真事の怪談 ~妖魅砂時計~

松岡真事

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#000 『前餓鬼』

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(――さらさらさら さらさらさら――)

 どうも、松岡真事です。
 アルファポリス様では、「一年七組 『端数組』っ!」を中心に活動させて頂いております。私の作品を読まれた方ならば、「ああ、学園コメディの・・・」と真っ先に思い当たられることでしょう。確かにラノベはそれを中心に書いておりますが・・・

 実はもう一つの顔は、「実話怪談作家」なのです。

 もちろん、ラノベの方と同様、まだアマチュアでありますが。


 怪談方面の活動の中心はカクヨム様で、『真事の怪談』シリーズというものを既に二作目まで発表させて頂いております。
 ホラーの中でもかなり特殊な、(むしろホラーという範疇に入れてしまうのもどうだろう?という認識を私は持っておりますが・・・)そんな実話怪談というジャンル。ガチで実話ばかりを蒐めている人すら少ないという実状の中で、私などは意外なご愛顧を承っており、本当に嬉しい限りでございます。

 さて皆さん。「本当に怖い怪談、聞くのも希な珍しい怪談」というのはどのくらいの確率で耳に出来るものだと思われますか?
 600話ほどの怪談を蒐集した私の感想を言わせて頂くと、その中の20話弱。つまり4%くらいが、「誰にもお話しするに値するレアな」怪談である、といった塩梅です。

 意外に少ない。
 ていうか、少なすぎ。

 だから本当に好きな人間でないと「実話怪談なんてやってられっか!」な話であり、プロの怪談作家様の方々の苦労といったら、これは言葉で語り尽くせぬくらいの、計り知れないものがある・・・そうでございます。
 大量に仕入れた話の中、まれに光る4%の「原石」を更に磨き、私などはそれを宝石ならぬ『魔石』と称して皆様にご提供してきたわけでありますが・・・

 では?

 私の狭量な審美眼から漏れた580話あまりの話は、磨いても光らぬ『駄石』だったのでしょうか??

 否、否。
 そうではないでしょう。
 私が「怖い」「面白い」と思わなかっただけで、まだまだ研磨して光る可能性を秘めた『魔石の原石』はわんさとある筈。

 それを掘り起こしてみよう、という奇特なイベントを、この間 挙行しました。

 参加者は、私に既に選りすぐりの怪談を提供してくれた三人の恐怖体験者たち。

 彼ら(彼女ら)をファミレスにご招待し、「どんな話が本当に怖いか?面白いか?」を大いに談義してみたところ、全員一致である方向性が確定したのです。

 〝直ぐに読める、短めでゾクッとくるタイプの怪談!!〟

 ええぇ?!と私は狼狽致します。
 何となれば。私は、怪談を読む際に「その登場人物に感情移入しながら」、「自分も恐怖を共有するような形で鑑賞する」タイプの人間です。
 短めの怪談というのは、潔くてスッキリして純粋な怖さがある反面、心に滲むようなドロリとした感覚を表現するのに難しい面があります。そこが自分的にどうも、今まで好みの琴線に引っかからなかったのです。

 しかし。『ゲストら』は全員、そうではなかったらしく。

「このご時世、やっぱり腰を据えて投稿サイトで長い実話怪談を読む人なんて、相当の愛好家だけですよ」
「そうそう。マニアっていうんですか?」
「もっとお手軽に楽しみたいですね、怪談」
「3分以内・・・1分以内でいいや。そんなら読んでもいいな、って感がありますけど」
「ちょいゾク、みたいな」

 あんたら、ほんとにガチな怪奇体験した人かい、とツッコミたくなる会話でした。

「松岡さんは、そういう短い怪談とかは蒐集されてないんですか?」
「え。いえいえ、本当にいっぱいありますよ。つか、80%くらいは短編ですよ」
「へぇー。ちょっとそれ、聞かせてくれません?」
「いいですけど・・・ 面白いかな?これ」

 という流れで、5話ばかり立て続けに私はその「短編の怪談」の一部を語ったのですが、

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「あ。すいません。やっぱダメだわ。怖くなかったですよね・・・」
「いや。それ、イケますって」
「へ?」
「ほんとに面白くないって思ってんすか?松岡さん、センスやばくないですか」

 何か、思ったよりも良かったみたいです。
 ――自分がスルーしていた、短い怪談たち。

 これらの小さな魔石たち――魔石の砂々すなずな――に日の目を見せて、多くの人々に恐怖の如何を尋ねてみようという試みが この『真事の怪談~妖魅砂時計~』であります。
 サラサラと、まるで砂時計の中を流れ落ちる砂を眺めるように読める怪談、がメインテーマ。

 私は怪談提供者に「あなたの聞かせてくれた話をネットに公開しようと思っています。宜しいですか?」とメールで確認をとった後、文章データで「こういう話にしようと思いますが、如何でしょう?」とお伺いを立てるのが常でした。しかし、ショートショート感覚の怪談の場合、メールで本文が送れてしまう為、手間が大幅に短縮出来るという利点もあります。 これはコンスタンスに発表出来るんじゃないの?と ほくそ笑みました。

 そんなわけで、まずはガチ怪談体験者に軒並み好評(?)だった5話のうち4話を先行的に配信し(※後1話はまだ掲載了承がとれておりません)、続く話は不定期的に更新していこうと考えております。

 登場する人物名、及び地名は、よほどの理由がない限り、架空のものに置き換えているのでご了承を。

 アルファポリス様で発表する理由としては、やはりいろんなステージで実話怪談というジャンルを発信していきたいという想いがあってのことです。カクヨム様では中編から長編を、アルファポリス様ではショートショートを・・・という形でやっていきたいと思っている次第です。 が――

 ああ。

 御託が長くなってしまい、もう砂時計の砂がぜんぶ流れ落ちてしまいそうです。

 それでは皆様、前置きはこれくらいにして、いよいよ恐怖の本編をお楽しみ下さい。

 流れ落ちては逆さに戻し、それが流れ落ちては また 逆さにし――

 無間地獄の、怪談餓鬼道を、

 どうぞ、三昧に――

(――さらさらさら さらさらさら――)
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