憶は持ってるんだよ
一応記憶を消す事もできるけど?って提案したけど断られちゃった」

テヘッと笑う爽やか天使

「んでだな、お前の子供なんだが
こっちに関してはどうしようもなかった。
何度も何度も時を巻き戻して生まれるのを繰り返してたし
復元のしようがなかった。
魂の回収は出来たが今の段階で肉体を与える事は出来ねぇ」

「そ…んな……」

どうして骸が?
咎を負うべきは私でしょ?
何で…

「今の世界の時間軸では彼は存在してないんだよ。
そんな彼に肉体を与えてもすぐに壊れちゃうんだ
魂が消えないよう保護するのが精一杯なんだ。」

言葉も出なかった
悲しみ 後悔 怒り
色んな感情が入り混じる

「んな顔すんな
今の段階ではっつったろ?
一応本人の意志は、お前の子供としてまた産まれてぇってとことだったんでな
お前がそこのバカとやり直そうとやり直さまいと
時期が来ればまたお前の子供として産まれてくる。」

「でも…それはもう骸じゃない…」

あの骸は二度と戻ってこない

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