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番外編
私はずっと見てた。
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私には自慢のお姉ちゃんがいた
面倒くさがりやだけど、優しくて頭が良くて美人なお姉ちゃん。
今まで男に言い寄られて来なかったからか自分は平凡とだと思ってるけど、お姉ちゃんはとても可愛い
「友梨?どこ見てるの?ねぇ、何で僕以外を見てるの…?」
ツンツンほっぺたをつつかれ振り向くと少し拗ねた顔をした可愛い彼氏の迅がじーっと私を見てた
「ん?お姉ちゃんの事考えてたの
お姉ちゃんが死んじゃって直ぐ真斗君も居なくなっちゃったでしょ?
お姉ちゃん心配してるんじゃないかなぁ?って。
真斗君…お姉ちゃんが居ない世界で生きられないだろうから」
真斗君は、私が物心ついた時には既にお姉ちゃんの隣にいた。
最初はいつもお姉ちゃんを取り合って喧嘩した。
私のお姉ちゃんなのに真斗君はいつもお姉ちゃんを何処かに連れて行ってしまうから嫌いだった。
でも、お姉ちゃんが誰よりも真斗君に心を開いてたの…知ってたからお姉ちゃんの為に仲良くしようって真斗君と約束した。
私達が喧嘩する度にお姉ちゃんが悲しい顔…してたから。
「そういえば、遺体安置所からお姉さんの死体無くなったんだっけ?」
真斗君と一緒にお姉ちゃんの死体も無くなった
きっと、真斗君が連れて行ってしまったんだと思う。
あの日、私がちゃんと周りを見てたら
あの日、あの運転手が居眠り運転をしてなかったら
あの日、あの車がトラックじゃなければ
何度も、もしもの話を考えた。
戻れない事なんてわかってるのにそれでも考えてしまう。
考えずにはいられない。
私を庇ってお姉ちゃんが死んだあの日を私は鮮明に覚えてる。
曲がってはいけない方向に曲がるお姉ちゃんの手足や
広がる血だまり。
そして、真斗君のお姉ちゃんを呼ぶ叫び声。
私は動けなかった。
信じたくなくて、現実逃避をしてた。
お姉ちゃんがいない。私のせいでお姉ちゃんが死んだ。
その事実をすぐ受け止められるほど私は出来た人間じゃない
周りはいつまでも悩んでたらいけないと言うけど
こればっかりはどうしようもなかった。
だって、大好きだった。両親よりも恋人よりも世界で一番大好きだった。
代わりなんていない。
誰にもお姉ちゃんの代わりなんてできないんだ。
「あのね、私昨日夢を見たの」
「夢?」
コテンと首を傾げた。
「お姉ちゃんがね、夢に出てきたの。
私が見せた願望だったのかもしれないけどね
お姉ちゃんにっ…逢えたのっ…
3年経って……やっと…やっとっ…出てきてくれたの……っ」
この3年間私は廃人のように生きてきた。
そんな私を献身的に迅が世話をしてくれたから今もまだ歩ける体を持っている。
それでも安眠する事もできなくて昔とはだいぶ変わってしまった。
もう一度会いたいと何度も願った。
それでも一度も夢に出てくることなんてなかった。
「お姉さんはなんて言ってたの?」
泣く私を落ち着かせるように背中を擦りながら優しく抱き寄せる
「私のせいじゃないって…っ
私に幸せになってほしいって…
こんな姿を見たくて私を助けたわけじゃないんだって…っ
それにね、今は生まれ変わってそれなりにやってるからもう心配するなって
彼氏と仲良くやりなって
……私の事大好きだ…って……っ」
照れくさいって言って大人になってから言ってくれなくなった言葉。
夢の中で泣く私を困った顔をして頭を撫でてくれたお姉ちゃん。
最後に大好きだって照れくさいのかあっかんべーをしながら言うのがお姉ちゃんらしいなって笑ってしまった。
「そっか。」
私を優しく包み込みながら優しく呟いた
「だからっ、私もう大丈夫だよ
お姉ちゃんが自慢できる妹になりたいからっ
もう布団の中で泣くのはやめるっ
迅と色んなところに行きたいし、お姉ちゃんのお墓参りだって行きたい。」
「友梨がそうしたいなら僕は応援するよ。
まずは体を戻してからだね。」
「うんっ!」
お姉ちゃん、私はきっとお姉ちゃんにとって自慢の妹とは言い難い妹だったと思う。
我儘だって沢山言ったし、沢山お姉ちゃんを困らせた。
死んだ後も心配を沢山かけさせた。
だけどね、これからいつか死んでお姉ちゃんに会った時胸張って会いたいから
自慢の妹だよって言って欲しいから
もう泣くのはやめる。
これから、お姉ちゃんがびっくりするくらい幸せになってみせるから
絶対にまた…逢おうね。
面倒くさがりやだけど、優しくて頭が良くて美人なお姉ちゃん。
今まで男に言い寄られて来なかったからか自分は平凡とだと思ってるけど、お姉ちゃんはとても可愛い
「友梨?どこ見てるの?ねぇ、何で僕以外を見てるの…?」
ツンツンほっぺたをつつかれ振り向くと少し拗ねた顔をした可愛い彼氏の迅がじーっと私を見てた
「ん?お姉ちゃんの事考えてたの
お姉ちゃんが死んじゃって直ぐ真斗君も居なくなっちゃったでしょ?
お姉ちゃん心配してるんじゃないかなぁ?って。
真斗君…お姉ちゃんが居ない世界で生きられないだろうから」
真斗君は、私が物心ついた時には既にお姉ちゃんの隣にいた。
最初はいつもお姉ちゃんを取り合って喧嘩した。
私のお姉ちゃんなのに真斗君はいつもお姉ちゃんを何処かに連れて行ってしまうから嫌いだった。
でも、お姉ちゃんが誰よりも真斗君に心を開いてたの…知ってたからお姉ちゃんの為に仲良くしようって真斗君と約束した。
私達が喧嘩する度にお姉ちゃんが悲しい顔…してたから。
「そういえば、遺体安置所からお姉さんの死体無くなったんだっけ?」
真斗君と一緒にお姉ちゃんの死体も無くなった
きっと、真斗君が連れて行ってしまったんだと思う。
あの日、私がちゃんと周りを見てたら
あの日、あの運転手が居眠り運転をしてなかったら
あの日、あの車がトラックじゃなければ
何度も、もしもの話を考えた。
戻れない事なんてわかってるのにそれでも考えてしまう。
考えずにはいられない。
私を庇ってお姉ちゃんが死んだあの日を私は鮮明に覚えてる。
曲がってはいけない方向に曲がるお姉ちゃんの手足や
広がる血だまり。
そして、真斗君のお姉ちゃんを呼ぶ叫び声。
私は動けなかった。
信じたくなくて、現実逃避をしてた。
お姉ちゃんがいない。私のせいでお姉ちゃんが死んだ。
その事実をすぐ受け止められるほど私は出来た人間じゃない
周りはいつまでも悩んでたらいけないと言うけど
こればっかりはどうしようもなかった。
だって、大好きだった。両親よりも恋人よりも世界で一番大好きだった。
代わりなんていない。
誰にもお姉ちゃんの代わりなんてできないんだ。
「あのね、私昨日夢を見たの」
「夢?」
コテンと首を傾げた。
「お姉ちゃんがね、夢に出てきたの。
私が見せた願望だったのかもしれないけどね
お姉ちゃんにっ…逢えたのっ…
3年経って……やっと…やっとっ…出てきてくれたの……っ」
この3年間私は廃人のように生きてきた。
そんな私を献身的に迅が世話をしてくれたから今もまだ歩ける体を持っている。
それでも安眠する事もできなくて昔とはだいぶ変わってしまった。
もう一度会いたいと何度も願った。
それでも一度も夢に出てくることなんてなかった。
「お姉さんはなんて言ってたの?」
泣く私を落ち着かせるように背中を擦りながら優しく抱き寄せる
「私のせいじゃないって…っ
私に幸せになってほしいって…
こんな姿を見たくて私を助けたわけじゃないんだって…っ
それにね、今は生まれ変わってそれなりにやってるからもう心配するなって
彼氏と仲良くやりなって
……私の事大好きだ…って……っ」
照れくさいって言って大人になってから言ってくれなくなった言葉。
夢の中で泣く私を困った顔をして頭を撫でてくれたお姉ちゃん。
最後に大好きだって照れくさいのかあっかんべーをしながら言うのがお姉ちゃんらしいなって笑ってしまった。
「そっか。」
私を優しく包み込みながら優しく呟いた
「だからっ、私もう大丈夫だよ
お姉ちゃんが自慢できる妹になりたいからっ
もう布団の中で泣くのはやめるっ
迅と色んなところに行きたいし、お姉ちゃんのお墓参りだって行きたい。」
「友梨がそうしたいなら僕は応援するよ。
まずは体を戻してからだね。」
「うんっ!」
お姉ちゃん、私はきっとお姉ちゃんにとって自慢の妹とは言い難い妹だったと思う。
我儘だって沢山言ったし、沢山お姉ちゃんを困らせた。
死んだ後も心配を沢山かけさせた。
だけどね、これからいつか死んでお姉ちゃんに会った時胸張って会いたいから
自慢の妹だよって言って欲しいから
もう泣くのはやめる。
これから、お姉ちゃんがびっくりするくらい幸せになってみせるから
絶対にまた…逢おうね。
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