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水の王国編
え、私使っていいの?
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私、メアリー、ティード、リラは職人たちより先に王宮の酒蔵に移動した。そこには醸造用の樽がいくつも並んでいる。しかしそのどれもが空で使っていないとのこと。樽以外にも酒造りに必要な設備があったけど私には詳しく分からない。私が知っているのは米を発酵させて搾って濾過して殺菌したら清酒になる……なんていうかなり雑な知識だけ。
とりあえずどぶろくができればあとは搾って濾過して殺菌すれば良いかな? 私が身につけた回復魔法で発酵を高速化させるアイデアが使えれば今日中に大量の清酒が……。
「レジーナ様。悪い顔をされていますよ」
「メアリーひどい。ちょっとたくさん清酒を作る作戦を考えてただけなのに」
メアリーは隣でため息をつく。けどなんだか嫌そうな顔には見えないあたり、私の考えに慣れてきてくれたのかもしれない。
「レジーナちゃん。秘蔵のどぶろく持ってきてやったぜ」
そう言って1人目の職人さんが酒蔵の扉をくぐる。手押しの荷車には大きな酒樽が1つ。そして……
「俺も最上級のどぶろく持ってきたぞ」
「おい鶴旗の! そんな量どこに隠してやがった!」
「幸水の! てめぇも売り切れだって看板だしてたじゃねえか!」
一触即発の雰囲気の中、結局16の酒蔵全てが隠し酒を持っていたということが分かって笑い話に変わる。つまり、今この場に16以上の酒樽が並んでいるわけで……
「レジーナ様。今持ってきていただいたものがこの国でトップを争うどぶろくです」
ティードが言う。それぞれ家紋の入った立派な酒樽が並ぶ様子は壮観だ。この景色を見れただけでもベンネスに来た甲斐がある。
「さて、どのどぶろくから飲まれますか?」
ティードの質問には残念ながら答えることができない。なぜなら私の目的は清酒だから。
「先に謝らせてください。自分たちの商品に誇りがあるどぶろく職人の方には申し訳ありません」
職人たちがざわつく。
「私は昔飲んだ『清酒』が飲みたいんです。どぶろくを搾って濾過して透明になったお酒。それが清酒です。その清酒作りに協力して欲しいんです」
私はそう言って深々と頭を下げた。正直言って少しだけ怖い。せっかく持ってきてもらったものを飲まないなんて宣言したわけだから怒られてもおかしくない。
「今から私も魔法で協力するので発酵からお手伝いをしていただけませんか?」
頭を下げたまま私はそう言う。頭を上げたらそこにはもう誰もいなくなっているかもしれない。どぶろく造りのノウハウを持っている人が誰もいなくなっているかもしれない。そう思っていた。
「馬鹿言ってんじゃねえ!」
ああ、やっぱり怒るよね……。
「その清酒とやらにどぶろく使いたいならうちの鶴旗を使いな! 俺はレジーナちゃんが飲みたい酒を飲ませてやりに来たんだ」
「ずるいぞ鶴旗の! レジーナちゃん! ウチの水神殺しを使ってくれ!」
「いーや! 幸水だ!」
「え、皆さんが丹精込めて作ったどぶろくを……?」
私は驚いて顔を上げた。そこには誰一人として私に怒りを向けていない。ただ期待の眼差しがあるだけ。
「この場には恩人の願いを無下にする馬鹿はいねえ。レジーナちゃんはこの国の恩人だし、飲み友達の恩人だ」
「俺はレジーナちゃんが可愛いから美味しいものを飲んで欲しいだけだ」
「ずるいぞ鶴旗の! 俺だってレジーナちゃんに可愛いって言いたい!」
「今のセリフは嫁さんに報告しておいてやるよ」
「ずるいぞ水神の!」
口論は絶えないけれど、職人さんたちはずっと前を向き続けてくれてる。そんな中で私が遠慮していたら失礼か……。
「お言葉に甘えさせていただきます! では今から私が知っている限りの清酒の作り方をお教えしますので、よろしくお願いします!」
私の言葉に職人さんたちは目を輝かせる。やばい。楽しくなってきちゃった。
とりあえずどぶろくができればあとは搾って濾過して殺菌すれば良いかな? 私が身につけた回復魔法で発酵を高速化させるアイデアが使えれば今日中に大量の清酒が……。
「レジーナ様。悪い顔をされていますよ」
「メアリーひどい。ちょっとたくさん清酒を作る作戦を考えてただけなのに」
メアリーは隣でため息をつく。けどなんだか嫌そうな顔には見えないあたり、私の考えに慣れてきてくれたのかもしれない。
「レジーナちゃん。秘蔵のどぶろく持ってきてやったぜ」
そう言って1人目の職人さんが酒蔵の扉をくぐる。手押しの荷車には大きな酒樽が1つ。そして……
「俺も最上級のどぶろく持ってきたぞ」
「おい鶴旗の! そんな量どこに隠してやがった!」
「幸水の! てめぇも売り切れだって看板だしてたじゃねえか!」
一触即発の雰囲気の中、結局16の酒蔵全てが隠し酒を持っていたということが分かって笑い話に変わる。つまり、今この場に16以上の酒樽が並んでいるわけで……
「レジーナ様。今持ってきていただいたものがこの国でトップを争うどぶろくです」
ティードが言う。それぞれ家紋の入った立派な酒樽が並ぶ様子は壮観だ。この景色を見れただけでもベンネスに来た甲斐がある。
「さて、どのどぶろくから飲まれますか?」
ティードの質問には残念ながら答えることができない。なぜなら私の目的は清酒だから。
「先に謝らせてください。自分たちの商品に誇りがあるどぶろく職人の方には申し訳ありません」
職人たちがざわつく。
「私は昔飲んだ『清酒』が飲みたいんです。どぶろくを搾って濾過して透明になったお酒。それが清酒です。その清酒作りに協力して欲しいんです」
私はそう言って深々と頭を下げた。正直言って少しだけ怖い。せっかく持ってきてもらったものを飲まないなんて宣言したわけだから怒られてもおかしくない。
「今から私も魔法で協力するので発酵からお手伝いをしていただけませんか?」
頭を下げたまま私はそう言う。頭を上げたらそこにはもう誰もいなくなっているかもしれない。どぶろく造りのノウハウを持っている人が誰もいなくなっているかもしれない。そう思っていた。
「馬鹿言ってんじゃねえ!」
ああ、やっぱり怒るよね……。
「その清酒とやらにどぶろく使いたいならうちの鶴旗を使いな! 俺はレジーナちゃんが飲みたい酒を飲ませてやりに来たんだ」
「ずるいぞ鶴旗の! レジーナちゃん! ウチの水神殺しを使ってくれ!」
「いーや! 幸水だ!」
「え、皆さんが丹精込めて作ったどぶろくを……?」
私は驚いて顔を上げた。そこには誰一人として私に怒りを向けていない。ただ期待の眼差しがあるだけ。
「この場には恩人の願いを無下にする馬鹿はいねえ。レジーナちゃんはこの国の恩人だし、飲み友達の恩人だ」
「俺はレジーナちゃんが可愛いから美味しいものを飲んで欲しいだけだ」
「ずるいぞ鶴旗の! 俺だってレジーナちゃんに可愛いって言いたい!」
「今のセリフは嫁さんに報告しておいてやるよ」
「ずるいぞ水神の!」
口論は絶えないけれど、職人さんたちはずっと前を向き続けてくれてる。そんな中で私が遠慮していたら失礼か……。
「お言葉に甘えさせていただきます! では今から私が知っている限りの清酒の作り方をお教えしますので、よろしくお願いします!」
私の言葉に職人さんたちは目を輝かせる。やばい。楽しくなってきちゃった。
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