悪役令嬢の居場所。

番外編

誰かの戯言。

私は生まれた時から美しく人に崇められていた。

「女神様っ！どうか雨を降らせてください！」

「女神様っ！父をっ…助けてくださいっ！」

毎日届く祈り。
私は気紛れに願いを叶える毎日を送っていた。

そんな時見つけた。
私が管理する世界とは違う世界であの人を見つけた。

最初は、見ているだけで良かった。
幼馴染に蕩けそうな程甘い顔で微笑むあの人を。
ただ…見てるだけで幸せだった
だけど、私だってあの人と話したかった。会って私にもその笑顔を向けて欲しかった。
何でタダの人間のあの子があの人の笑顔を得られるのか
何で女神と崇められる私は得られないのかわからなかった。

その時、ふと思った。



あの子が居なくなればいいんだって。
そうすれば、あの人は私のものだ。



その為には、もっともっと…もっともっともっともっともっともっともっと！！力がいる。
信者の命を取ってもまだ足りない。
この世界の命を神にバレないよう盗んでもまだ足りない
どうすれば…どうすればいい

あぁ、そうだ。
信者達に召喚をさせればいいんだ。
そうすればあちらの世界の人間の命が手に入る

私の計画は順調に進んでいた
歪めた運命のせいかあの子は死んだ。
自分で手を汚す必要がなくてよかった。
後はあの人をここに呼び私は媒体の人間に入ればいい
あちらの世界で流行っていた乙女ゲームというものを参考に周りをかためあの人を呼び出した

なのに、なのにどうしてあの人は私を見ないの？
どうしてそんな女を見てるの？
どうして…
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして！！！！！！

あぁ、あの女も消せばいい。
あの人の周りから私以外の女を消せばいい
そうしたらきっと…あの人は私を見てくれる
だって、こんなのおかしいもの
あの人はあの子に洗脳されてるんだわ
私があの人を助けなきゃ
そうよ、これは人助け。善行なのだから。

私は間違っていない。